晩酌の話をしようか
晩酌という言葉には何だかスパイシーなオヤジ臭が漂っていてどうにも止まらないからリンダが困っちゃうという噂があるけどそれは信じちゃいけない。なぜならわたしの心はウブだからだ。ただリンダが困ってもわたしは困らないけどマンダが困ると久子が悲しむからそれだけは避けたい。
晩酌でも賃借でもいいんだけどわたしはご飯と一緒においしくお酒を飲みたいだけなのにそうはさせまいとする強大な敵がわたしの前に立ちはだかる。それがお酒はご飯と一緒には飲まないという知人。人呼んで『お酒はご飯と一緒には飲まないという知人』だ。
知人は晩酌とはご飯ではなくおつまみと共に楽しむものだという。だからわたしがご飯と一緒にお酒を飲むと「変わってるね」とか言う。両のモミアゲつまんで踵が浮くほど持ち上げっぞ。どうしてわたしの方が変わっていると言い切るのか。自分が正しいというその自信はどこから来るのか。卒業していったいなに解るというのか。ゴメンちょっと尾崎出た。
前に居酒屋でわたしが真っ先にチャーハンを頼んだ時には「早過ぎ。腹に溜まっちゃうじゃん」と言われた。え、腹に溜まっちゃダメかな。え、好きになっちゃダメ……かな。ゴメンちょっと乙女出た。つーか何の食べ物でいつ腹が満たされてもよくない? ステーキでもブロッコリーでもババロアでもババアでも好きなら何でもいい。
わたしは特に熟女好きではないけどわたしの年齢で熟女は70歳とかになってしまう。それはもはや熟女というか老婆というかローバーであり即ちランドローバー。ランドローバーが作りしレンジローバー。ややこし。トヨタが作ったホヨタ。ホンダが作ったリンダ。ニッサンが作ったマッサン。お酒飲みたい。