NAVER終了が意味するまとめサイトの終焉
NAVERまとめが、2020年9月30日でサービスを終了することを発表しました。
まとめサイトは、一時期は一世を風靡しましたが、検索による評価など状況が大きく変わってきていることが大きな要因と思われます。
2010年代半ば頃は、NAVERが検索での上位を独占するようなことも多く、市場を席巻していました。2010年代前半頃から米国の有名ファッションブランド名などで検索を行うと上位3ページはNAVERが独占して、その後にそのブランドのサイトや大手販売店などが表示されていました。
NAVERがあまりにも検索で強いため、運営していたサイトを強化するためにNAVERを始めることを検討したこともありました。しかし、まとめサイトと言うのは、本質的に2次以下の情報をとなる性質を持っているため、私の性格や考えとは相容れないものがあり、少し検討した程度で参加は止めました。アカウントも作成したことはありません。
まとめサイトの繁栄は日本特有の現象
まとめサイトは、キュレーションサイトとも呼ばれており、英語圏でも同様に人気のサイトタイプの様なイメージがありますが、実際は違います。
私は検索は、ほとんど英語で行っています。読む記事もほとんど英語です。過去に英語で検索して、まとめサイトのようなものが表示された経験は記憶にありません。英語圏では、オリジナルを重視する文化があります。
英語のAdSenseヘルプフォーラムで、審査を通過しないと言うような事が書かれ、サイトのURLを添付している質問で、そのサイトが他のサイトの情報をコピーしているような内容だと、フォーラムに参加しているエキスパートが辛辣な言葉を浴びせるようなスレッドを多数見ています。
他のサイトの情報などをまとめたようなサイトは、卑下される事が多く、ユーザーの評価は低いため、元々、検索で表示されるようなことはなかったと認識しています。
しかし、2010年代中頃前後の日本ではまとめは便利と思う人も少なくなく、ユーザーからも支持されていることが検索でも上位に表示される要因となっていたと推測します。
まとめサイトが検索でも上位に表示されていたのは、日本特有の現象だったと認識しています。少なくとも英語のまとめサイトを検索結果などを経由して見たことは私はありません。
まとめサイトの検索における凋落
2015年頃から2017年頃までが、日本におけるトレンドブログやまとめサイト全盛の時代だったと思います。
2016年8月にジャーニーズ事務所がSMAP解散を発表した時、芸能情報などに非常に疎い私でも興味を持って、「SMAP解散」と検索を行ったところ、検索結果の1ページは全てまとめサイトとトレンドブログ、2ページ目以降の一部に芸能関係のニュースサイトの報道記事のページが表示されていて、驚いたことを憶えています。
Googleの検索コアアルゴリズムは、基本的に世界共通で特定の地域やクエリ向けの対応などは行わない方針であると認識しています。2016年の米国大統領選挙の際にフェイクニュース(事実が捻じ曲げられたニュース)が検索の上位に表示される問題が発生した際、Googleは検索結果を人為的に修正することは行わない方針であるとして、アルゴリズムで対応すると声明を発表しました。
2017年4月に、検索において高い品質を判別する評価方法などを含む取り組みを発表しました。
2018年以降、広範な検索エンジン コアアルゴリズムのアップデートでは、Googleの検索では、E-A-T(Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)と呼ばれる情報の専門性、権威性、信頼性を重視する傾向を強めています。
Googleの検索のアップデートなどによって、2018年以降、NAVERなどのまとめサイトが検索の上位に表示されることはあまり見なくなりました。
検索で上位に表示されなくなると、トラフィックは激減します。NAVERの訪問トラフィックも大幅に減ってしまっていたことが今回のサービス終了の理由と思われます。
まとめサイトの代表格であったNAVERが終了となることは、まとめサイトの終焉を示しています。
今回のNAVERまとめサービス終了の発表記事の中の最後に、2019年に運営会社であるLINEが発表した検索事業の発展にNAVERで培ったノウハウを活かしていくと記載されています。
NAVERの凋落は、LINEにとって、インターネットでの事業運営における検索の重要性を強く認識させ、検索事業への参入に繋がったと推測しています。LINEの検索事業への取り組みや市場での評価などにも注目しています。