いままで、これから 第1章:人生の正解を追い求めた学生時代
こんにちは。
あんにんです。
noteデビューを記念して、
”自己紹介”をマガジンの連載として書いていきます。
いわば、長めの自己紹介です。
昨日は『いままで、これから』という連載のプロローグとして、
今の時点で人生に3つの時期があったと書きました。
今日はその第1章について、つづっていきます。
・プロローグ
・第1章 大人の顔色をうかがう:正解探し期
・第2章 大切なことが分からなくなった:迷走期
・第3章 自分で未来を決めた:軌道修正期
本編では、ですます調をやめて、だである調でいきたいと思います。
(その方が書きやすいし、しっくりくるなと。)
小さなコミュニティでの常識が世界の常識だと思っていた
私の生まれは小さな田舎町の一軒家。
家族は、工場勤務の父、パート勤務の母、3つ下の弟という構成。
私の住む家は、一軒家が10棟くらい集まっている場所の一画にあり、
ご近所には年の近い子供がいる世帯が多く、
いわゆる幼馴染と呼ばれる人たちが多くいるような環境だった。
最大で8人の子供たちがいる小さなコミュニティのなかで、
鬼ごっこやかくれんぼをしたり、お互いの家に行き来したり、
多所帯の家族のなかで育ってきたような気がする。
子供たちの年齢順でいうと、私はちょうど真んなかくらい。
上にはお姉さんが2人とお兄さんが1人いて、
小学校までは当たり前のようにみんなで一緒に遊んでいた。
やがて中学〜高校に進学する子が増えてくると、
交友関係に変化がでてきた。
それぞれの学校の友達と遊ぶ機会が増え、
会うことも少なくなっていったような気がする。
でも、親たちはずっと一緒。
学校から帰ると、絵に描いたような『井戸端会議』を繰り返している。
遠くで聞こえてくるのは
「○○ちゃんは、△△高校にいくんだって?」
「すごいわね〜!うちのこなんて…」
と、進学時期の子供たちの近況を報告しあっている様子。
高校進学をテキトーに決めた私も、例外なく議題にあがる。
「あんにんは■■高校にするって。もっと頑張れなかったのかしら…。」と、私にはもらさなかった母のグチが耳に届く。
どうやら期待通りではなかったようだ。
私は、いつものように聞かないフリをしていたけれど、
その時に気づいたことは、
学校の通知表より、母たちの評価の方が大事かもしれない…!
と、近くの大人たちにどう映っているかが大事なのではないかということ。
進路は大人の『理想』であるべき
高校に入学してからは、
顔色を伺い、大人にとっての「理想」になることばかりを考えていた。
長女であるせいもあるのか、
いいこでいなければ、ちゃんとしなければと、
子供ながらに責任感や使命感が強くなってきたように思う。
さらに、高校生活では、選択を迫られることがやたらと増える。
高校2年に進学するときには、文系にいくの?理系にいくの?と問われ、
正解がわからないから周りの大人たちに聞く。
好きか、嫌いかなんてものはどっちでもよかった。
なにが正しい人生なのか、それだけを教えて!
(本当はそんなもの存在しないはずなのに。)
そんなわけで、親にも先生にも、
「手に職をつけられるといいよ。」
「理系は専門性が高くていい。」
などという話を聞いたものだから、
そうか、理系が正解なんだ!と迷わず理系を選択した。
母が満足そうな顔をしていたから、私はそれでよかったのだと安心する。
好きか嫌いかよりも正しいかどうか
実際に理系に進んでからも、選択の連続。
どの教科を選択すべきか、予備校にはいくべきか、大学は何系にするのか?
迷うことが多くてよくわからない。
その通りに頑張るから、誰か正解を教えて!
その頃、理系クラスで一番仲のよかった友人が、
「薬学部に行こうと思う」と話していた。
その時はなにも考えず、「ふ〜ん、すごいね!」とだけ答えたと思う。
その夜母に、「同じクラスの●●ちゃんは、薬学部にいくんだって!」
とポロっと話したら、
「へぇ!すごいじゃない!!幼馴染のYちゃんも、薬学部行ったのよ。
Hちゃんは大学で遊んでばっかりみたいだけど、
Yちゃんは勉強頑張っててエライね!ってちょうど話してたの!」
とテンション高めに言われたものだから、そのときにピンときた!
そうか、薬学部は正解なんだ!
そういえば、幼馴染のお姉ちゃん2人は、わかりやすく異なっていた。
Yちゃんは母が絶賛していた薬学部に進学し、
早々に就職先の目処がたっていたようだ。
一方、文系の大学に進学したHちゃんは、
100社ほどの企業にエントリーするもなかなか就職先が決まらず、
いまなお苦戦しているのだという。
そんなわかりやすい対比をされ、私のなかで、早々に決まった進路。
本当はものづくりが好きだったから、
建築とかに進んで設計の勉強をしたら楽しいのかな、なんて思ったけど、
それは自分のなかだけにとどめて、なかったことにする。
絶対に薬学部にいくと決めたから、必要科目を猛勉強した。
親にも心配されるくらい、朝早くから夜遅くまで勉強した。
最初に薬学部にいきたいと行っていた友人にも、
「私も薬学部行こうと思う!」と打ち明けて、一緒に目指すことにした。
『薬剤師になったら将来は安泰だから。』とか、
『女性でも手に職つけたら心配がないよ。』とか、
身近に薬剤師がいたわけでもないけれど、世の中がそういっている。
なにが安泰で、どんな心配がないのかもわからずに、
ただその言葉を信じて、私は突き進んでいった。
冗談か本当かは知らないけれど、
「風邪薬の特効薬を見つけたらノーベル賞もらえるって!」などという、
都市伝説級の言葉でさえ、目指すべき理由づけとしては充分だった。
だって、みんな”すごいね”っていってくれるんでしょ?
よろこんでくれるんでしょ?
こうして私は、大人たちに導かれた道をまっすぐ進んでいった。
違和感はなかったと言えば嘘になるけれど、
この時の私にとって大切だったのは、資格という武器を持って、
社会から認めてもらい、親に喜んでもらうことだったから。
ちょっとずつ感じた気持ちの変化
今でもこの人生を選んだことを後悔はしていない。
ただ、いつの頃からだったか、
確実に少しずつ、私のなかでひずみが生じていった。
第2章はそこからスタートしていく。
「第2章 大切なことが分からなくなった:迷走期」
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