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往年のプレイボーイ

歳をとっても粋な大人がいる。
斜向かいのおじちゃんがそうだ。

ジェリー藤尾(お若い方よ、ご存知だろうか、、)似のおじちゃんは、若かりし頃はさぞモテたであろうと思われる。
「美和ちゃん。今日も綺麗やねぇ。」「いつ、おじちゃんと結婚してくれるん?」と、トークも軽快だ。

ある日、当時高校生の娘が笑いながら帰ってきた。
「おじちゃん面白いねぇ。いつ結婚してくれるん?っていっつも言われる〜!」

私は「ははは〜。調子が良いねぇおじちゃん」と答えるも

(はっ!私だけでは無かったのか、、、)

ん?なんだ⁈この軽い失望は、、、、(苦笑い)

またある日見てしまった。
おじちゃんが、近所の女子大生に「あらーまた美人になったねぇ。いつ結婚してくれるん?」と話しかけていた。

はっ!この娘にも、、、

そして気付いた
おじちゃんにとっての挨拶は、「こんにちは」=「いつ結婚してくれるん?」なのだ

恐るべし
往年のプレイボーイ。

おじちゃんは、その後80代前半に倒れた。退院後、言葉が直ぐに出てこなくなった。耳も遠くなり、聞き返す事も多くなったが散歩するまで回復した。

会うと私はおじちゃんとお喋りをする。おじちゃんは「美和ちゃんが一番優しい。ゆっくり話を聞いてくれる。」などと嬉しい事を言ってくれる。

今日もおじちゃんは素敵な笑顔で色んな人に話しかけている。町の潤滑油だ。おじちゃんの周りはいつも笑い声に溢れている。そう、大切なのは、このウイット!おじちゃん、丸山5組に居てくれてありがとう。

いつまでも元気でいてね
教訓:甘い言葉に気をつけよう

あぁ丸山5組。


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