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Web以外の仕事が今も役立っている

blooming m という屋号でWeb制作をしているKayoです。
Webの仕事をしていて、これまでに経験したWeb以外の仕事がとても役に立っているなと感じることがあります。

結婚・引っ越し・出産・育児など、ライフステージの変化で職種も雇用形態もその時々で変えざるを得ない場面がありましたが、どのような時も柔軟に対応してきました。
仕事を変える時いつも思っていたことは、「次につながるように」ということです。
「子どもが成長して仕事に比重を置けるようになった時のために役立つことをしていたい」と思っていました。

それぞれの仕事がWebの仕事にどう役立っているのかという視点で今回の記事を書こうと思います。
長くなるので、要点だけ知りたい方はグレーの塗りつぶしがかかっている<Webの仕事に役立っていること>だけご覧くださいね。




メーカーで事務とシステム開発・運用

私の仕事の原点は、新卒で入ったメーカーの人事でしていた給与計算や労務管理に関する事務とシステム開発・運用の仕事です。
これがベースとなってその後の仕事の選択につながっています。
Webの仕事もこの延長線上にあります。

事務の仕事は正しい処理をすることが当たり前とされる一方で、その当たり前の処理を抜け漏れなくするのが難しい!
給与や労務管理でいうと、社内規則・源泉所得税・年末調整・社会保険・雇用保険・住民税など、正とするものを理解することが必要です。
正しい処理をするということは、正とするものを理解した上で、対象物がそれに沿って処理されているか照合する目をもつこと、また正しく処理される仕組みを作ることだったりします。
そして、必要数それを締め日までにすべて終わらせることが要求されます。
「給与支給日に給与が振り込まれなかったら、引き落としができなくて社員が社会的信用を失うことだってある。」
そうトレーナーに指導されたことは今も忘れません。
そして、常に差し込まれる別の仕事に即座に対応して、優先順位を入れ替え全体が滞らないよう仕事を進めていくことが求められます。

システムの仕事では、COBOL/Sという言語でシステム開発と月次の運用をしていました。
全くの未経験でしたが、プログラムの構造やデータに対する感覚、ロジックが正しく機能しているかチェックする目が養われました。
私が関わっていた当時ですらCOBOLは古い言語だという認識でしたが、古くてアナログな言語だからこそ、1〜10まで機械に事細かに指示を記述しなければならず、機械が裏でどんな動きをしているのか理解するには役立ちました。
WebでWordPressの関数を勉強した時には、慣れれば便利である一方、それがどこからどこまでの処理をカバーするものなのかをいちいち調べないと先に進めないことにまどろっこしさを感じました。
いずれにせよ、システムは正しく使えばとても便利ですが、間違った扱いをしてデーターが壊れたときには大惨事になることも身をもって理解しています。

<Webの仕事に役立っていること>
・何が正しいのかを理解しようとする姿勢
・抜け漏れのないチェックをする目
・締め日に対する意識
・臨機応変な仕事の進め方



研究機関の資料センターで資料管理

研究員の方々が日ごろ使う資料はもとより、メーカーから納品される紙やデジタルの成果物を受け入れ、必要な時に取り出せるようデータ整備をする、いわば図書館司書のような仕事をしていました。
研究に必要な資料を取り出すことの他、緊急時に関係資料を取り出すことがあるため、登録内容・類似する用語の統一ルール・保管期限などが細かく定められていました。
これらは、検索されることを前提にした情報整理・情報管理です。
だれもが必要な情報にたどり着けるような運用ルールを検討し、データを管理しなければなりませんが、専門用語や略語も多く、どう統一していくかは各所との調整が必要です。
年の離れた管理職の方々とのやり取りは、言葉のチョイスに気を付ける訓練になったかもしれません。

<Webの仕事に役立っていること>
・検索を意識した情報整理と情報管理
・役職者とのコミュニケーション



証券会社や銀行のシステムセンターでシステム開発

派遣やフリーランスのプログラマーとして、COBOL・アセンブラ・PL1 のシステム開発をしていました。
システムセンターは、センターの社員・パートナー会社の社員・派遣・フリーランスなど雇用形態も国籍も様々な人たちが集まっています。

私は元々 COBOL/S という言語しか経験がありませんでしたが、何かしら1つの言語を経験していれば、事務処理系のプログラムは他の言語でもどうにかなると分かったのはこの時です。
記述方法の違いはあってもプログラム全体の構成が同じだったり、ケースに応じて if 文で処理を分岐させていくという考え方は同じだなと思いました。
営業の方から言語の違いは大丈夫だと言われて不安を感じつつも、現場で渡される数枚の言語に関する資料で確かに何とかなっていました。

また、初めてフリーランスになったのはこの頃ですが、プロジェクトの終了が近づいてくるとあちらこちらで次の現場へのお誘いの光景があり、フリーランスは目の前の仕事で信用信頼を築いていくことが大事だと知りました。

<Webの仕事に役立っていること>
・何かしらのプログラミング言語を経験していれば他の言語にも役立つと知ったこと
・フリーランスは目の前の仕事で信用信頼を得ていくことが大事と知ったこと



