子供番組ってすごい
駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。
今回のテーマは「#子どもに教えられたこと」です。
テレビドラマ等の続き物が苦手である。クイズ番組は、がやがやとしているから、そんなに好きではない。何処に行きつくのかよくわからない旅番組も好きではない。どれも良いところでCMが入るのがイライラする。長時間テレビの前に座っていなければならない映画も、覚悟がいるので苦手である。だからなのか、好んで観るテレビ番組は、大体がニュースである。簡潔なのがいい。
テレワーク勤務が増えたあたりから、ニュースに加えて子供番組も観るようになった。朝の勤務開始前に丁度いいのだ。何となく心穏やかになる。子供番組は、道徳的な内容が含まれていることも多く、短時間に人として大切なことが散りばめられているような気がする(まあ、教育番組だから)。先日なんて、子供同士が喧嘩した後、それぞれが葛藤して仲直りするお話を観て、朝から泣いた。心が洗われるような感覚になり、涙を拭きながら、その顔でテレワークを開始した。そう、子供番組って、すごいのだ。
『みいつけた!』で泣いたことはないけれど、ニュースを見るよりこちらの方が心が穏やかになる。時々、放映される、ずんの飯尾和樹さんが声優で出演している椅子の話も好きである。
平日の朝だけではなく、休日の夕方にある子供番組も心を持って行かれることがある(……ちなみにテレビは好きなのです)。私が好きな番組の一つは、こちら。
子供の頃、兄弟が使っていた貯金箱がパディントンだった。確か、素材は塩化ビニル製で、お金を取り出す時、少しお湯で温めて首と胴体を分解しなければならず、子供心に脅威を感じていた。学生時代にイギリスへ短期留学した際、地下鉄にパディントン駅があり、「ここが舞台なのか!」とウキウキしたのを覚えている(ちなみに……ずっと、パディングトンだと思っていた。理由は、子供の頃、「Paddington」という英語表記をローマ字詠みし、そのままにしてしまったから。パディントンだよ)。
パディントンの何が好きかというと、とても礼儀正しいこと。言葉遣いもきちんとしているし、優しいし……とても模範的な雰囲気を醸し出しているけれど、おっちょこちょいなところが可愛らしい。毎回、ひと騒動起こした後、物語の最後に南米のホームに入っている育ての親の叔母さんに手紙を書くシーンがある。その温かい内容にジーンとしてしまう。我が身を振り返り、何だかはっとさせられることがある。子供番組ってすごいよね。
それからそれから、時間帯からして子供用ではないのだと思うけれど、こちらも好きである。ゆるっとした感じにホッとできる。5分番組なのだが、ぼーっと見ながら、最後の次の日へのカウントダウンを一緒に行う自分がいる(番組の最後にカウントダウンのシーンがあるのです)。
つまり……Eテレが好きなのだと思う。
大人の皆さん、「何だか疲れたな……」と思ったら、Eテレを観よう。子供番組って、すごいから。
文:彩音
編集:アカヨシロウ
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