モテキ④
4人目 肉食Lv.5:上司を起用してゴリ押し女子
元いた地域での肉食女子達の難を逃れ、転勤先の新天地では落ち着いた日々。
と、言いたいところだが新システム立ち上げのスタッフとしての転勤だったこともあり待っていたのなかなかのデスマーチだった。
朝7時出勤~深夜0時帰宅がデフォルトで、日曜だけは辛うじて休む日々。
ブラック企業はもっとツライのだろうが、月の残業時間が30時間から150時間になって僕には十分しんどかった。
幸い残業手当はしっかり付いたため手取りがボーナス(2か月分)みたいな額面には驚いた。
お金を使っている時間も記帳の時間もなかったのでそれに気付いたのは1-2か月後だったが。
総務課のC姉さんと課長
転勤して間もない事もあって総務課に申請書類諸々で何度も行くことがあったが、その時対応してくれたのが総務課スタッフの C姉さんだ。
C姉さんはたしか年はあまり変わらなったが、細い銀縁のメガネの落ち着いた美人さんだったので雰囲気からそう呼ばれていた。
デスマーチ中とは言えランチはスタッフ同士でなんとか時間を捻出してしっかり休憩していたのだが、食堂の隣の総務課から見えるのか、よく僕を見つけては話しかけてきた。
C姉さん「メガネくんこんな時間にお昼?大変だね」
メ「そうですねぇ。まあ2-3ヶ月で落ちつくと思うので・・・」
C姉さん「休みは取れてるの?」
メ「日曜だけですけどね。ひたすら寝てます。」
C姉さん「遊びに行ったりしないの?」
メ「ちょっとまだ余裕ないすね」
C姉さん「せっかく転勤してきたんだし、落ち着いたらみんなで飲み行こうね!」
メ「そうですね。ありがとうございます」
なんてとりとめもない会話を繰り返していた。
この頃僕は疲労困憊で、とにかく早く食べて仮眠を取って午後に備えたかった。
20分後
総務課長「メガネ君おつかれ!C姉さんから聞いたよ~休み取れてないんだって?」
メ「すいません。総務的に良くないですよね。 (眠い)」
総務課長「まあ今回はシステム導入だからしょうがないからね!ごめんね!C姉さんも言ってたけど早く片付けて飲み行こう!ね!」
メ「そっすね・・・ありがとうございます。(寝たい)」
総務課長「総務若いのあんまいないからさぁ~C姉さんもメガネ君とこみんな若いし、いてくれると嬉しいんだよ!」
メ「ははは・・・。(死ぬ)」
繰り返すランチミーティング
後日
C姉さん「メガネくんまたこんな時間にお昼?大変だね」
メ「そうですねぇ。やっと少し形になってきたので・・・」
C姉さん「休みは取れてるの?」
メ「まだ日曜だけですね。ひたすら寝てます。」
C姉さん「やっぱり遊びに行ったりしないの?」
メ「まだ余裕ないすね」
C姉さん「今度お祭あるんだけど知ってる?行く人いなくてさぁ~」
メ「あ、それこないだ総務の小池さん行くって言ってましたよ」
C姉さん「小池さんは友達と行くみたいでさ。」
メ「(一緒に行こうって言われてる?いやそんなに仲良くはないしな)
ウチの部署の後輩行くみたいなんで声かけときましょうか?」
C姉さん「メガネ君は行かないの?」
メ「資格試験の中間提出あるんで勉強しなきゃなんですよ。」
C姉さん「そっか~それはしょうがないかあ」
20分後
総務課長「メガネ君おつかれ!C姉さんから聞いたよ~お祭り行かないんだって?」
メ「本部でも研修受けてるあの資格の中間提出あるので」
総務課長「あーあれか!でもさーたまにはゆっくり休まないとだめだよー」
メ「いや提出は落とせないじゃないですか。ははは。 (マジで何言ってんだコノ野郎)」
といった感じのやりとりが週2くらいで行われた。
C姉さん美人さんだけどさ、僕は本当に疲れてて全然余裕なかったの。
頼むからマジで落ち着いたら飲みでもなんでも良いから今は昼だけでも仮眠取らせてくれと強く願っていた。
直接の上司より
そんなある日、直接の上司から呼ばれた。
上司は今回の新システムについてはカラッキシで僕のチームに投げっぱなしな上、基本的に他部署から怒られっぱなしで部下にも死ぬほど腰が低い。
上司「メガネくぅ~ん。忙しい所ゴメン、ちょっと良い~?」
メ「はい、なんでしょう?」
上司「さっき総務課長からさぁ~メガネ君の休みちゃんと取らせてやれって怒られちゃってさぁ~。どっか休めそうな日どう?」
メ「総務課長もしょうがないって了承してたと思ったんですけどね。でも来週から少し休めそうな日できたので休みます。すみませんありがとうございます。」
上司「今週は?」
メ「上司さんの代わりに出る会議で埋まりましたよ」
上司「あぁ~そうだった。1個くらい良いよ!」
メ「いやダメでしょ」
上司「土曜のやつ休んでさ、日曜みんなでお祭でも行ってきなよ!」
メ「お祭⁉ いやいずれにせよ資格の提出書類と試験勉強しなきゃですから。すいません来週からちょっとずつ休み取るので。もういいですか?」
なんじゃそりゃー!
お祭ってあのお祭でしょ!?
C姉さん → 総務課長 → 上司 のルートで来たのか!!
C姉さんはコレ知ってんの?課長とか上司のオジサン達が勝手に根回ししてるだけ??
もうどっちでも良いけど、C姉さんに近づくと色々めんどそうって事はわかった。
とりあえず土曜は会議終了後に記録と簡単な指示だけ残して早上がりして提出書類を済ませた。
なので日曜は時間ができたが家で飲んだり食ったり寝たり最低限の家事だけやってひたすら休んだ。当然お祭りには行かなかった。
それ以後はめっきりコンタクトが減った。どうやら諦めてくれたようだ。
前回までの女子よりは引き際が早くて助かったが、しんどい時期だったのでなかなか堪えた。
既に次の刺客は動いている
日曜の夜に件の資格試験について、同じ試験を受ける他部署のスタッフと少し電話したが、お祭に行っていないことに驚かれた。
なんでそんなの他部署まで知れ渡ってんの・・・こわ!!
と思ったら総務課長が犯人で言いふらしていたようだ。
コレC姉さんも広められたらイヤなんじゃないの・・・まさか覚悟の上で起用したの?
今となっては真実は闇の中だ。
転勤してもコレはいったいどうなってるんだと思った。
ところでこの電話してきた他部署スタッフ。後の7人目の女子である。
続く。
↓ 次回予告
5人目:あれ?友達って言ったじゃん女子
6人目:甘いフェロモン女子 (前編)
:甘いフェロモン女子 (後編)
7人目:清純派女子 (前編)
:清純派女子 (後編)
8人目:エスパーバドガール女子
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