【書評】アフターデジタル2から見るデジタルトランスフォーメーション!
どーも、消費財メーカーでデータサイエンティストをやっているウマたん(https://twitter.com/statistics1012)です。
個人活動として、スタビジというサイトやYoutubeチャンネルでデータサイエンスやビジネスについての発信をしています。
「アフターデジタル2」という書籍っ!!!いやーすごかった。
前作のアフターデジタルが登場して1年、世界をコロナが襲い、デジタルトランスフォーメーションの波が各方面に訪れています。
しかし強引に訪れたデジタル化の流れは、一部間違った方向に進んでいるのではないか。
アフターデジタルの誤った解釈から世の中がディストピア側に進み、社会発展が止まるのではないか。
という危惧のもとこの「アフターデジタル2」は執筆されました。
UXを議論しないDX、顧客視点で提供価値を捉え直さないDXは本末転倒なのだ、と著者は言います。
オールドエコノミーと呼ばれる既存産業で働く人間として、まさにいまデジタルトランスフォーメーションの全社的な動きと推進の難しさを感じています。
この記事では、アフターデジタルからアフターデジタル2にかけて取り上げられている
・デジタルトランスフォーメーションのあるべき姿
・日本はどのようにデジタルトランスフォーメーションを推し進めていくべきなのか
について簡単にまとめていきたいと思います。
以下の動画でも解説しています。
ユーザーエクスペリエンスの徹底的な磨き込み
結論から言うと、アフターデジタル2では、ユーザーエクスペリエンス(UX)を徹底的に考え抜け!ということが述べられています。
UX最適化や顧客視点という話は耳にタコができるくらい普段から言われていることではありますが、ことDXになると
この最重要な観点が抜けてしまい、とにかくデジタル化を進めればよいのだ!という議論に帰着しかねません。
DXの事例では中国の例が取り上げられることが多くこの本でも複数取り上げられていますが、中国の事例が日本に当てはまるとは限りません。
日本と中国において、そもそも元々の出発地点が違います。
日本はルールにないことはやってはいけないホワイトリスト形式であるのに対して、中国はルールにないことはやっていいブラックリスト方式なのです。
また中国の場合は元々既存のインフラが整っていなかったこと・1国単体で人口が13億人とサービスのネットワーク効果が効きやすいことなどがあるように
そもそも文化や立脚点が違うため、中国の事例をそのまま取り入れようとしてはいけません。
しかし、中国の姿勢には学ぶことがあります。
なかなか想像できないかもしれませんが、デジタルトランスフォーメーションを進めている中国企業の多くは「顧客の徹底的な理解と顧客へ寄り添ったサービス設計」を第一にしています。
デジタル化というとどうしても最適化や効率化というところに目が向けられガチですが、最終的には顧客にどう価値を提供できるか考えた上でのDXが重要なのです。
売るコトや利益あげるコトにフォーカスするのではなく顧客にずっと寄り添うことを重視することが大事。
DXを進める先にすぐに金脈はありません。
まずは、得られた様々な顧客接点からえられる顧客データを顧客に還元してUXを最大化することが大事。
そうすることで、顧客の離反を防ぐこと・新たなロイヤルカスタマーの獲得ができ、最終的にLTVの向上が達成できるのです!
そのためには設計時点で顧客にどのように価値をフィードバックしていくかというイメージの共有を各事業部間で行っておく必要があるでしょう。
よくあるのが、デジタルに関係する部門だけに閉じたデジタル化をおこなってしまいデジタルをやることが目的化してしまうこと。
純粋なデジタル企業の方が強い領域で、オールドエコノミーの企業帯は、単にデジタルだけでせめても勝ち目はありません。
自分たちが持っている強みを活かすべく、
リアル接点をにぎる事業部とデジタル化による顧客体験の徹底的な改善活動をどう行うか考えていかなくてはいけません。
この時未来的で大きな絵を書こうという思考になってしまいがちですが、あくまでユーザー起点で考えます。
マーケティングにおいて当たり前のこと、顧客が今どのように企業に触れていて、何を価値だと考え、何に困っているのか、
ユーザーの状況を理解して、そこに提供すべきUXの企画を考え抜きそれを実現するためのDXであるべきなのです。
組織としてデジタルトランスフォーメーションをどのように進めるか
前著の「アフターデジタル」でも述べられていたことではありますが、日本の組織でデジタルトランスフォーメーションを成功させるためには
トップダウンではなくボトムアップ的な成功体験の積み上げが重要なのです。
それをさらに「アフターデジタル2」では深堀りしています。
DXの必要性と目的の認識を現場レイヤーとトップレイヤーで合わせる。
そして目先の利益ではなく最終的な顧客のLTV向上などのKPIをにぎる
その上で現場が失敗を恐れずなるべく早く開始してラーニングして、より具体的な成功への道筋を示すことで社内全体を巻き込んでいく。
これにより大きなムーブメントを起こしていくことが大事なんですね。
実は僕の企業でもまさにこのような改革がいままさに起こっています。
ユーザー視点を忘れずに組織における縦と横で有機的につながりながらDXのイメージを共有しつつ、失敗を恐れずにクイックに行動に移していきたいところです。
それでは、本日の覚えて帰って欲しいキーワード!!
いってみましょう!
・海外の事例は参考にしつつも完全に真似て成功できるわけではない。
・ユーザーエクスペリエンス(UX)を徹底的に考え抜け!
・目的やゴールの認識合わせと現場のクイックな動きが求められる!
以上、データサイエンティストのウマたん(https://twitter.com/statistics1012)でした!
スタビジというサイトやYoutubeチャンネルでデータサイエンスについての発信をしていますので、こちらもよろしくお願いします!
それではまた今度!
Let's statistics×bussiness「スタビジ」!