ミスしたとき謝らないのはダメだけど、謝りすぎてもダメという話
和久井はこれまで仕事で、何度か注意されたことがあります。
それは「あまり自分を下げるな」ってことです。
なにか失敗したとき、会話の冒頭でまず「すみませんでした!」と誤り、話が終わるときに改めて「すみませんでした」と謝る。悪いと思っている分だけ何度も謝る、みたいな。
「ごめんなさい」よりも敷居が低いので、つい「すみません」を多用しがちです。
ところがこれは、単なる自己満足なのだそうです。
なぜ、謝りすぎはよくないのか
自分は悪いと思っていても、相手はなんとも思っていないかもしれません。
何度も謝ると「えっなんの話?」と驚かれたり、「ああ、そういえばこの人はミスをした人だったな」という印象を強く与えてしまいます。
「俺はミスが多くて使えない人間なんだぜ!」ってアピールしたいなら、思いの丈詫びていいと思いますが、たぶん、詫びたい理由はそうではないはず。
会社代表になってみたら、上司から「すみませんを言いすぎるな」と言われた理由がよく分かりました。
スタッフに、
「××に気づかず、申し訳ありません」
なんて言われると、「いやいや、そもそも『気づかなきゃダメ』なんて言ってないよ!」と思います。
1日1回全員が「すみません」を言うとしたら、スタッフの数だけ「すみません」を聞くことになり、なんなら会議でも一番多い発言が「すみません」みたいな。
むちゃくちゃ時間の無駄です。
もうひとつの「謝っちゃダメ」な理由
と同時に、「すみません」を連発していると、自己評価もどんどん下がっちゃいます。
「すみません」の多い人は、すごく理想が高いのだなと感じます。
「本当はここまでやれないといけないのに、他人の期待に添えていない」
から、求められていないことに対してまで「すみません」と言ってしまうのでは?
でも、他人はそんなにあなたに期待してないですよ。
もちろん、ミスをした、迷惑をかけたときには詫びは必要です。
でも安易に「すみません」と言うと、自分の評価だけではなく、その言葉に洗脳された相手からも評価が下がります。
自分で下げてしまうので要注意です。
謝らずに、どうしたらいいか
じゃあどうしたらいいかというと、なぜ「すみません」と言いたいかを考え、言い換えするんです。
「なかなか上達せず、すみません」と言いたくなったとしたら、なぜそう思うのかを考てみましょう。
感じていることは、「迷惑をかけて申し訳ない」とか「至らない自分が悔しい」って感じでしょうか。
申し訳ないなら、悔しいなら、これからどうすればいいでしょうか。
「すみません」にまとめるよりも、「今の気持ち」と、「これからどうするつもりか」を言うとポジティブになります。
例えば、
「早く上達するように頑張ります」
「まだまだ至らなくて悔しいです。気を付けます!」
だと、どうでしょうか。
事実は変わらないのに、なんか元気でやる気のある人になります。
こんなこともありました。
先日、とある連絡を覚えているかとスタッフに聞いたら、
「覚えていますが、メモは出てきませんでした。すみません」
「何か証拠があったほうがいいと思ったのですが、役に立たなくてすみません」
と、すみません合唱。
みんな率先して「自分の情報には価値がないぜ」って言っちゃってます。
これも話の順番を変えるだけで印象が変わります。
みんなが言っていたのは、
①覚えている
だが、
②メモや証拠がない
です。
この順番を②→①にするだけ。
「メモや証拠はないんですが、覚えています!」
だと、急に情報に価値が出てきた感じがします。
話の最後はポジティブに締めるに限るのです。
逆に謝らないのも、もちろんダメ
一方で、全然謝らないのも当然だけどダメです。
会議に遅刻してきて「チーッス」だけだと、「いや、君いま遅れてきたよね? 遅刻がスタンダードな人なの?」ってなります。
もしくはミスを指摘したとき、「それはそもそも案件がよくなかったからです」とか言われたら、「じゃあまたよくない案件の時にはミスをするのか、この人にはもう仕事は頼めないな」と思います。
自分がミスしたことや自分の至らなさに対して、何度詫びても相手の怒りがおさまらないことがあるかもしれません。その場合、その人が聞きたいのは詫びじゃなくて、「これからどうするのか」かもしれません。
お詫びは、反省の意を伝える言葉であり、反省は、次に同じことを繰り返さないための分析です。
だからまったく反省しないのもダメだし、反省ばかりで何もしないのもダメ。
「ピンチはチャンス」なんで、ミスしたり至らなかったときにどう対応するかで、逆に評価が上がることがあります。
その上で、もし何度も詫びを強要されたり、土下座しろとか言う人がいたら……その人はあんまり仕事のできる人じゃないんで、気にしなくて大丈夫です。なんならパワハラだし。
自分の怒りを相手にぶつけて発散しているのか、大した意味のない詫びを聞いて上に立ちたいのか、意味のない発言をいつまでも聞いていられるほど暇なのか、そんなところかなあ。
過去の話ではなく、未来の話をしよう
安易に「すみませんって言っておけばいい」という雑なコミュニケーションよりも、意味のあるコミュニケーションをしたいものです。
過去は変えられないので、過去の話をするよりも、いくらでも変えられる未来の話をした方が建設的です。
ポジティブな言葉を発しているうちに、ほんとにポジティブになるので、お勧めです。