家が私を育てる
2週間前より、年末の大掃除に取り組んでいる。例年10月頃から少しずつ始めているのだが、上手いこと進めることが出来ず、11月から開始した。進捗は良好で、このままいけば余裕をもって年末を過ごせるはずだ。
手を動かしながら、「掃除って人生みたいだな」と思った。「部屋の状態は心の状態」とも聞いたことがある。掃除をしている時、整理整頓であれば、「いるものといらないものを判断し、捨てる」ということを繰り返している。ここで「後で使うかもしれないから」で残しておくと、収納が豊富ではない我が家では、たちまちスペースがなくなる。だから、「本当に必要なものは何か?」と自らに問い、今いらないものは潔く捨てる必要がある。
昔から整理整頓が苦手だ。いつの間にか物が増えていき、いつの間にか山が出来てしまう。山に混乱し、全部必要な気がして、結果、「本当に何が必要か?」がわからなくなってしまう。散々、自分で創り上げた山に惑わされ、迷子を繰り返してきたように思う。
情報も同じだ。情報って面白いから次から次へと気になって意識が持って行かれてしまいがちだけれど、いらない情報も沢山溢れている。いらない情報に気を取られているうちに、大事な時間はするするとこの手をすり抜けていってしまう。だから、情報の取り方も取捨選択が必要なのだ。
掃除を続けながら、現在、住んでいる家について考えていた。ここに住み始めたのはコロナ禍前だった。当時の私にとっては少し背伸びが必要な物件で、迷いに迷った結果、「家が人を育てるはず。この場所に見合う私になろう。」と思い決めたのだ。
今、振り返ってみて気が付いたけれど、叶っている。家事も仕事もやりくりも、なんとか円滑に回せるようになってきた。その結果、あの時描いた、「この場所に見合う自分」にはもうなれているな。「よくがんばった。目標達成だね。」と、しばし自分の成長を噛みしめた。そう思っていたら、次になりたい自分が見えてきた。
来年は引越しをしよう。暮らし始めた時に思ったのは、「人が遊びに来てくれたらいいな」ということだった。お客さん用の座布団もコップやコースターも一揃い準備したけれど、スペースや住宅の問題であまり実現できなかった。これまで人の家にお邪魔することの方が多かったから、今度は私がお招きできるように。遊びに来てくれた人たちがくつろげる広さを持った場所を選ぼう。運は人が運んでくるという言葉もきいたことがあるので、運びつつ、運んでもらいつつできたら最高だなと思う。さあ、引越しの為にも、大掃除を続けよう。まずは、物を減らそうっと。
文 :彩音
編集:アカ ヨシロウ
================================
ジャンルも切り口もなんでもアリ、10名以上のライターが平日(ほぼ)毎日更新しているマガジンはこちら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?