ちきりんさん書著「マーケット感覚を身に付けよう!」を解説【データサイエンティスト書評】
どーも、消費財メーカーでデータサイエンティストをやっているウマたん(https://twitter.com/statistics1012)です。
個人活動として、スタビジというサイトやYoutubeチャンネルでデータサイエンスについての発信をしています。
社会派ブロガーであるちきりんさんが書かれた「マーケット感覚を身に付けよう!」という書籍について解説していきます!
2015年に出版された書籍なのですが、今でも十分ためになる情報が詰まっています。
マーケティングサイド、データサイド問わず、ビジネスに関わる全ての人に読んで欲しい普遍的なエッセンスを学べるんです。
この本で伝えたい内容は、タイトル通り「マーケット感覚」。
分かっているようで分かっていないこの「マーケット感覚」について徹底的に解説されているのがこの書籍なんです。
・マーケット感覚とは何なのか
・マーケット感覚はどのように養いどのように使っていくのか
学ぶことができます
マーケット感覚をしっかり理解して鍛えることでAIに代替されない人材になることが可能。
むしろマーケット感覚を持たないで目先のことやルーティンばかりをこなしているとAIに代替されてしまうかもしれません。
そんなちきりんさんの「マーケット感覚を身に付けよう!」について3つのパートに分けて解説していきます。
・マーケット感覚とは何なのか
まずはじめにマーケット感覚とは何なのか。マーケット感覚の定義を明確にしておきましょう!
・マーケット感覚を鍛える5つの方法
続いてマーケット感覚を鍛える方法。ちきりんさんは5つのスキルが必要だといいます。
・変わらなければ替えられる
変わらなければ替えられるという衝撃的なトピックが登場しましたが、その通りなんです。
ちきりんさんは最後の章で警鐘を鳴らしています。変化を恐れて変わらない人間は代替されてしまうんです。
動画でも解説しています!
1.まずはじめにマーケット感覚とは何なのか
マーケット感覚と言われても自分には売れるモノなど何もないよ・・・と思っちゃいますよね。
しかし本当にそうなのか?とこの本は問いかけてくれます。
あなたがこれまで経験したことは、どんなささいなことであっても誰かにとっては意味のあることになるはず。
実は、足りないのは「価値ある能力」ではなく、「価値ある能力に気が付く能力」なんです。
価値を価値と認識する能力を欠いたままでは、いくら価値あるモノを持っていてもその価値を本当の意味で活かすことはできません。
この価値ある能力に気が付く能力こそがマーケット感覚なのです。
では、このマーケット感覚を理解するために2つの観点を取り上げておきましょう!
1.1 1つ目が顧客理解におけるジョブという考え方
クリステンセン教授の著書「ジョブ理論」で登場するジョブという考え方を知っておくとマーケット感覚を理解しやすいです。
ジョブとは人が潜在的に感じている「解決したいこと、成し遂げたいこと」であり、商品起点ではなく人にフォーカスして考えるものです。
人やシチュエーションが変われば同じ商品でもジョブは変わります。
例えば、同じコカ・コーラでも
男子学生が真夏の炎天下で自動販売機で買うコカ・コーラは「のどの渇きを満たすかつスッキリしたい」というジョブを解決しています。
20代のカップルが映画館で買うコカ・コーラは「映画の2時間を共有しながら口寂しさを紛らわしたい」というジョブを解決しているかもしれません。
ホテルで提供されるコカ・コーラは「お酒は飲めないけど、リッチな空間でお酒感覚を楽しみたい」というジョブを解決しているでしょう!
マーケット感覚は、このジョブを見極めて適切なターゲットに適切な価値を届けること。
ジョブと価値のマッチングを見極めることこそマーケット感覚に必要なことなのです。
1.2 続いて、ロングスパンでの需要供給
この十数年で社会は大きく市場化(マーケット化)されています。
この本では、的確にこの市場化現象を捉え、われわれに必要な考え方を授けてくれます。
それがロングスパンでの需要供給感覚。
市場化が起こると、狭い範囲での相対取引から全体での市場取引に移行します。
就活も婚活も、今まで狭い範囲での面接やお見合いが通常だったのが、
インターネットの浸透により全ての人が市場にさらされ様々なところでマッチングが行われるようになりました。
このように市場化によってゲームチェンジが起こると、今までの当たり前は通用しません。
人材市場においても市場化によって需要供給バランスがくずれる職種が増えています。
弁護士は国の政策により供給は増えたのですが、それを受け入れる需要部分がないため、薄給の弁護士が増えています。
需要と供給が可視化されそれらのバランスが市場での価値を生み出すので、
商品・サービスを考える上でも、自分のキャリアを考える上でも、ロングスパンで需要供給の変化を感じ取る能力が非常に重要になってくるのです。
2.マーケット感覚を鍛える5つの方法
さて、マーケット感覚について解説してきましたが、具体的にどのようにこのマーケット感覚を鍛えていけばよいのでしょうか?
