詩する中年②

どうですこの天気

いやいや目覚めて歯みがいたりして

さて、また詩をしてみましょうか。

このシリーズ過去作品と新作玉石混交で説明不足に。

通勤快速にて　作：シロシ（よーかん）

・・・なんで覆い隠しているんだろう　

若かった頃　
色んな事に

縛られないでいれた頃　

ボクなんかより若くてパリッとしていた頃　

このヒト
こんな風にいつも疲れたまんまの自分の姿なんて　
想像したこともなかったよきっと　

いやぜったい　
でなきゃ今頃
生きてない　

朝も夜も行きも帰りも　
この人みたいなヒト達　

行きたくない場所に運ばれていっているみたい　

やっぱ　
なんか　
観ていて悲しい　

このヒトだって　
ボクよりたぶん　

ずっと走るの速かったり
野球上手かったり　
そういう時あったよきっと　

女の子喜ばせて
映画語って
日本の未来のためになんかしようとか
決意した

新婚旅行のプランたてて　

そういうことしてきたんだ　
きっと　

でも　
このヒト　

刈り揃えた髪の毛で縁取りして　
ヒト束だけのばして覆い隠して　

どうせならさ　
両側からのばして真ん中によせて　
前に流して　
ワックスで固めて　
トンがった自分でも
表現したりしてくれたらな

（笑わえない　よけい悲しい）

このヒトも　
友達と意味なく走り回って　
ケラケラ笑ったりしていただろうに　

チャカチャカ刻む
隣のオトコのウォークマンも

この人達の世代の誰かが発明した機械　
それでもって今も　
このヒト達の世代の青春

誰かが仕切ってる
組織がボクらに売る商品　

それが事実　

このヒトはなのになんで　
こんな風に　
行きも帰りも　

髪の毛を頭頂部に撫で付けて
うつむいたまま
かたまってるんだろ　

テカテカのその禿げ頭は　
リアルな自分　

撫で付けてごまかすって　

ああでも
まあ　
そういう意識じゃ　

もっと　
理解不能
深い理由　

でもたとえば　
そう　

白黒写真の中の
老人ピカソみたいに　

なんでザックリ晒して生きられない

たとえばこのヒト達
その禿げ頭を　
老ピカソがそうしていたみたいに　

ザックリ晒し

俺達を　
睨み返してくれ

お前らガキどもは　
俺達が造った世界で　
暮らしてんだ　
それ忘れんじゃねえぞ　

ザックリさらしたまま　

文句あっか　
文句あんならよ　
なんかやって　
俺達大人を驚かせてみろ　

って　

感動させてみろ　
って　

ザックリ晒してそう睨み返してくれたら　

オレ達だって　
絶望しそうに
ならずにすむ

だからねえ　
オジサン　
おきてくれオジさん　

寝たふりしてないで
おきてくれよオジさん

テカテカなまんまでギラリンって
俺たちを睨み返してくれオヤジ・・・

ありがとう

またね。