今なら「ずっと」好きって言える。
さて。
やっと一週間が経った。変な感じすぎる。
志賀暁子は、9月末に告白して「今は付き合えません」と一度振られていた好きな人と、何故か付き合うことになったのです。告白文句は「神様の平和の中でなら一緒にいられると思います」(志賀も恋人さんもちょっと宗教的な思考を携えているので、そういう言葉を使ったのだろう)。
…意味わからんな。この文言は告白と言っても腑に落ちない。当事者でも分からないのだから、これを読まれている方はもっとだろう。
なんて、言いつつ。
その言葉は『信仰者』の自分には殺し文句だった。所謂世間的な「告白」とは全く異なるけれども、どきどきからもきゅんきゅんからも程遠いけれど、神様を信じる、神様を必要とする、心よりも深いその魂の奥にぐっと刺さったその言葉は、本当に愛おしくて、大事だなと思えたし、腑に落ちた。心が湧きたつよりも先にどこか安心して、心の中のマグカップに温かいホットチョコレートがたっぷり注がれて、肩の荷ががっと下りるような、そんな心地の良さがある気がした。
思えば。
「好きです」と「付き合ってください」を自分から言った9月末のあの時は、最初からダメ元だったし、だから「期間限定」で付き合ってほしいなんてずるいことも口にしていたりしていた。どうせそう長くは一緒にいられないだろうしとどこか諦観を抱えたままで、最初から強く予防線を張っていた。
その結果「好きです」は「今日も好きです」だったし、私が口に出来るのは、譲って譲りまくって「明日も好きです」だった。今日電話出来たから、明日は少なくとも好きでいられる。明後日には不安定になって、好きと言えなくなるかもしれないけど、少なくとも、今は好きだから、今日も好き。
好きでいられるのはいつまでだろう。いつか好きでいるのをやめなくちゃね、しんどくなっちゃう。あ~、早く別の誰かと付き合ってくれないかな、諦め着くのにな。だって、この人は私のことを好きになってくれるわけがない。私はこの人とは全く違う場所で生きてて、同い年ですらなくて、恋人になんて、「特別」になんてなれないに決まってる、
明日にも素敵な人が現れて、運命の恋に落ちれたら。もしかしたらこの人のことをあっという間に諦められて、忘れられちゃうようなそんな恋が出来ないかな、そしたらどんなに幸せだろう。そうならなくても、いつか嫌われるから、早いとここんな気持ち捨てておかなくちゃね。
なんて、自分がいつか無くしちゃうその気持ちをなんとか吐き出してしまいたくて、今日好きでいるよ、ってそう伝えていた。聞いてもらえたらそれでいい。そんな自分勝手な自分だった。
「何のために『好きです』って言ってるの?」と少し厳しい口調で尋ねた彼に、私は少しへらへらしながら「明日にでも言えなくなっちゃうかもしれないから。一方的な愛情表現です。だってどうせ選んでもらえることなんてないし、だったら言えるうちに一方的でも好き好き言った方が楽じゃないですか。気持ち隠さなくていいし?」なんて嘯いてた。
そしたら、電話越しの声がいつの間にか怒ってて「それじゃ、俺が一生あなたを好きにならないみたいじゃないですか」と言われたのを覚えている。なんでこの人がこんなに怒っているのかと、何言ってるんだろうこの人はと思った挙句、呆れ返した。なんだか妙に笑いたくて、彼の言葉を嘲るように、ひどく楽し気に笑った。
「振ったんだから好きじゃないでしょ?好きじゃないから、こうなってるんですよね?変な事言ってますよ?笑笑」
今思うと大概最低だ。我ながら最低過ぎて、本当に申し訳なくなる。恋人さん、本当にごめんなさい。あなたがなんで怒ったか今ならなんとなくわかるし、私の対応は誠実じゃなかった。冷やかして、誤魔化して本当にごめん。
でも、それくらい自信がなかった。どうしていいのかも分からずに、自分の気持ちをないがしろにしてもいいと思ってた。そんな私だった。
でも、あなたが寄り添ってくれて、大切にしようとしてくれているのを感じて、そういうことに自分が喜んでいるのに気づいて、それを望んでいることも気づいた。出来たら、それが長く、出来るだけ長く続けばいいなと望む自分に気づいた。終わりを想像していない自分に気づいた。事実としてはいつか終わってしまうかもしれないけれど、なんだか過剰に不安にはなっていないことに気づいた。
それは、あなたが「平和」を口にしてくれたからで、それを「祈り」のように、私が感じたからだと思う。
あなたは本当に私の想像をいつだって越えていく。私の葛藤を、自分で隠そうとしてしまう事実と気持ちの境界を、悲観的な思考で出来上がった壁を越えていく。
変な人だ。時々失礼な人だ。デリカシーもない。少しは気を遣ってほしいと思ったりもする。頼むから「察する」ということをもう少しだけ学習してもらえないだろうか。人の顔色をどうしても過剰に伺ったり、言葉を濁したり、言葉を隠したり、その一方で本当ではないことをその場に合わせて主張したり、そうやって生きてきた自分とは全く違う人だと常々思う。超マイペース。本当に自分の人生を生きているななんて時々皮肉半分尊敬半分で思わされる。
でも、そういうあなただから好きになった。あなたとなら、自分一人では出来ない生き方が出来る。元来、私は私だけでも生きていける、生きて行けるようにしていなくちゃいけない。事実、私は一人ではなくて、私と、私の周りにいる人達が素敵だから生きていける、きっとあなたが恋人ではなかったとしても。だけど、あなたと一緒に生きていけたらきっともっと自由で、豊かに生きれると思う。そして何よりほんの少し安心して休めると思う。それが私があなたと一緒にいたいと思う最大の理由だ。
好きです、私の特別大切な人、恋人さんである、あなたが。今日とか、明日とか関係なく、ずっと好きでいたいと思う。
私達の恋愛は大概普通ではないし、これからほぼ5カ月近くあなたに会えないと思うと「これ、本当に付き合ってるんだろうな…?」って疑いたくなる自分にも出くわしそう(8割冗談)。「ずっと好き」なんて言えなくなるかもしれない自覚もありますが、でも、それより今は大丈夫ってなんとなく、根拠もなく、今は思えてしまっています。誰かさんのせい、誰かさんの『おかげ』で。
自分の人生を生きながら、でも、どこかで、自分の知らない世界を、あなたが見ていて、平和に生きていてくれていたら、この世界に希望が抱けるとそう、思うので。今日も取り敢えず私の人生を平和に生きていきます。私もあなたにそう思ってもらえる存在であれればいいなと思います。
大分長くなったけれど。
あなたが大切にしようとしてくれることを知っていて、一緒に平和の中にいようと努めているからか、私はとても安心しています。
だからその安心感と同時に今は言えます。「ずっと好きです」と。
恋人さん、ずっと好きです。
平和の中を共に生きましょう。(くださいとか、生きたいとか一方的じゃなく、どうか『一緒』に。)
最愛のあなたに祝福と平和がありますように。