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ビジネス実務法務検定1級 受験生の方へ

※この記事は2023年12月10日試験時点での情報になります。
※筆者は、総合151点(共通1:35/50、共通2:43/50、選択1:28/50、選択4:45/50)で試験に合格しました!

1. 執筆の目的

 こんにちは!ぴんちと申します。
 私が2級試験を合格してから約40日。2023年12月10日に1級試験の受験をしました!私が受験を決意してから困ったのが、
どうやって試験勉強を進めるかわからない”
採点基準がわからない”
“CBT(パソコン入力)試験になってからの情報が全然ない“
といった感じで、とにかく情報が少なすぎるということでした。
 この記事で、同じ悩みを抱えている皆さんの疑問を少しでも晴らすことができたらと思います。役に立ったらスキボタンを押していってくださいね!

2. ルールについて

(1)試験概要

 ビジ法1級は年に1回受験チャンスがあります。2023年は12月10日でした。
 試験方式はCBTで、パソコンディスプレイに問題が表示され、その問題に対して解答をタイピング入力していくという試験になります。
 試験時間は、午前90分、午後90分です。2023年の試験は、午前試験が10時30分開始、午後試験が13時30分開始でした!午前午後で大問が各2題。大問1問に対して小問が5〜6題出題されるので、かなり時間的にタイトな試験になります。

(2)持ち込み可能なもの、試験当日の配布物 <超重要!>

 試験には、書き込みのない六法全書、シャープペンシル・鉛筆を持ち込むことができます。ただ、六法には、条文に線引きしたり、書き込みのない付箋(民法・会社法といったインデックスシールは可能)をつけることが許されています。線引きのやり方は、蛍光ペンでも鉛筆でもなんでもOKみたいです。私は鉛筆でラインを引いたのですが、蛍光ペンで線引きしている他の受験生を確認しました。
 使用六法ですが、当年度のポケット六法を持ち込んでいる人がほとんどでした。午後試験で知財が出題されたら知財を解くと決めている方は、ポケット六法では条文が省略されているため、知的財産権法文集というミニ六法全書を別途仕入れて、ポケット六法とあわせて二冊持ち込むことをお勧めします。
 試験当日驚愕したのですが、受験要綱に配布されないと記載されていた答案構成用紙が配布されました(午前午後で各1枚)。一応、試験画面の右上にもメモ機能があります(試験強制終了ボタンの横にあるので怖くてつかえませんでしたが)

(3)試験問題について

 2023年度の試験問題は、公式ホームページに掲載されているので内容は割愛させていただきます。ただ、大まかに特徴をまとめると、
<午前試験> 
共通問題2題が出題される。
民法および商法・会社法の知識を問う問題が中心に出題される(第2問で独占禁止法上履践すべき手続について問う問題が出題されましたが、メインではない)。
<午後試験>
選択問題として、4つの大問からうち2問を選択して回答する。
・一般受験生向けの問題では民法および商法・会社法の知識を問う問題
が出題されるが、共通問題と比較して、法務担当者としてこのケースではどう考えるかを問う問題や、公式テキストで学んだ個別法令との比較を問う問題が多く出題される。
 といった感じになります。

(4)試験当日

 私の受験した試験センターでは、午前・午後の試験30分前から受付を開始しました。事前に、顔写真付きの身分証明書の確認、持ち込み六法に書き込みがないかのスタッフチェックが行われました
 10分前くらいに試験室に入室をし、パソコンに受験者IDを入力したら、あとは試験開始を待つことになります。待機中に入力テストを行える場所があるので、そこで指を温めるためにも入力テストを行っておくのがお勧めです
 試験で使うPCのOSはWindowsで、入力方式はローマ字入力です。かな入力を希望する方は、事前にスタッフに要望しましょう。

