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【無料公開①】会社売却とバイアウトそして事業承継の物語 はじめに

本記事に登場するM&A基礎ワード解説

※小説を読む前に以下の記事を参照すると、深く理解ができるかもしれません。ご参考まで。


会社売却物語ウェブ公開にあたって

ここに掲載した会社売却物語は、本サイト管理者である株式会社ブルームキャピタル代表取締役宮崎淳平の著書『会社売却とバイアウト実務のすべて』(電子版と紙版があります)の第2部を、無償でそのままウェブにアップしたものです。

かねてから私はウェブ情報を信用して痛い目にあってきました。特に私の属するM&A業界とヘルスケア業界に関するウェブ記事の内容はひどいものがあります。ウェブ上にあるM&Aに関する情報は間違いだらけといっても過言ではありません。

ここで思ったこととして、「ウェブでも書籍と同程度の価値ある情報を掲載する動きがあっても良いのではないか?」と思いました。

このサイトも一種のオウンドメディアとはいえますが、どちらかというと会社のマーケティング活動のために作るというのを第一義にするのではなく、これを読むことでM&Aや会社売却を考える方にとって如何に価値あるコンテンツにするかを考えて制作しました。おそらく、実際に真剣に会社売却を検討している人は、「こんなに読みごたえがある会社売却に関係するコンテンツははじめて!」と思っていただけるでしょう(読みにくいとは思いますけどね)。このサイトの読者にはそんな経験をしてもらえればうれしいなと思っているところです。

会社売却物語をお読みいただく前に

さて、本コンテンツは、オーナー経営者で会社売却や事業承継を考えている人々や子会社や事業を売却しようとしている企業担当者の人々が会社売却を実施しようという場合に「実務やニュアンスまで理解できる」バイブルにしたいと考えました。

したがって、対象となるみなさんが実際に何を知りたいのかについて調べるため、数十人にアンケートを実施しました。その結果、最もニーズが高かったのが「売却サイドから見た事例を知りたい」というものでした。しかし、具体的なM&A案件はすべて機密情報であるため、それらを事例として取り上げるのは難しいものでした。そこで、本書ではこのニーズに応えるため、M&Aイグジットの事例を物語形式で取り上げることにしました。

本事例は、著者が実際に経験した様々なM&A取引の要素を合成し物語としたものです。あくまでも、読者に「M&Aイグジットの一般的な風景」を感じてもらうため、特殊な事例ではなく、標準的な事例を採用しました。また、幅広い読者を想定し、スタートアップ的な要素と中小企業の事業承継的要素の双方を有するような会社を題材とし論点は絞りました。

もちろん、これらはすべてフィクションですが、リアルな現場の風景にとても近いものです。内容としては、架空のVC(ホライズンキャピタル)が投資している架空のオーナー企業(フラットテクノロジー社)のM&Aイグジットの事例ですが、事例中の重要事項の本質は、中小・中堅企業の事業承継、大企業の子会社売却においても同じです。実際にM&A取引に携わった経験のある方であれば、現場の光景が浮かび上がってくるでしょう。また、M&A取引(特に売却取引)を実施したことがない方にとっては、自身が売却する場合のプロセスを疑似体験できることでしょう。

なお、本文中に出てくる書面の一部は本サイト右側の「ダウンロードファイル」をクリックいただき、先へ進めていただくことでダウンロードしてご覧いただくことが可能です。

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〈ダウンロード可能書類一覧〉
・スケジュール:Schedule.pdf
・プロジェクション:Projection&DCF.xlsm
・意向表明書(N社):LOI_N.pdf
・意向表明書(S社)LOI_S.pdf
・ティザー:Teaser_PJ_FT.pdf
・最終契約書ドラフト:DA_draft.pdf
・最終契約書(N社修正案):DA_N_revised.pdf
・DD開示希望資料リスト:Required_Docs.pdf
・プロセスレター:Process_Letter_draft.pdf
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※Projection&DCF.xlsmは予測財務諸表、KPI設定、DCFなどのシートで構成されています(詳細は『会社売却とバイアウト実務のすべて』第四部 1-3の<プロジェクションの全体像>参照)。


会社売却物語の基礎情報 ~初期フェーズ

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【基礎情報】(売却直前の対象会社の状況)
会社名──株式会社フラットテクノロジー(以下、「FT社」という。非上場会社)
設立──2004年
株主構成──平井健治社長80%、ホライズンキャピタル20%
※ホライズンはうち10%が種類株式(普通株増資時の増資後時価総額は3億円、種類株増資時の増資後時価総額は5億円で、それぞれ2,000万円、8,000万円、合計1億円の増資をしている)
※発行済み株式数は1,000株
事業内容──IT系マーケティングツールである「FTアナライザー」のベンダー。FTアナライザーの開発は一部を他社へ外注して開発した経緯あり。主な顧客は売上高100億円程度の中堅企業だが、顧客が800社と多数なのが特徴。月額課金モデルによる売上を顧客から受け取るビジネスモデル。

【登場人物と組織】
・平井──対象会社社長。会社売却することになる物語の主人公
・白鳥──対象会社CFO
・佐藤──対象会社COO
・FT社──売却対象会社
・ホライズンキャピタル──FT社へ投資しているVC
・渋谷──ホライズンキャピタルの社長
・BAパートナーズ── 平井がアサインするFA(ファイナンシャル・アドバイザー。以下、「FA」という。M&Aアドバイザー)
・樫村──FAであるBAパートナーズの社長
・川村──樫村の部下
・三村──平井の経営メンター
・江村──平井がアサインする会計士
・清水──平井がアサインする弁護士
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次にスケジュール表を掲載しているので、物語の各時点が全体のどの段階に該当するのかを常に確認しつつ読み進めてください。物語を読みながら、「この話はスケジュール表のここだな」と理解できれば、おおよその流れは追えていることになるでしょう。

全体スケジュール

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(執筆及び監修:株式会社ブルームキャピタル 代表取締役 宮崎 淳平)

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