湯のみを探す
いつも使っている湯飲みの飲み口が欠けてしまったので新調しようと、色々と店を覗いてみる。けれども、なんだかしっくり来ない。もっと言えば面白くない。溜息混じりに店を後にするということを何度か繰り返している。
食器類など、そこまで拘りを持っているつもりは無かった。使えればまぁ、同じだろうと。何で値段にそんなに差があるのかと思っていたほど。しかし、実はそうでもなかったらしい。
別にすごく凝ったデザインのモノが欲しいわけではない。高級品を求めているわけでもない。個性的なモノを求めているわけでもない。ただ、直感で「これが良い」というモノが無い。
実家に帰ればそれこそお気に入りの食器がセットで見つかるのだろうけど、それはそれでつまらない。
店に入れば可愛いものから渋いものまで主張してくる。
「どうだ、良いだろう?」
と、自慢気に胸を張っているようだ。
違うのだ。そんな主張は要らんのだ。自然と手に取るような、気を使わないモノが欲しいのだ。しかしまぁ、なかなか良いモノが見つからない。
そんなことを始めて2週間程、仕方がないので宅飲み用に買った蕎麦猪口で今日も気を紛らわせている。
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