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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男

公開時はドリスのドも知らなかった。
『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』を朝早くに視聴してみた。

好きなイラストレーターさんが何度観ても元気を貰えると言っていて、久しぶりにdiskを購入し、観てみる事に。

ここ一年程ですが、自分の中で求める好みというか、世界観が二十代前半とはだいぶ変わってきたのもあります。

というか改めて最初に戻ってる気がしている。
服に関して言うと、私は小さい時から控えめなものが好きだったと思う。
でも親・親族が芸術好きで、今の私なら絶対選ばない色味の服を、絶対綺麗だからと言って無理くり着せさせられた事も何度か子供時代にありました。
子供に着せるにはあまりに贅沢な金額の服で、今思えば有難い事でもあり...(色んな服の世界があると思えるきっかけでもありました)

ですが子供時代のそうした記憶は、正直いい状態では残らなかったのが哀しい。
私からすればかなり暴力的でイヤだった気持ちが強い。

拒否すれば良かったのですが、拒否する理由がその時は無いに等しかった。
何も知らない子供で、好みはあれどこういう服がいいの!と言えば、頑固者!と呆れられる。とてもイヤな意味で怒られている気分になるような言い方というか。そんな気分になるのも、言葉も言われたくないから、私はひとまず受け入れる子供になっていき、その後多感な時期に痛い目に合うのですが、それはもう少し後の話。
自分の感情なのに、自分がそれを受け入れない癖がつくのは非常に危うくて、必ず虚しさに殺されそうになる時がくる。
大なり小なり、自信はなくなり心身共に路頭に迷う。今も続いていて、それでも好きなものを考えていると自分の居心地の良いものは何なのか、少しずつですが分かってくるのかもしれないと最近は思いつつ。

服って大事ですよね。
自分のアイデンティティと言ってもいい。
おしゃれかどうかとか、センスがいい悪いとかは横に置いておいて。
シャツ一枚でもいいから流行だからじゃなく、自分が惹かれて好きなものを選ぶのはとても大事だと思う。

ドリス・ヴァン・ノッテンの服は色の洪水のような服が多い。でも不思議と軽やかで奇抜な、感覚の攻撃的さはなく。
どうしてかなと思ったら服のパターンはごくごくシンプルなのが分かる。

布は派手でも、スタイルはスタンダード。
ご本人も、エキセントリックなデザイナーと言うよりかは職人。
仕事以外はパートナーと自宅の庭仕事をしていてシンプルな生活を営んでいる。
普段着ている服もモノトーンのシャツとパンツに白のスニーカーか革靴。

ファッションデザイナーといえば、自身が広告塔ですと言わんばかりの派手な人が少なくないと思うけど、彼は全くそういう事には関心もなさそうで、私は好感が持てた。

前に出るよりかは裏方志望で、目立つのは気が引ける自分とは比べものにはならないけど、彼の信念というか、ファッションに対する誠実さは見習いたいし、全ての事に対して大事だと思えた。
#ドリスヴァンノッテン

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