君とのご飯はいつも異国で
志賀の友人達にはちょっと変わった人が多い。
とある休日に一緒に買い物に行った彼も例外じゃない。
思い出せば、彼と初めてご飯に行った時、事前にメッセージで聞かれた選択肢は「ロシア料理とハワイアンパンケーキ、どっちがいい?」だったっけ。
申しわけないけど、なんでその二つのチョイスなんだよ…。
極端すぎるわ…。
普通「中華と洋食と和食ならどれがいい?」とか「苦手な物はない?」とか、そういう質問でしょ。なんでその二つ?
気になって訊いてみれば返ってきた返答は「そういう定番の食べ飽きたんだよねえ」だったっけ。いや、お前いくつだよ…。60代ならまだしも20代すら終わってない奴が何言ってんの?って話である。普通に感覚についていけない。
あの時は結局ロシア料理を食べに行った。志賀は当時「ロシア料理」って言われても何があるのか分からなかったけれど、少なくとも「ボルシチ」だけではないことだけは分かった。
とても美味しくていい勉強になった記憶がある。
そして、こうして話のネタになるくらいには面白い選択肢だと思う。志賀は彼の一見風変わりだけど、機転の利いているチョイスを出来るセンスが好きだ。
今回の休日も異国のご飯だった。
夜ごはんに一緒に食べたのはフォーだった。
ベトナム料理…だよね?(若干記憶違いがありそうで不安。)以前放送されていたMIU404のドラマの中で登場していて、食べてみたいな~って思って、結局食べてなかった料理。
めっちゃちゃんと美味しかった。デザートはちょっと甘かったけど。また食べたいと思える味だったから、縁があればまた挑戦してみたい。いろんなアレンジもあるのが面白く、今回は結構ベーシックなものを食べたので、次はちょっとアレンジが効いたものも食べてみたいなと思った。
友人さんとご飯に行くと何故か異国のご飯を食べている気がしている。友人さんはセンスがいいから、ついて行っても外れないとどこかで志賀は思ってしまうのだ。だから、結果多少変わっていた選択肢でもいいやと思って単純についていく。また同時にこの人となら、仮に失敗しても笑える話に出来る自信があるからかもしれない。つまり、どっちにしたって安心感があるのだ。
いつもみたいな、その辺のカフェやレストランで食べられるご飯も美味しいとは思うし、それで十分幸せなのだと思うけれども、でも、せっかく特別が楽しめる人と一緒にいるのなら、定番から外れてみてもいいかもしれない。
また会う時にも少し変わったご飯を食べたい。異国のご飯を食べてみたい。次は私から誘ってみようか。実はなんとなく行きたいところがあったりするのだ。
君とのご飯はいつも異国で。
素敵なご飯がある異国の地、そこにいる人々に祝福あれ。
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