#02 ロフトベッドは買うべきか否か
こんにちは、月本三奈です。
先日お値段以上の家具屋さんに行った際、ロフトベッドの前で母娘が熾烈な戦いを繰り広げていました。
「お母さん、私ロフトベッドベッドがいいっ」
「だめに決まってるでしょ!そもそもあんた一人じゃ眠れないじゃない」
「寝"る"も"ん"!!」
「ほら帰るよ」
……と言った具合でした。
子供らしき女の子は小学3年生ほどで、可愛いフリフリとボンボンのついたツインテールを揺らし、鬼のように店内で騒ぎ泣き始めていました。しかし彼女が欲しがっていたロフトベッドは最安値を選んだとしても中々に高い買い物。置くスペースのことや組み立ての手間や今後使うかもわからない代物です。
当然ながら駄々は通じず、無理やり引き摺られて帰ってゆきました。
私もよくああやって駄々をこねたな、懐かしいな、なんて微笑ましい形で眺めていましたが、あの鬼神の如き泣き声に惑わされないお母さまの鉄の心にも称賛を送らざるおえませんでした。
さて、そんな私も、実はほんの一カ月ほど前までロフトベッドで寝起きをしていたんです。
今回は私が実際にロフトベッドを使った経験から、それぞれ感じたメリット、デメリットについて紹介していきます。日々子育てに邁進する世の中の親御さんの助けになれるよう頑張ります。
ロフトベッドの対象年齢
まず、ロフトベッドには対象年齢が存在します。
といってもこれはベッド全体に言える対象年齢かもしれませんね。
対象年齢は、一人で寝られるようになる小学5年生くらいからと考えてください。
ベッドを買い与える上で重要なのは、「すでに一人で寝られるかどうか」です。
これから一人で寝る!と息巻くお子様。いい加減夜蹴られて目を覚ますのも煩わしい親御さん。これで一人で寝てくれるなら……と購入を決意する方も多くいらっしゃると思います。
しかしそれ、実は3日も持ちません!
なんなら初日寝ている時に寂しくなって、布団を引きずってきて共に寝るようなこと。
私も一人で寝ると敷布団を自分の部屋に持ち込んだものの、寂しくなって母の寝室をノックしたことがあります。確か小学3年生くらいです。
このような事態を起こさないためには、一人で寝ると言い出した子供にはまず、ベッドではなく敷布団を与えてやることが重要。
ベッドなら寝る!を信じたい気持ちは大変分かりますが……。ひとまずは敷布団を使い自室に寝かせ、一人で寝られるようになってからにしましょう。
ロフトベッドのメリット
こういう時はデメリットから紹介するのが筋なんでしょう。けれど、「ロフトベッド」と検索すると「やめとけ」「後悔」などがサジェストに並んでいます。デメリットの話はきっとよその方がたくさんしていると思うので、私はメリットのお話からしていきたいと思います。
一つ目のメリットは、とてもテンションが上がることです。
そりゃあそうです。秘密基地みたいですし、天井が近いなんだか慣れない景色。ロフトベッドに憧れる子供ですから高いところが大好き。ワクワクしながら寝られます。
二つ目のメリットは、寝る時間を把握しやすいことです。ロフトベッドは素材にもよりますが、大幅に動くと軋む音が響きます。
深夜までゲームをやりすぎなお子様のお部屋でロフトベッドが大きく軋む音がしたら、それは夜更かししている可能性大です。部屋に突撃しましょう。
三つ目のメリットは、寝る時目にごちゃごちゃした情報が入らないことです。
周りの本棚や洋服ダンスなど全てが見えなくなるロフトベッドは、寝る時は情報を無くして眠りたい方にちょうどいいのです。
……序盤に「他はデメリットを紹介しているので私はメリットから」なんて書きましたが、実はこうして具体的に挙げられるメリットとしてはこれくらいしかありません。二つ目なんて少し苦し紛れです。
ロフトベッドのデメリット
ということで、ロフトベッドを購入した身として胸を張って言えるメリットはほとんどありません。ということで、デメリットの紹介です。
ちなみに細かいところまで話すとキリがないので、ざっくりといきます。
