YGG21年産駒募集についての雑感
blaze的、YGGの21年産駒募集についての雑感です。何かを保証するものでもなければ、出資をおすすめするものでもありません。感じたことを残しておきます。なので、自分が興味のある馬にしか触れていません。
1.キングスミール21 牝 2310万円の一口2万3100円。 父ブリックスアンドモルタル
父ブリックスアンドモルタルに関しては、
B&M産駒について考える~広尾・YGG~|blaze|note
こちらで触れているので引用する。
”ブリックスアンドモルタル。期待の種牡馬。米国血統。ただし、芝。ダート馬ではないので、タイプ的にはアメリカンペイトリオットに似る。アメリカンペイトリオットと言えばダート中距離で使われる印象が強いが、「米国血統だから」とダートで使われているんじゃないかと思う。GunRunnerやArrogate、QualityRoadはダート馬。ダート馬でも産駒は芝で走れるのがAmericanPharoah。芝馬で産駒も芝を走るのがアメリカンペイトリオット(ビーアストニッシドが芝重賞勝利)、芝でもダートでも走って血統的にも二刀流なのがジャイアンツコーズウェイ(マイルCSエイシンアポロンなど)。
強調したいのは、日本で種牡馬として活躍しているヘニーヒューズ、ドレフォンと同じストームキャット系であること(最近話題のScatDaddyもここに属する)。日本で走る血統なのは間違いない。そして有名なディープ系×ストームキャット系の好相性。ディープを持つ牝馬が多くなっている日本競馬にとって相性のいい父馬だとも考えられる。
知らない馬でも血統と親名を見て、どの適正で活躍をしているか見れば推測は可能。さて、このジャイアンツコーズウェイがブリックスアンドモルタルの親である。
ジャイアンツコーズウェイは芝で走ってきてG1を6勝。最後はBCクラシックを走って2着。ダートでは1戦0勝も、最高峰のダート戦を2着した実力の持ち主。親は大種牡馬ストームキャットで、産駒にはダート馬や欧州芝に適性を持つ馬が多い、力強さや仕上がりの速さを産駒に伝える馬。母のほうはダートメインながら芝・ダート問わず活躍したMariah's Storm(芝リステッド勝ちかつダート重賞6勝)。この血統を見てもジャイアンツコーズウェイは芝でもダートでも高い水準で走ることのできる馬だと理解できる。さて、そのジャイアンツコーズウェイは芝でG1を6勝のため、その子供は母からダート成分を補完しない限り芝に出ると考えていい。実際、日本の重賞勝ちはエイシンアポロンをはじめ芝に寄る。かつ、米国での産駒も芝に寄る。その子のうちの1頭がブリックスアンドモルタルである。父父も父も産駒には芝ダ問わず高いレベルの馬を出しているので、本馬もその可能性は高い。しかし本質は芝にあるとみる。
B&Mは13戦11勝。全て芝で走っていて、勝ち距離は1700m~2400mと幅広い。最も刺激的なのは、1年2か月の休み明けからの6連勝。G1,G2,G1,G1,G1,G1の6連勝。ペガサスワールドカップやBCターフ含むこの成績。そしてこの成績をもって最優秀芝馬かつ年度代表馬に選出。ダートが主流の米国において、芝馬のB&Mが年度代表馬に選出されるということは、つまりそういうこと。米国でも驚きをもってその強さが受け入れられていた。ただやはりダート主流だからなのか、日本に渡ってきた。そう、芝が主流の日本に。私がこの種牡馬を推したい理由はここにある。アメリカの年度代表馬(芝馬)が種付け料600万円。これってすごくないですか?もちろんSSを持っていないので走るかどうかはわからない。母系からSSを引っ張ってこれれば面白い存在になれると思う。もし牝系にヌレイエフやロベルト、米国系の血統が強めに入っていて、あとは猫やシアトルスルー関連の血が母系から増幅されていたらダート走っちゃいそうな気もする?距離適性は王道を走れるくらいと予想。ただ、日本の芝だと少し短くなるかも。そして不安としては王道距離に出ると日本を支配しているSS血統とガチでぶつかってしまう。そうなるとSS系が得意の「広いコース長い直線でキレ勝負」に勝てるのか?という部分。対抗するには上記のようにSSを引っ張ってきて日本に対応できる速さを持ってくるか、ストームキャットやAP INDYを増幅して軽さを持たせるか、ミスプロをつけて長距離に活路を見出すか、インリアリティのようなスピードを持ってきて短距離的なスピードをつけて速さに対抗するか…。
