小さなご馳走 その16
お料理と名乗るのも憚られるけれど、
食べると幸せを感じるおかずたち。
えのきとベーコンのお味噌汁
若い頃は、朝っばらからご飯なんて食べていられるか!?と毎食パンであった。
夜中遅くまで起きていたから眠くて毎朝ギリギリまで寝ていたし、ゆっくりとご飯を味わうこともなかった。パンを無理やり口に突っ込んで、食事も短時間。ご飯食なんて、旅先の旅館の朝食でもあるまいし。とにかく食べるのに時間がかかるからと嫌がっていた。
しかし結婚して食を見直してみると、炊きたてのご飯と味噌汁のなんと贅沢なことか。
しかもパン食よりも野菜や蛋白質がバランスよく取れる。
毎朝空きっ腹に一口飲む味噌汁は、身体中に沁み渡って私をほんわか、そしてシャキッとさせてくれる。
ああ、なんて温かくてホッとする味なのだろう、という優しい気持ち。これで私の1日が始まるのだ、というシャキッとした気持ち。
味噌汁は大切な大切なおかずなのだ。
*
さて、その味噌汁だが、我が家の味噌汁の具材は大体メンバーが決まっている。
切り干し大根×わかめ
ネギ×揚げ
大根×わかめ
舞茸×わかめ
さつまいも×わかめ...
野菜やキノコとわかめか、油揚げの組み合わせだけ。
というか、思考が停止するかのように、いつも同じような具材しか入れられなくなっていた。
他に何を入れようと考えも及ばなかったのである。
味噌汁について沢山の書籍が出ている。それが気になり最近ふと書店で眺めていた。
そこで出てきたのが、えのき×ベーコンの組み合わせ。
え?味噌汁にベーコン?
他にも色んな具材の組み合わせが掲載されていたが、珍しくて目に飛び込んで記憶されたのがこの組み合わせだった。
お正月明け、ちょびっと賞味期限の切れてしまったベーコンがあるということに気づいた私は、常備してあるえのき(キノコ類は安い時に沢山買って冷凍してある。冷凍するとキノコの細胞が壊れて、旨味成分が出やすくなると聞いたことがあるからだ。)と共に早速この味噌汁を作った。
なかなかコクのあるお味噌汁だった。
煮干しでも出汁を取っているが、さらにベーコンの旨味も出汁の旨味に合わさって深みが出ている。
そしてもちろんえのきからも美味しい出汁が出ている。
つまりはトリプル出汁の味噌汁ってわけだ。
肉好きの我が家の子どもたちにも好評。
思考停止していた味噌汁の具材に新たなメンバーが加入し、また朝の食卓が楽しくなる。
まだまだ味噌汁の具材探しの旅は続く。
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