まず、組み立てが果てしなく面倒なんです。これは有名な話ですね。
組み立ては二人を想定しており、なるべく大人二人以上でないと危ないです。人数が用意できない場合は危険です。私は解体を一人で行いましたが、頭を打ちネジを無くして散々でした。下に小さなお子さんがいる中で組み立てる場合は、その子を抑える人員も必要です。
シンプルに、とっても面倒くさい。そしてそこまで手間がかかっていたとしても、十分な感謝は得られないと思ってください。
むしろ「お母さんあのロフトベッド建てるの大変だったのよ」などを言っていると、「そんなに言われるならいらないよ。もう捨てといて」などと言い出すこともあります。
そしてとても揺れます。すごく揺れます。少しのみじろぎだけで大きく揺れるので慣れるまでに時間がかかります。普通のベッドで寝れる子も、大幅に揺れるのはダメかもしれません。
あと下の洋服かけや机は使いません。特にお子さんが男の子の場合には、背が伸びると下スペースには入りにくくなるでしょう。
そして、風邪を引くと寝かせる場所に困ります。
体調が悪い時、梯子を登るのはしんどいです。嘔吐の症状が出ているなら、トイレに向かう手間が少ない方がいいし、なにより揺れるので体調が悪い子には徹底的に優しくないのがロフトベッド。体調が悪い子供を見に行くのにいちいち梯子を登らなければならない、というのは親御さんにとっても面倒です。
そして例に漏れず、解体も面倒です。組み立てよりかは一人で行うことが現実的ですが、解体順番をしっかり考えておかないと途中で崩れたりもします。また、解体した物を置くのにもスペースがあります。捨てるにしても自力で持ち運びできないため、買取業者が必要になるなどとにかく大変です。
最後に
ということで、今回対象年齢から、ロフトベッドのメリット、デメリットについてお話ししていきましたが、一番大事なのはやはりお子さんの考え方です。
どんなに論理立てて説明してもロフトベッドが欲しい子は欲しいでしょうし、ロフトベッドを上手く使える子供も勿論世の中には存在するはず。私は聞いたことがありませんが……。
また、買い物の失敗経験というのは今後の役に立ちます。大学の一人暮らしなどをする際に失敗をするのと、まだ親の目が届いてそばで助けてあげられる年に失敗するのとではわけが違うでしょう。私も実際親の言うことを聞かずにロフトベッドを購入し、4年ほど惰性で使用して解体しました。そんな経験からか、家具を見に行く時は必ずメジャーで家のものを測ったり、明確に使う自分をよく想像して購入に時間をかけるようになりました。
そして、幼少期における「親が自分の意思を尊重してくれた」という感覚はなににも代え難いです。その時親がどれだけ正しいことを言っているかなんて関係ありません。子供は欲しいから欲しいのです。これをほどほどに尊重してくれる親を持つということで、子供の自尊心が育まれたりもします。
ただしこれは、購入したのち恩義せがましく何度も「買ってあげたのよ」だとかを繰り返して言うと完全な逆効果です。
私はロフトベッドの購入について、親に「ほら後悔したでしょ。だからお母さん買わない方がいいって言ったのに」と言われ続けてきた結果、ロフトベッドが嫌になってしまいました。そのセリフを最初に言われた時はロフトベッドを気に入っていたのに、です。このような子供が購入した物に対してのネガティブなセリフは、子供が言い出したら同意するに留めておきましょう。
子供の気にいる買い物にすることが一番大事なのですから。
と、いうことで。いかがでしたか?ロフトベッド本体の話だけでなく、子供視点の私から見て親の失敗だった行動なども挙げてみました。
色々偉そうに講釈を垂れましたが、私は決してロフトベッドの購入をNGだとは思っていません。
お子様と相談して、お互いに気持ちのよい買い物になること、将来に遺恨を残さない買い物になることを願っています。
それではまた。
今回はこんな長話に付き合ってくださり、ありがとうございました。
月本三奈