3. 試験対策について

(1)普段の勉強

 独占禁止法や労働契約法といった個別法に関する出題は、テキストの範囲から大きく外れていると思わなかったので、公式の1級テキストおよび1級問題集はマストだと思います。ただ、公式テキストがかなり冗長で解説もくどくて飽きるので、ビジ法2級合格レベルの知識がある方は、
公式本の問題集>公式本のテキストで勉強したほうがいいと思います。
 問題を解く際に、
「元請負人が下請負人への支払いをバックれたときに、下請負人は注文者に仕事の目的物を引き渡さないといけないのか」、「取引先の資金繰りが怪しくなってきた時に自分の会社はどうやって債権回収していくか」といった感じで、問題となっている場面をイメージして自分ならどういう手段をとるかを考えたうえで、解説を読んで足りない知識を補っていくという勉強がオススメです
 本試験でも似たような事例が一部出題されるので、こういうケースに自分が遭遇したらこうするというメモを付箋に書いて簡略化してまとめておけば、かなりアドバンテージを取れると思います。
 選択4で45/50という高得点を取れたのは、公式テキスト問題集で勉強したテーマほぼドストライクで、まさにこのようなケース学習が刺さったからでした。このケース学習に至るまでに無駄な道を通ったので、もっと早くやっとけばよかったーって今では思います。
 あと、六法に付箋をつけることが認められている以上、テキスト問題集で使った条文には必ずラインを引いて付箋を付けるようにしてください。とてもじゃありませんが、試験時間中に六法全書から条文を探して引いている時間はないです。

(2)受験生を悩ませる法的三段論法

 私の点数をみると、選択4で45/50で高得点を取ることができました。いったいどんな記述をしたら点数に反映されたかということを、読んでいる方は気になるかと思います。
 実は、選択4を解き始めた時点で残り試験時間が半分を余裕で切っており、とにかく回答時間がなく、私はシンプルに問われたことに答えるしかない状況でした。
 たとえば、設問1の小問①では、
「A社が各従業員に過払い分の返還を求めること、及びA社が要返還額を各従業員の給与から差し引くことはできるか。それぞれにつき民法の根拠条文を示して、説明しなさい。」
という問題が出題されたのですが、私の回答は、
 ”結論として、A社は各従業員に過払い金の返還を求め、かつ、要返還額を各従業員の給与から差し引くことができる。民法の根拠条文は、民法703条の不当利得返還請求権である。本件事例では~・・・。したがって、不当利得返還請求権の要件を満たす。よって、結論に至る。”といった感じで最後まで書いた答案でした。
 法的三段論法の重要性がテキストにも書かれていましたが、「結論としては~」から書き出している時点で、テキストに載っている法的三段論法のルールを守れていません。ですが、法的三段論法を守れていないことよりも、時間不足で問われたことに答えていないとみなされる答案を作る方がまずいというのは行政書士試験の受験でわかっていたので、設問に答えているアピールを優先しました
 この作戦が実際に功を奏したので、時間がなくて厳格な文章を書いている余裕がないときは、「とにかく聞かれた問いに答える」姿勢をみせれば、最低限の得点は守れるということを記憶の片隅に置いて頂ければと思います

4.試験を受けて後から思ったこと

Apple社のmacbookやipadなど、iOSでの入力方式に慣れている方は、日本語アルファベット変換の入力方式が全く違うので、試験前はwindowsの入力方式で慣れたほうがいいです。
問題文のコピーアンドペーストが使えます。問題文の事実の引用の際はコピペで時短するのがおすすめです。
・資格試験サイトでは勉強時間100時間で合格できるとありますが、受験者のバックグラウンドで大きく変わると思います。一般の2級合格者が100時間で合格するのはなかなかハードルが高いと思います。ですが、上述したケース学習を進めれば不可能ではないのかなと思います。
タイピングが早い人が圧倒的に有利です。と、思っていたんですが、試験結果から簡易記述でも評価されていることがわかり、タイピングが遅い人でも分量は必ずしも必須ではないのかなと感じました
 Xで受験生の投稿を遡っていたのですが、司法試験合格者も受験していたみたいです。司法試験がCBT化するということで、ビジ法1級は今後受験生の需要も増えるかもしれない的なことを話されていたので、本格的に参戦してくる前に法務担当者は取得を検討された方がいいかもしれません。

 必要に応じて加筆修正を行っていきますが、参考になれば幸いです!
 質問がありましたら遠慮なくコメントしていってください!
 ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
                               ぴんち

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