BL映画 パワー・オブ・ザ・ドッグ Blu-ray BOX 日本語吹き替え版

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現地時間5月25日に第77回カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、コンペティション部門に出品されていたヨルゴス・ランティモス監督の最新作『憐れみの3章』のジェシー・プレモンスが男優賞に輝いた。

パワー・オブ・ザ・ドッグ
『女王陛下のお気に入り』(18)と『哀れなるものたち』(23)に続き、ランティモス監督がエマ・ストーンとサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ本作。選択肢を奪われ、自分の人生を取り戻そうと格闘する男と、海で失踪し帰還するも別人のようになった妻を恐れる警官、そして卓越した教祖になると定められた特別な人物を懸命に探す女という3つの物語から構成。それぞれの物語で同じ俳優が異なる設定の人物を演じており、プレモンスはいずれの物語でも最重要となる人物を快演。

パワー・オブ・ザ・ドッグ Blu-ray BOX
現在36歳のプレモンスは子役としてキャリアを積んだ後、『ザ・マスター』(12)や「ブレイキング・バット」で注目を集め、主演作『もう終わりにしよう。』(Netflixにて配信中)でブレイク。続く『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(Netflixにて配信中)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(23)では捜査官役を好演するなど、近年は賞レースで注目を集める作品への出演が相次いでいる。なお、三大映画祭での戴冠は今回が初めてのこと。

『エリック』は、芸術的な独立系映画に近い印象の作品だ。主役のヴィンセントは、ジェーン・カンピオン監督の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のフィルのように複雑な表現が必要とされる役柄で、カンバーバッチの演技力の高さが引き立つ。システム的な人種差別、社会の同性愛嫌悪、さまざま偏見、都市部のホームレス問題など、テーマがぎっしり詰まっている。 舞台は80年代のニューヨーク。初期のマーティン・スコセッシ作品や、ティム・バートンが描くゴッサム・シティを彷彿とさせる、すすっぽく汚れたような風景が映し出される。

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喪失感への対処法なのか、あるいは自分を責める方法なのか、ヴィンセントはエドガーが失踪前に描いた人形、エリックの幻覚を見るようになる。エリックは『モンスターズ・インク』のサリーのような風貌で、荒々しいなまりがある。

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多くの点で『エリック』は贖罪の物語だ。ヴィンセントは、自分自身が生み出した“悪魔”と対峙しなければならない。これは、物理的と比喩的、両方の意味で息子から遠ざかってしまったヴィンセントが、その距離を縮めるための物語である。『シャーロック』からもわかるように、カンバーバッチは、自身自身に追い詰められるキャラクターを演じるのが得意である。『エリック』は、彼がこの分野で最高の俳優のひとりであることを証明する作品かもしれない。少なくともホアキン・フェニックス級の演技である。

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