見出し画像

『和菓子と言の葉』

グラフィックデザイナーである著者が、自分自身を表現するために「和菓子」のデザインを始める。

【著者の考え】

一つのテーマに対して様々な角度から表現の可能性を提案し、限られた手法やスペースの中で抽象的にカタチにしていく。

コンセプトをシンプルに表現する和菓子は究極のデザイン

見た目は同じでも、季節や文脈によって変幻自在にその意味合いを変えていくことができる和菓子は、見る人の想像力をかきたててくれる抽象画のようなもの。作者の意図を汲み取りながら、その和菓子から想像しうる銘を自分なりに考える。

抽象度が高い和菓子は、つくり手の意図と受け手の解釈のあいだに、その人なりの見方を許容する「余白」のようなものが感じられる。

手のひらにおさまる限られたスペースの中で、四季折々の情景を表現する和菓子は、「引き算の美学」があり、何を描き、何を描かないか、計算され尽くした美が宿っている


著者は先人たちが見てきた情景に想いを馳せ、日本古来の美しいことばを和菓子で表現し、伝え、言葉から呼び起こされる情景も含めて、和菓子の背景に広がる物語を共有したいとのこと。

繊細で美しい和菓子と、優しい言の葉のコラボがとても素晴らしかった。私も美しい和菓子をいただくだけでなく、その情景、ストーリー、意図など、作り手の方との「余白」を楽しみたいと思った。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?