YGGの「キングスミール」はこの仔で14仔。高齢での出産になり、確率的にはちょっとマイナス。これまでの仔を見るとゴールドアリュールからはダート中距離馬、キンシャサノキセキからはダート短距離馬、アドマイヤムーンからは芝中距離と、素直に父親を出してくるイメージ。この仔は芝中長距離を走りそうだという予測が立てられる。血統以外からだと、チャンピオンヒルズで育成されそうというのが心強い。YGG民はドライスタウトで、広尾民はバスラットレオやパンサラッサでお世話になっているからいいイメージがあるんじゃないかな。アメリカの馬らしく既に大きな馬。サイズの心配なさそうなのも大きなプラスじゃないかな。一番最近の更新では449kg。まだ成長するでしょう。馬格は問題なし。”
すでに一口いっていて、正直このラインナップであれば追加する可能性が高い。YGGの21年産駒募集では最も期待している馬。
2.クリストフォリ21 牡 1760万円の一口1万7600円 父サトノダイヤモンド
サトノダイヤモンドの牡馬。惹かれますね。キングスミールでも触れているようにディープ系×ストームキャット系の組み合わせになる。母の母からは、フレンチデピュティを連れてきていて、これもディープと相性のいい血統。ディープ×フレンチデピュティはマカヒキ、ショウナンパンドラ、メイショウテンゲンなど。系統だけでとらえるとかなり血の相性がいいのではないか。
産駒としても唯一、サンデーレーシングのダイヤモンドハンズの勝利があるが、それが期で最初の新馬戦ということで驚いた方も多数いると思う。クリストフォリとの共通点は母父の血脈からデピュティミニスターを持ってきているということくらいか。正直に言うと私程度のレベルではそれ以外に共通点は見つけられないというのが正しいかもしれない。
1600mで新馬勝ち、1800mで2着、地方でも新馬勝ちしてOP2着したり。長いところに強い父だったけど、予想に反してそれなりに短い距離でもやれてそう。本馬はダートの短いところ、1400や1700に強いけど1000でも1200でもやれるスピードを持っている馬だから長距離のレースの強さ…無駄な体力を消耗せず最短最小の動きでゴールまで向かう理想的なフォームに、短距離のスピードやダートの力強さを足していくというのは理にかなっていると思う。
馬体も写真で見る限りは胴が伸びてきているかなーという感じで、長い距離向きの馬体に?なりつつあるのかもって印象。現時点でちょっと小さめの体にちょっと軽めの体重だけど、管囲は20cmを超えているからどこかで一度大きく成長を迎えるのではないかと予想。その予想に付き合えるだけの余裕があることもYGGのいいところ。これからの成長次第という感じ。
管理するのはYGGのお得意様といってもいいだろう田島師。悪いようにはしないだろうし、柔軟にレースや馬のことを考えてくれそうだなという気はしている。芝向きの調教師かというと悩ましいところはあるが…。
3.アヴァマローネ21 牡 1980万円の一口1万9800円 父OmahaBeach
父OmahaBeach。当たるかい!という父馬当てクイズのやつ。父OmahaBeachはいわゆる「幻のダービー馬」。ダービーの前哨戦である不良馬場のアーカンソーダービーで1番人気を背負って1馬身差の勝利。しかし喉の故障でケンタッキーダービーの出走を回避し、幻の…といわれるように(取り消す前まで1番人気だった)。
その後復帰戦のG1を制し、臨んだBCダートマイルでは1番人気を背負って2着。引退レースとなった次のマリブSでは、向こう正面で進出を開始してまったく鞭を使わず馬なりで1.4倍の断然人気にこたえる圧巻の勝利。とはいえ、12月末の3歳限定のG1,5頭立てということを考えればあまり強調できるものではないかと思う。
レースぶりはアメリカのダート馬らしく、ハイペースで進めていって向こう正面から相手を競り落としていくスタイル。勝ったマリブSもアーカンソーダービーもマリブSもそういうレース。アメリカ血統らしい、もまれずに進められればハイペースに強いっていう馬が生まれてきそう?
血統的には世界的名種牡馬のWarFront。これまた世界的名種牡馬のDanzigの系統。私個人的な判断基準だと、WarFront系は好きじゃない。まぁアメリカンペイトリオットは欲してるんですけどね。産駒で種牡馬として日本に関係ある馬はザファクター、アメリカンペイトリオット、デクレラレーションオブウォー、AirForceBlueなど。それなりに活躍馬を出しているのでチャンスはある。特にアメリカンペイトリオットは重賞馬を出しているし、ザファクターもラジオ日経賞2着を出していて、デクレラレーションオブウォーからは3歳ダートOP勝ち馬も。大活躍までいかずとも、日本の王道レース以外であれば活躍するだろうなという印象。母にSSを足せばダート中距離、それ以外ならダート短距離に出やすそうと予想。本馬は母父Curlin。2000m前後で活躍した馬なのでダート中距離にも?
