僕等を受け入れられない世界なんか、今すぐ滅びてしまえばいい
満員電車が嫌いだ。
朝一限に向かうその電車に乗るというその行為はまるで自殺行為のように感じる時がある。
誰か満員電車が好きな人はいるのだろうか。
思わず世界を呪ってしまいたくなる、そんな不快感の中、私はイヤホンで爆音の音楽を流して、満員電車に乗る。
世の中は残酷だなあと時々思う。
ひどく恐ろしいと思うし、血まみれにしてくれるなと思う。
傷だらけなんて言葉は安易だ。
その言葉以上にボロボロになっている。
大切だと思っている事がちっとも伝わらないことを知っている。
一番好きだと思える人が自分を真っすぐ見てくれないことを知っている。
私の好きなものを、誕生日を、本当に覚えていてほしい人は覚えていなくて、そのことに泣きそうになるのに、そのことはずっと言えずじまいだったりする。
『冗談』という言葉で片付けられる、私をひどく傷つける言葉のナイフを知っている。
私が無意識に、また時に意識的に、振り回す刃物の重さを知っているようで知らないんだと痛感する。私は生きているだけで今日も誰かを傷つけている。
でも、死にたくなくて、諦めたくなくて、なんとか祈っている。
こんな世界滅びろと祈りながら、でも、変われよ!!って叫んでいる。
咆哮だ。
声になんかもはやならない。
人間以前の本能だ。
どんな世界であろうと生まれたんなら、生きてやろう、生き延びてやろう、そういう欲望だ。
死んでたまるかよ。
絶対死にたくない。
私達は生まれたからには生きる権利がある。
どこの誰になんと思われてようが、私が生きる事を選択するのは自由だ。
私が、あなたが死にたくなるような世界は間違ってる。
誰がなんと言おうが間違ってるんだよ!
道徳とか、常識とか、そんなの知らない。知らなくて何が悪い。
僕等を受け入れない社会が悪い。
世界が悪い。
あなたが、大好きな人達が死んじゃう世界なら、さっさと滅んでしまえばいい。そんな世界に価値なんかあるわけないんだ。
完全なんてない。
分かり合えない人もいる。
それでも、生きて、なんとか今を変えたい。
だって、こんなクソみたいな世界で、あなたに会えたことだけは絶対正解だと思うから。
あなたがいるだけで、それだけで私にはこの世界に生きる意味があるから。
こんな世界滅びちゃえって思うけど、こんな世界に負けてたまるか。
理不尽に負けて、死んでたまるか。
生きて、一歩でも前に進んでやるよ。
神様、見てろよ。あんたが何をしようと私は世界に失望してなんかやらねえから。
私と私に出会ってくれたあなたと、その他出来るだけすべての人が生きたいと思える世界を作る。
死ぬくらいなら、死ぬ気で世界を変えてやる。
滅ぼすより、その方がずっと有効だ。
僕等を受け入れられない世界なんて、こっちから願い下げだ。
今すぐにでも変えてやる。
そんなことを思いながら、今日も僕は血まみれになった引き攣っている唇を無理矢理上げて、皮肉のように盛大に笑ってやるんだ。