【動画解説】基礎から始めるフライキャスティング#4距離の調整
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『基礎から始めるフライキャスティング』の
第4回目、距離の調整についての
解説をさせていただきます。
距離の調整の必要性
通常、フライフィッシングでは
同じ長さのラインのみで釣りをすることは少なく、
通常はフォルスキャストをしながら
目指すポイントに向かって、
その方向を変えるのと同時に、
距離も調整するということをよくします。
シュート
距離を調整する場合、
まず必要になるのが、
ラインをのばす、
つまりキャストしながら、
ラインを長くするということが
必要になります。
そのために必要なのが、
シュートというものです。
シュートというのは、
キャストの最後に
それまでつかんでいた
ラインを離して
飛んでいくループの勢いで、
ラインを送り出すことです。
これのやり方は、
まず、のばしたい長さの
ラインを余分にリールから引き出しておき、
その余分なラインを
地面においてからキャストをはじめます。
バックキャストの後、
フォワードキャストでロッドをストップした直後、
ループができ始めるのと同時に、
それまでつかんでいたラインを離してください。
そうすると、地面に垂らしたラインは
前に伸びていくループの力に
引っ張られて、ガイドを通って出ていきます。
ラインを離すのは
必ずロッドを止めた後にしてください。
それも直後が理想的です。
ロッドを振っている途中で
ラインを離してしまうと、
ロッドに十分な負荷がかからない、
あるいはロッドにかかった負荷が
途中で抜けてしまうため、
うまく飛んでくれません。
ラインを離すタイミングが
遅くなっても良くありません。
ロッドをストップした直後から、
ラインはループを形成して、
そのループに引かれて飛んでいきますが、
このループがほどけてしまってからでは、
ラインは、それ以上先には飛んでいきません。
ですから、ラインを離すのが遅くなると、
ラインを離したときには、
その分だけループはほどけてしまっているので、
ラインを引っ張り出す距離が短くなってしまいます。
フォルスキャストをしながらラインをのばしていく
1回のフォワードキャストで
シュートすることになれたら、
今度はフォルスキャストをしながら、
フォワードキャストのたびに、
少しづくラインをシュートし、
しだいにのばしていくということを
してみてください。
この時に注意するのは、
シュートの時に
ラインを完全に
離してしまわないということです。
完全に
ラインを離してしまうと
次に再びラインをつかむことができないので、
キャストを続けることができなくなってしまいます。
ラインをリリースする時は、
ラインを固定している指を少し緩めて、
その指の間をラインが滑り出ていく
ようにしてください。
そうすると、
キャストしたラインが飛んでいって、
ループがほどけ、
次のバックキャストをするときに、
緩めた指を再び締めれば、
ラインを固定できますので、
次のキャストをすることができます。
それを何度か繰り返して、
少しづつラインを長くしていくのです。
これになれて来たら、
バックキャストでも
フォワードキャスト同様に
シュートすることもできるようになります。
そうしてやれば、
より少ない回数で
必要な長さのラインを
出すことができます。
ラインの長さに合わせてストロークの大きさを変える
ラインが長くなるにしたがって、
ロッドの振り方を
少しずつ変える必要が出てきます。
具体的にどのようにするのかと言えば、
ラインが長くなるにしたがって、
ロッドを前後に移動させる距離を
長くしていき、
同時にロッドを振る角度も大きくしていきます。
ラインが長くなっても
短いラインの時と同じように振ってしまうと、
ラインがしっかり飛ばないか、
テーリングループになってしまいます。
反対に短いラインをキャストするのに、
大きくロッドを振ってしまうと、
ループの幅が広くなってしまい、
正確なキャストができなくなってしまいます。
ラインの長さに合わせてテンポも変える
ラインが長くなるにつれて、
ストロークの大きさ変化させることの他に、
もう一つ変化させることがあります。
それがテンポです。
具体的にはラインが長くなるにつれて、
キャストのテンポを遅くしていく必要があるのです。
ラインが長くなると、
それが伸び切るまでに
より長い時間がかかることになります。
次のキャストに移る適切なタイミングは、
キャストしたラインが伸び切った時になりますので、
ラインが長くなると、
次のキャストに移るまでの時間が長くなる。
つまりテンポが遅くなるというわけです。
ラインを持つ手を変えてキャストする
フォルスキャストをしながら
ラインをのばしていくと、
時々ラインが手から離れてしまい、
キャストが中断してしまうことがあると思います。
ここで、ラインを持つ手を変えて
キャストしてみてください。
これまでロッドを持つ手の
指にラインをかけてキャストしていましたが、
それとは反対、
右手でロッドを振っているとしたら、
左手にラインを持ってキャストするのです。
この方が
キャスト中にラインをのばそうと
指を緩めても、
うっかりラインが
手から離れてしまうという
ことが少なくなります。
実際の釣りでも、
このようにラインを持って
キャストすることが多くなると思います。
フライフィッシングの用語としては、
ロッドを持つ方の手をロッドハンド、
