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I.ENOMOTOの榎本郁也さんに「ブロウコレクション」について語っていただきました。

ハイレベルの工学的なデザイン性と、機能性を追求したかけ心地の良さから、多くの支持を集めているアイウエアブランドの「I.ENOMOTO」
そのデザイナーである榎本郁也さんにお越しいただき、新作の「ブロウコレクション」について語っていただきました。

I.ENOMOTOのブロウコレクションの詳細は下記のブログにてご紹介しております。ご一読いただければ幸いです。

I.ENOMOTOの新色「ブロウコレクション」が入荷しました。


なぜ、ブロウコレクションを作ったのか

これは私物のアメリカのヴィンテージフレームになります。

そもそも「ブロウ」と呼ばれる形は、日本では昔から定着している形の一つであり、美しいと感じられる要素の一つだと考えています。
クラシックな装いで、それこそ当時の技術力のないところから、新しい表現として生まれた技法の一つになっています。

I.ENOMOTOの場合は、七宝という古くからある技法を用いて、段をつけない平面的な中での「ブロウ」を表現しています。

もとがベーシックな形なので、同じ形の中で派生させており、ブロウなのに全然印象の違う表現ができるところがとても面白く、フレームの可能性を広げられるんじゃないかと思って始めました。

ブロウコレクションの見どころ

上 IE008
下 IE010

「IE008」の方は、やや肉厚でクラシックなアメリカンテイストになっています。
また、テンプルも配色を変えて、フロントからそのままテンプルへと伸びていくような、ボリューム感のあるデザインに仕上げています。

「IE010」のほうは、ブロウといってもリムの下も色をつけているので、コンビネーションにも見えるようなヨーロピアンテイストになっています。
テンプルもフロント裏から、一体感を持たせるために同色で作ることで、ライトなシルエットになっております。

同じ技法を使っているんですけど、ここまでテイストが変わってくるところはすごく面白いかなと感じます。

一つの「ブロウ」というカテゴリーにおいて、自分の中のアメリカ的な要素と、ヨーロッパ的な要素がそれぞれ落とし込むことができ、どちらの良さも表現することができたコレクションになりました。

ベーシックな普通のコレクションだけでは物足りないと感じる人や、自分の好きな個性をプラスしたい人にも、かけてみて欲しいフレームになったと思います。

榎本さんの考えるアップデートの必要性

例えば、今日持ってきたこのアメリカのヴィンテージフレームもそうなのですが、味があってかっこいいですけど、かけてて快適かと言われると快適と言いにくいんですよね。笑
昔の眼鏡が好きな人は、それでもかけると思うんです。

I.ENOMOTOは、ベータチタンのテンプルを使って掛け心地を良くしたり、チタンを使うことで耐久性を持たせたりしています。
今と昔で、眼鏡の使い方自体が違うと思うので、眼鏡において、素材的なアップデートは必要なんじゃないかなと考えています。

それこそI.ENOMOTOの眼鏡も、常にアップデートを繰り返しています。
智の位置を少し外側にしてみたり、テンプルを変更してみたり、新しい配色を増やしてみたり…。
フレームのバリエーションと可能性を日々考えています。

眼鏡って、もっとこうすれば良かったなと思っても、次のフレーム作りに生かして、また全然違う眼鏡を作ってしまうパターンが多いんですよね。
そうすると一つのフレームの命がそこで終わってしまうのです。

せっかく作った眼鏡のデザインなのに、それでは勿体無いですよね?
一度完成した眼鏡のアップデートを繰り返すことで、より研ぎ澄まされていき、フレーム自体のライフサイクルも長くなっていくと考えています。

歴史を受け継いでいくバトンのようなデザイン

3Dプリンターや、テクノロジーなどの新しい技術が発達していますが、それが眼鏡として、必ずしもかけたいものになるかと言われると、そうでもないと思います。

新しい技術や、デザインは正しい方に導く人が必要なんだと思います。
いきなりパッと出たものって、なかなか理解がしにくいじゃないですか?
そこに自分の知っている物差しがあると、自分の好みが分かるし、合わせ方なども分かってきます。

なので、昔から大事に培われてきた、歴史的な繋がりのあるプロダクトのバトンを受け継いでいくことも、デザインを生み出す大事な要因だと思っています。

そうやってデザインが繋がって行くことが大切で、過去を踏まえた上でこの先にどんな展開があるかを自分たちが考えなければいけないんです。
必ずデザインには「その先」があるので、将来的に「ブロウの先」へと続いていく為のコレクションになったんじゃないかなと思います。

最後にブロウコレクションをかけていただきました

IE008
DBGP
IE008
BKTI
IE010
DB2
IE010
BKGR


text : SHIN WATANABE

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