元素紀行

彼女と久しぶりに会った。髪を黒く染めていた。

会うまではいつものように笑顔で話せるか不安だったが、合流するといつものように腕を組んで歩いた。我ながら久しぶりであることを感じないほど自然だった。

買い物をしながらどうでもいい事を話した。
彼のことは話さなかった。
男遊びの話以外は楽しかった。

彼女は沢山ご飯を食べた。彼より食べた。いっぱい食べる所好きだなァと再認識した。

その後は特に行く宛てが無かったので、適当な電車に乗って適当な駅で下りて散歩した。
ホテルがあったので入った。いつも通りのセックスをしようとした。最後までできなかった。彼女はそういう時もあるよと言って慰めてくれた。
その後は抱き合って寝た。寝ぼけながら抱き寄せてくれて嬉しかった。

彼女が帰る電車をサプライズでホームへ行って見送った。笑顔で手を振ってくれた。可愛かった。

彼も彼女も裏切っている気がしてどうしたらいいか分からなくなった。