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お守り食パン

パニック症状が一番激しかった頃、私のお守りは食パンだった。

今となっては笑い話のようだけど、本当に食パンを食べていると心が落ち着いたし、持ち歩いているだけで安心できた。

もともとご飯派だったのに、食パン愛が爆発。一時期は食パンしか食べたくなくなり、短期間で5キロ痩せた。いろいろなお店の食パンを食べ比べて、お気に入りを探したりした。

なぜ食パンだったのか?自分なりに考えてみた。

① ふわふわな食感

当時は洋服や持ち物の触り心地がとても大事で、ツルツル・カチカチしたものが苦手だった。
代わりに、ふわふわ・もちもちしたものばかりを自然と選んでいた。
食パンのふわふわ感はまるでクッションのようで、私にとって癒しだったのだと思う。

② 素朴な味

味覚が過敏になり、甘い・酸っぱいなどの強い味が苦手になっていた。
もともとはケーキ屋で働くほどの甘党だったのに、ジャムもマーガリンは絶対につけない。優しく素朴なそのままの味にハマったのだ。

③ ちぎって少しずつ食べられる

不安定なときは、口元に何かがあると安心できた。パニックになったときも、ハンカチやクッションを口元に当てると落ち着いた。
食パンも、ちぎりながら口元に当てつつ、ちびちびと少しずつ食べるのが心地よかった。

当時は必死だったし、「これが一生続くの?」と不安もあった。でも、少しずつ変化して、今は食べられるものも増えてきた。

心や体が弱っているときは、脳が「安心できるもの」を求めている。もし困ったときは、私たちそれぞれが、自分にとっての「食パン」を見つけていけたら、少しずつ前に進めるかもしれない。

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