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社労士とコーチング:中小企業庁が提唱する新たな経営力再構築伴走支援のかたち

コーチングとの出会いが、私の人生を大きく変えました。自分自身と向き合い、より充実した毎日を送れるようになった経験を、前回の記事でご紹介しました。

今回はその経験を活かし、社労士という立場で、中小企業の経営者の皆さまが抱える様々な課題解決に、コーチングがどのように役立つのかを書き記してみようと思います。

1. はじめに:中小企業を取り巻く環境の変化と新たな支援の形

近年、中小企業を取り巻く環境は、デジタル化の加速、人材不足、など大きく変化しています。このような状況下で、中小企業は、単に課題を解決するだけでなく、自社の強みを活かし、持続的な成長を実現するための新たな支援を求めています。

中小企業庁が提唱する「経営力再構築伴走支援」は、このようなニーズに応えるべく、従来のコンサルティングとは異なる、より深いレベルでの支援を目指しています。

2. 中小企業庁が提唱する経営力再構築伴走支援の特徴


【参考】中小企業庁 経営力再構築伴走支援ガイドライン

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/keiei_bansou/guideline.pdf

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/keiei_bansou/003/002.pdf


「経営力再構築 伴走支援 ガイドライン」によると、中小企業庁が提唱する経営力再構築伴走支援は、以下の特徴をもちます。

対話と傾聴: 経営者との対話を通じて、本質的な課題を深く掘り下げる。
課題設定: 経営者が自ら課題を発見し、解決策を考える。
自走化: 支援者が常に寄り添い、最終的には経営者が自ら課題解決できる状態を目指す。

すなわち従来の『〇〇という問題を解決したい』といった具体的な課題解決だけでなく、『何が課題なのか』すら明確でない状況において、経営者と対話を通してその課題を深掘りしていくことが求められているのです。この対話と傾聴のプロセスは、コーチングと呼ばれるもの、と明記されています。

出典:中小企業庁「経営力再構築伴走支援ガイドライン」
出典:中小企業庁「経営力再構築伴走支援ガイドライン」
出典:中小企業庁「経営力再構築伴走支援ガイドライン」


3. 支援者としての社労士の役割:労務管理の専門家から伴走者へ

従来、社労士は労務管理の専門家として、法的な手続きや制度に関するアドバイスを提供してきました。しかし、現代の中小企業が抱える課題は、単なる法令遵守にとどまらず、組織全体の活性化や従業員のモチベーション向上といった、より人間的な側面にまで広がっています。 この変化に対応するため、社労士は単なる専門家から、経営者の成長を支援する「伴走者」へと、その役割をシフトしつつあります。

ここにコーチングの手法を取り入れることで、経営者と深く対話し、組織の潜在的な課題を抽出し、解決策を共に探っていくことが期待されています。

4. まとめ

コーチングは、個人の成長を促し、組織の変革を加速させる強力なツールです。社労士がコーチングの手法を習得することで、経営者の潜在能力を引き出し、組織全体の活性化を図るための具体的な行動計画を策定できるようになります。

例えば、従業員の離職率が高いという課題に対して、社労士はコーチングを通じて経営者と深く対話し、その背景にある組織文化や経営者の考え方を探ることで、より効果的な人材育成プログラムを設計することが可能となります。

さらに、コーチングでは、経営者が自ら課題解決に取り組む内発的な動機付けを促すことができます。経営者が主体的に行動することで、より持続的な組織変革を実現できるのです。

私は、経営者の皆さまが、自分自身と組織の可能性を最大限に引き出せるよう、一人ひとりに寄り添った伴走を続けていきます。
そして、中小企業がより良い社会を創出できるよう、微力ながら貢献していきたいと考えています。


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