蟻を食べた話
虫を食べた話をします。
苦手な方はお気をつけて。
くみちゃんにあげる
と、おーちゃん(当時幼稚園生)はチュッパチャプスチェリー味を私にくれた。
ゲームセンターで取ったやつの、たぶんあんまり好きでは無い味だったのだろう。
身の回りに幼児のいない環境だった私にとって、子供が何かをくれるなんてめったにないことだったのでなんだかとても嬉しくて、それを宝物入れ
(学生時代にお誕生日でもらった、ビーズで編まれた四角い小物入れ)
にしばらく置いておいた。
1〜2ヶ月ほどそうしておいたが、とある夏の夜そろそろ食べようかな、と部屋の片付けだかなんだかをしながら食べ始めた。
終盤に差し掛かり、あの持ち手の棒と薄くなった飴が貫通するタイミング、あれがチュッパチャプスの醍醐味だと思うのだが
その瞬間それまで食べていたチェリー味がなぜか猛威をふるった。
酸っぱい。
酸っっっっぱい。
確かに優しい酸味はあるような味だったが、途中でこんなに味が変わる物だったっけチュッパチャプス。
真ん中に酸っぱいフレーバータイプなんて無かったよねチュッパチャプス。
思えばなんとなく飴とも感じの違うジャリっとした感覚に疑問を覚えた私はティッシュにそれを吐き出した。
ああああ蟻だ!!!!!!
蟻をたべてしまった!!!!!
どうやら大事においていた間に、蟻は持ち手の棒の空洞をたどって内側から飴を楽しんでいたらしい。
蟻サイドからすればある日突然空に穴が空いて、その先がニンゲンの口の中だったなんてとんでもない進撃の巨人だ。
ともかく驚いて母の部屋に飛び込み
「どうしよう!!蟻を食べちゃった!!!!」
度々訳の分からない案件を持ち込んでくる私に母は驚くほど冷静に
「なんともないやろう」と言った。
経緯くらい聞いてくれてもいいじゃないか。
お腹痛くなったらどうしよう、もしかして猛毒で死んじゃうのでは…としばらくは不安だったが本当になんともなかった。
その後テレビでなぜか分からないが蟻を紅茶に入れたらレモンティーになる、みたいな話をやっていて実践しているのを見た。
テレビからは「ヒェ〜!!!」と悲鳴があがっていたが、確かにあの酸味があればいけそうだな、とひとり納得していた。
つい人に話したくなる強めのエピソードだがあまり人前でする機会がなく。
してもドン引きされるのでここに認めておきます。
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