リップル訴訟:ウィリアム・ヒンマン元SECディレクターの公開メールが描くデジタルアセット規制の複雑さ

米国証券取引委員会(SEC)の企業財務部を以前に率いていたウィリアム・ヒンマン氏のメールが公開され、その中身がデジタルアセット規制の複雑さを浮き彫りにしています。このメールは、リップルラボがSECとの訴訟の中で弁護資料として提出したもので、リップルラボは未登録証券の違法販売の疑いでSECから訴えられています。

公開されたメールは、ヒンマン氏のイーサリアムに関するスピーチ草稿に対するSEC職員の反応を示しています。当時の取引・市場部長ブレット・レッドファーン氏はイーサリアムが証券であるかどうかについてスピーチの草稿が曖昧であるとし、その表現を強めるよう提案しています。また、FinHubグループの現責任者ヴァレリー・シュチェパニック氏は議論の余地を残すよう進言し、さらにSECの弁護士ローラ・ジャースリック氏は「ハウィー・テスト」(証券を判断するためのテスト)の重要性を指摘しています。

ヒンマン氏のスピーチには法的根拠のない主張が含まれていたことが、公開されたメールから明らかになりました。リップルラボのスチュ・アルデロティ最高法務責任者は、ヒンマン氏が市場に混乱をもたらす可能性があるとの警告を無視していたとTwitterで指摘しています。

これらの発覚は、SEC内部でもデジタルアセット規制についての意見が一致していないことを明らかにし、デジタルアセットの法的枠組みがまだ確立していないことを示しています。この問題は、デジタルアセット市場全体に影響を与える可能性があります。

現時点では、SECからこの問題に対する公式のコメントは出ていません。

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