ラインを持つ方の手をラインハンド
と呼びます。
ラインのテンションを保つように注意
ラインハンドでラインを持って
キャストする時に
最も気を付けなくてはいけないのは、
キャスト中、
ラインのテンションを
失わないようにするということです。
これは、言い換えると
キャスト中に
ラインハンドと
ストリッピングガイドの
間のラインにたるみが
できないようにする
ということでもあります。
具体的に
どうすればよいかといえば、
ロッドハンドの動きに合わせて
ラインハンドも動かし、
ストリッピングガイドと
ラインハンドの距離が
変わらないように気を付けます。
ロッドハンドでラインを持って
キャストする場合には
このことは問題なりませんが、
ラインハンドで持ってキャストする場合は、
気を付けていないと
これが変化するため、
問題となってきます。
スタートの時に
ロッドを構えた時に、
ラインハンドは
ロッドハンドの横に構えますが、
まずこの時に
ラインに
たるみが無いようにしておきます。
ピックアップで
ロッドハンドを
上に持ち上げるのに合わせて
ラインハンドも持ち上げます。
フォワードキャストでは
ロッドを下ろすのに合わせて
ラインハンドも下げて元の位置に戻します。
フォルスキャストでは、
これを繰り返すわけです。
この時、ラインハンドを動かさないで、
最初に構えた位置のままにしてしまうと、
バックキャストでは、
ストリッピングガイドとラインハンドの距離は広がり、
ラインをロッドハンドで持っていた時よりも
ラインのテンションは強くなります。
このことは
それほど悪影響があるとは言えない…
というよりも、
より勢いのあるループが生まれてよいといえるのですが、
フォワードキャストでは、
この距離は縮まり、
ラインにスラックが生まれ、
テンションは失われてしまいます。
そうなると、
ロッドに十分な負荷がかからず、
ラインの勢いは失われ、
同時にオープンループぎみになってしまいます。
この、ストリッピングガイドと
ラインハンドの距離は、
このシリーズのもう少し後に
ホールというテクニックをご説明する予定ですが、
そのテクニックを使う場合には
意識的に変化させるのですが、
ここではひとまずこの距離を変えないように、
気を付けてください。
ラインを短くするテクニック
フォルスキャストをしながら
ラインをのばす方法は
だいたいこのような要領でやりますが、
反対に短くするテクニックも
ご紹介しておきます。
この、ロッドを振りながら
ラインを縮めるというテクニックは
キャスティング競技のアキュラシー、
つまり的当てですね。
これをやっている人には
おなじみのテクニックなのですが、
そうでない方には
あまりなじみがないようで、
かなりのベテランの方でもこれができない、
あるいは知らないということは多いようです。
これをするときは、
まずラインの持ち方をまた少し変えます。
今度は
ロッドハンドの人差し指か中指、
あるいはその2本でラインをひっかけて、
さらにラインハンドでもラインを持ちます。
ラインハンドのラインは滑らないようにしっかり持ち、
ロッドハンドでは
ラインはあまりしっかり持たず、
指にひっかけるだけのようにしておきます。
この状態でバックキャストをすると、
ロッドハンドのラインは
指の間を滑っていくはずです。
これで、
その分だけラインは手繰られたことになります。
バックキャストが終了したら、
今度はロッドのハンドのラインをしっかりと固定し、
フォワードキャストをします。
このとき、
ラインハンドのラインは
一旦離しながらこれを行います。
フォワードキャストが終了したら、
再びラインハンドでラインをつかみます。
この時ラインをつかむのは
ロッドハンドの下でつかみます。
これを繰り返せば、
バックキャストのたびに
ラインを1たぐりづつ短くすることができます。
また、
このように
両方の手でラインを持ちながら、ラインをのばすこともできます。
先ほどとは反対にロッドハンドのラインを固定しながらバックキャストをし、ラインハンドのラインは、次のフォワードキャストで伸ばしたいラインの長さ分だけ手の中で滑らせて、そのあとで固定します。
フォワードキャストでは、今度はロッドハンドのラインを離しシュートします。
次のバックキャストの前に、ロッドハンドで再びラインをつかみます。
これを繰り返せば、伸ばすラインの長さを微調整しながら、必要な分だけラインをのばすことができます。
ラインハンドだけでラインを持って伸ばすよりも、より細かい距離の調整ができます。
このテクニックはポイントまでの距離が遠くなったり、近くなったり、目まぐるしく変化する渓流での釣り上がりなどでは、たいへん重宝するテクニックです。
ぜひこれもできるようにすることをお勧めします。
まとめ
今回はキャスト中にラインの長さを長くしたり、短くしたり、距離を調整する方法をご紹介しました。
これをうまく行うためには、ラインハンドの使い方が大事になります。
特にラインハンドとストリッピングガイドの間のラインにたるみができないように注意してください。
また、ロッドハンドとラインハンドの両方の手で、ラインを操作できるようになったらラインをのばすだけでなく、縮めることもできますし、微調整もやりやすくなります。
渓流の釣り上がりなどでは、たいへん重宝しますので、ぜひ覚えてください。
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