ちきりんさんは5つの方法を取り上げています。
それぞれについて簡単に触れておきましょう!
1つ目がプライシング能力を身に付けること
価格を設定する時に消費者の生活を想像して彼ら彼女らが妥当だと感じる価格を設定しましょう。
コスト起点でのプライシングをしてしまいがちですが、マーケット感覚で求められるのはあくまで顧客が感じる価値起点です
今ではCtoCマーケットなどで簡単に商品を売ることができるので、消費者視点でのプライシングを鍛えるためにぜひ出品してみましょう!
2つ目がインセンティブシステムを理解する
人間の行動が何に動機づけられているのか、そのインセンティブシステムへの深い洞察によりマーケット感覚を身に付けることができます。
世の中で起きたことや身の回りの出来事に対して人間が動く理由や仕組みを深く考えるクセをつけましょう!
3つ目が、組織ではなく市場を見る
どんな業界であっても市場(マーケット)に評価される方法を学んでいくべきです。
旧態依然とした業界では、組織の癒着などにより市場化されていない部分も多いです。しかしグローバル化とデジタル化により市場化は待ったなしです。
強制的に市場化が進んだ世界で生き残るためには市場を見て市場に評価される考え方を身に付けましょう!
4つ目が失敗と成功の関係を理解する
マーケット感覚を鍛えるためには、積極的にマーケットに出ていかなくてはいけません。
この時、失敗を恐れてはいけません。失敗か成功の2者択一ではなく、成功の前手に失敗があるので、失敗は成功に欠かせないエッセンスなんです。
失敗と成功の関係をしっかり理解してマーケットに積極的に出ていきしょう!
そして最後に市場性の高い環境に身を置く
業界や国、場所によって市場性の高さは異なります。
公的機関よりも民間企業の方が圧倒的に市場性が高いのは理解できるでしょう。
既存の既得権益に守られている業界では市場性は低くなります。
マーケット感覚を鍛えるためには、ぜひ市場性の高い環境を選ぶとよいでしょう!
3.変わらなければ替えられる
最後に著者のちきりんさんは変わらないことに対して警鐘を鳴らしています。
市場は変わらない人や組織には残酷です。
マーケット感覚を身に付けず変わるコトを恐れ続けているとあっという間に外部要因によってあなたの会社、あなたの仕事は取って代わられてしまうかもしれません。
個人として組織を離れても生きていく力を身に付けるためには、上司(組織)に評価される人ではなく、顧客(市場)に支持される人を目指す必要があります。
それができないと、何があっても今いる組織にしがみつくことしかできません。
北野唯我さんの名著「転職の思考法」でも同じようなことが述べられていますが、
上司を見て仕事をするのではなく顧客・市場を見て仕事をしなくてはいけないんですよ。
そうしないと、自分の意志に反して組織に迎合するつまらないビジネスマン人生を歩むしかありません。
組織の中で選ばれるスキルではなく、市場に選ばれるスキルを意識し、マーケット感覚を磨きましょう!
マーケット感覚を身に付けよう!について3つのパートで解説してきましたが、結局何が言いたいかっていうと、
マーケットに出て市場競争にもまれて失敗して考えて、顧客を理解して、新たな価値を発見していこう!ということ。
変わることを恐れてはいけません。まずはマーケットに出てみる!
うーん、どうしたらいいのだろうという人はまずは発信してみる。
今の世の中個々が自由に発信できる時代。SNSこそ巨大なマーケットです。
Youtubeで発信するもよしTwitter、Instagramなど様々な媒体があります。
ぜひあなたの考えや経験を発信してみてマーケット感覚を鍛えてみてください!
それでは、本日の覚えて帰って欲しいキーワード!!
いってみましょう!
・顧客を想像して価値ある能力に気が付く能力がマーケット感覚
・需要供給のマクロ変化に敏感になろう!
・変化をおそれるな、失敗をおそれるな、マーケットに出よう!
それではまた今度!
Let's statistics×bussiness「スタビジ」!
以上、データサイエンティストのウマたん(https://twitter.com/statistics1012)でした!
スタビジというサイトやYoutubeチャンネルでデータサイエンスについての発信をしていますので、こちらもよろしくお願いします!
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