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バス釣りにおける「スレ」

バス釣りをする上で押さえておかなければいけない事の一つに『スレ』がある。

バスがスレて、ルアーに反応しない。これはバスの本能と記憶力、警戒心によって引き起こされるものであろう。

バスという魚は大小様々な生物を捕食対象とする魚であり、他に類を見ないほど目に映るものに好奇心旺盛な魚である。

様々な生物を捕食するシーンや逃げる生物を追いかけるシーンから一見、手当たり次第に捕食するイメージがある魚であるが、それは少し違う。

なんでも食べるからこそ、捕食対象をしっかり見極め、タイミングを狙って近づくのである。

ちなみに、
昔はバスがよく釣れたという話はよく耳にする。これに対する個人的な見解を先にお伝えしたい。

昔は今よりバスの数が多かったためにバス同士で餌の争奪戦が繰り広げられていた。このため、捕食対象を見極めるよりまず口にすることで生存競争に勝ち抜いてきたのではないだろうか。

今はバスの数が減少し、昔ほど慌てて捕食する必要はなくなった。しっかり見極め、自分の好みで捕食することが可能となったとは考えられないだろうか。

つまり、昔のバスより今のバスは冷静で、考える余裕が備わっていると言えるのである。
※リアクションバイトは除く。

着水音に反応し、近寄るバスが水面に落ちたものを観察し、それがどういったものかを判断し、口にする。もちろん本能的に危険な雰囲気を少しでも察したならば、その場を離れ、危険なものや不審なものと記憶するためにスレが生まれる。

いかがであろうか?

バスにも個体差や個性、性格、能力差はあるが、概ねこんなところだろう。

で、ここからが本題。

バスの「スレ」を念頭にバス釣りを展開することで更に釣果を上げることが見込めるのである。

ではポイントを説明する。

①バスはルアーをしっかり見て、それが餌であるか、偽物であるかを考え、個々に判断している
元々好奇心旺盛な性格であるが故に、
必ず着水音や水の動きに反応して、見にくると想定し、対処すべきである。
また、バスが考える時間によってはアタリはすぐに来ないことも想定すべき。
放置でアタリがくる理由もおそらくそんなところか。

②バスを警戒させるアクションは避けるべき。
バスはルアー(偽物)が存在する事を記憶しており、本能や経験から危険性を判断していると想定する。ルアーアクションが自然界に存在しない動きとなり、警戒心を抱かせてしまわないことである。
アピールが強すぎたり、
生物として逃げる動作をしなかったりすることが違和感と感じるかもしれない。
ルアーのアクションは最小限の動きで最大限の効果を発揮できるものがベストである。

③「スレ」たバスは捕食を止めたわけではない。
永遠にスレるバスはいない。チャンスは巡り巡って訪れる。
ただ、同じルアーで同じところに投げ、同じアクションを繰り返しても釣れない。
ルアーを変え、違ったアプローチをすることでバスの警戒心を解き、好奇心を蘇らせる可能性は多いにあること。よってルアーは複数使い分ける必要がある。

④「スレ」たバスを前にしても平常心で落ち着いた対処を心掛けること。
「スレ」たバスが思うように口を使ってくれないために集中力を乱され、苛立ち、判断力を欠くことがあってはならない。
バスが一枚上手で場を制し、バサーがバスに振り回されている状況が、これである。
釣ろう釣ろうという気持ちが高まりすぎる場合も良くない。「殺気」ともいう。
常に落ち着いた気持ちで冷静であることはとても大切なことなのである。

最後に、
今後バスの数は減り、更に「スレ」は加速し、釣り難いものとなっていくだろう。そして、それに耐えられないバサーは離脱し、人気は下火となることも予想される。
バス釣りは簡単ではない。容易に釣れない。
しかし、必ず打開策は存在し、釣れる要素は隠れている。「スレ」ても釣れる。

バスは賢い魚であり、楽しい魚である。
共存する道を選び、お互いに幸せになれることを最終目的とし、バス釣りを継続していくことがより良いバスフィッシングの未来なのである。



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