パソコン教室のインストラクター

長年一般ユーザーとして何となくパソコンを使っていましたが、下の子の小学校入学を期に再就職に向けてMOS(マイクロソフトオフィス スペシャリスト)を取得しました。
事務の仕事を探していましたが時間的にちょうどよい求人がなく、目に留まったのはパソコン教室のインストラクターの求人でした。
教える経験はないけれど、教室に通う生徒さんはどういう人かと考えると、

・パソコンを初めて触る人
・ある程度パソコンを使っているがよくわからない人
・書籍やネットで独学することに不安がある人
・就職や再就職のために資格を取りたい人

だろうと思いました。
そうであれば、何とかなるかもしれないと思い応募し採用されました。
引っ越し、出産、育児により仕事から離れていましたが、この時点で11年のブランクがありました。

さて、Webの仕事でいうペルソナの設定をしていたわけですが、自分が考えていた以外にも、教室に入ろうと思う理由はたくさんあると後に気づきました。
中でも想像が及ばなかったのは、シニアの方々の思いです。

・やっと自分の好きなことができるようになったから新しいことをしてみたい。
・パートナーが亡くなって塞ぎがちになっていたときに知人から勧められた。
・スポーツをしている孫の活躍を見てみたい。
・自分で買い物に行けなくなった時のためにネットショッピングができるようになりたい。
・新聞に書かれているインターネットの話題についていけず、世の中から取り残されている気がしていた。
・頭と手を動かせて脳トレになると思った。
・町内会の仕事でパソコンができないと困る。(が、聞きたくない!マウントを取られるのが嫌だ!)
・終活として子どもの紙の写真をデジタル化し、渡せるようにしておきたい。
・定年退職後、生活に張りがない。

など、パソコンを使えるようになることが必ずしも目的ではなく、QOL(生活の質)の向上や老いとの葛藤が動機であることが多かったように思います。

そして、それらの気持ちは入学時アンケートなどから拾えないものもあり、マンツーマン授業ならではのコミュニケーションを積み重ねる中で、あるときポロっと心境を口にしていただけるものでした。

生徒さんそれぞれのお悩みが理解できるようになると、お勧めするコースはもとより、共感ポイントに応じた声掛けが必然的に変わっていきます。
そして、企画する講座内容も同様です。
考えてみると、クライントとのやり取りや、情報整理・情報設計・ワイヤーフレーム作成といった工程と似ています。

生徒さんに対する理解だけでなく、教える仕事は自分自身の教材の理解や、それを教える技術が要求されるので、常に勉強が必要で、決められた時間内にそれぞれのスキルに応じてカリキュラムを理解していただくための説明方法を考えていました。

<Webの仕事に役立っていること>
・それぞれの課題を汲み取り、課題に応じたご提案や表現を考えること。
・相手のスキルに応じた対応。
・マイクロソフトオフィス系のスキル。
・クライアント目線で簡単な操作説明資料を作成できる。
・幅広い年代の方とのコミュニケーション。



個人事務所で事務

メーカーで事務の仕事をしていた時と共通している部分がほとんどですが、10数人規模の個人事務所ならではの「システム慣れしている人が少なく仕事の仕方がアナログで効率的でない」という問題を改善してきました。

顧問先に郵送物を送るための宛名を手書き
→宛名ラベルや封筒に差し込み印刷ができるようにした。

Excelを見た目の表を作るものとして使っていてデーターが有効活用されない
→就業時間の集計作業において、就業開始時間と終了時間を入力すると所定内労働時間・所定外労働時間に振り分けられるよう、顧問先のルールに沿ってExcel内で自動集計できるようにした。

人の出入りがあるたびに同じ説明を繰り返す
→だれが説明しても内容にばらつきがないよう、話の筋として、また振り返るものとして定型業務をマニュアル化。

など。

<Webの仕事に役立っていること>
スキルのばらつきがあっても問題がないよう、運用しやすい効率的な方法を考えること。



番外編

PTA広報委員会

父母会誌を制作していましたが、仕事かと思うくらいの本格的な委員会でした💦
過去データやマニュアルはGoogleドライブに保管され、編集データもドライブ内でやり取りを進めるPTAとしては一歩進んだ組織でした。

取材にも力が入っていましたが、学年内校正→学年間校正→全体校正と段階を踏んで校正を繰り返し、全体校正は昼食持参で一日がかりの白熱した議論が繰り広げられました。
中高一貫だったので、6学年分の記事と事業委員会や地区父母会の記事、校長先生や父母会長のご挨拶を合わせるとかなりのページ数になります。
それを、誤字脱字、主語述語、用語の統一、話の筋に合ったレイアウトか、適切な図解かなど細かくチェックしていきます。
意見が分かれる場面も多々あり、都度調べたり、議論をしたり。
文章を校正する力が付いたように思います。

大変なところに入ってしまったと思いましたが、子どもというつながりで、様々な職種や地位の方々とフランクにお話できた貴重な機会でもありました。

<Webの仕事に役立っていること>
文章の校正



最後に

Webの仕事にたどり着くのは遅かったと思いますが、様々な仕事の経験は無駄なことはなく今に役立っています。
Webの仕事もディレクション・デザイン・実装など分野は分かれますが、全体を経験しておくことは、のちに自分の専門分野を絞る場合でも役に立つと考えています。


- はじめましての方へ -
読んでいただきありがとうございました。
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