牧浦師預託なのでつながりは強く、しっかり取り組んでくれそう。
4.サウンドアドバイス21 牝 990万円の一口1万9800円 父アメリカンペイトリオット
父OmahaBeachや父ザファクターがいるYGGに、新たにWarFront系が。アメリカンペイトリオット産駒。WarFront系は好きじゃないけどアメリカンペイトリオットは出資したい。特に理由はないけど。
気になるのはこの成績。重賞はスプリングSを勝ち。特別は早苗賞を勝ち。どちらも芝の1800m。父は芝重賞を2勝。まぁそりゃそうだよねという感じ。ところがどっこい、芝とダートの勝利数は同じも出走数はダートのほうが多い。素直に「なぜ?」という感じ。ダートに使われてたらめちゃくちゃいやな気持ちになるだろうな。ブリックスアンドモルタルも同じ不安はある。芝13勝ダート13勝だけどそのうち芝は1勝が重賞、1勝が特別で価値が違いますからね。
芝を使ってほしい。師は伊坂師なので、ラッキーミーティアのチャレンジを見るに先入観なしでやってくれそう。なので芝と感じたら芝、それでもダート向きならダートと、ハナから決めつけた運用はしなさそう。というかそれを願っているだけかもしれないが。
血統からみてもダート成分はそれなりにある(Tiznow,BT,Warfront)ものの、近い位置にアメリカンペイトリオットとアグネスタキオンがあるためにあまり心配はしていない。そしてYGGのツイートで小ぶりというのも気になる。
https://t.co/uWWIA65Aph
それは「アメリカ血統は馬格あるからとりあえずダートで走らせる」ということにつながらず、芝デビューを進めてくれる要因にもなり得る。
母はダート3勝。申し分ない。むむ、ここにもダート要素が。
様子見できるのがYGGのいいところなので、出資を前向きに考えつつ待つという感じかな。
5.クラリティーアイズ21 牡 990万円の一口1万9800円 父ミッキーアイル
ミッキーアイルについては下記のnoteで触れたことがあるのでここに譲る。
ミッキーアイルとその募集馬について(キャロット・広尾)|blaze|note
ミッキーアイル牡馬は雄大な馬格を使ってダートで勝ち上がることが勝ち星の8割ほどを占める。母父が欧州系だろうがSS系だろうが米国系だろうが走る。
地方で走ることについては問題ないと思う。サイズ次第だが…。
厩舎は今年のラッキー枠。ミーティア→ストーリーときて、3年連続の佐々木師預託。しっかり仕事をしてくる師だというのはわかってるし、おそらく繋がりはできているはず。期待していい馬だと思う。それはほかの保利師や真島師管理の馬にも言えることだろうな。ここからも道営→南関東→中央移籍が期待できる。サウンドアドバイスもラッキーミーティアのお礼というかそのつながりだろうから、また伊坂師行きってのもあり得る。なんにせよそれでミーティアくらいの成績と期待を抱かせるようなレースを見せられればという条件付きだが。ミッキーアイル×キングカメハメハはシャーレイポピー、アナゴサン、ショウリュウレーヴ。
blaze的気になる馬は上記の5頭。出資済みはブリックスアンドモルタル産駒で、出資を考えているのはサトノダイヤモンド、アメリカンペイトリオット、ミッキーアイル。
18産駒1頭、19産駒4頭、20産駒3頭、21産駒1頭(予定4頭)できている。
19産駒はドライスタウト・ロフティースマイルを出資して勝ち上がり率50%になったわけだが(中央移籍のラッキーミーティアを入れれば66%に)、YGG19産駒は勝ち上がり率40%くらい?それを選んで上回れているのは自分にとっていいことかなと。
これを書いている今日ザファクターとドレフォン産駒が勝ち上がり。これはキズナ産駒と違って出資を考えもしなかったから素直にすごいと思う。これを考えるとアドミラブル産駒とかアポロソニック産駒でも勝ち上がり決めてきそうだなと思わせるんだからすごい。
動画サービスもツイッターの運用も楽しいし、しっかり成績が上向いている(4歳世代と比べたら成績が格段に向上)。20産駒はかなりこれまでと違う色を出してきていて、21産駒はさらに輪をかけたような募集メンツになった。それが吉と出るか凶と出るかは未来人しか知らないが、今は乗ってもいいタイミングかなと思う。 以上。