本当は絶対に人に教えたくないオタクに優しいヤンキー、おむらいす食堂
VRChatで友人のBarに出入りをしたり
Clusterのイベントに顔を出したりしてしばらく経つ。
ある日友人のBarで、黄色い人が隣の隣に座っていた。
やたら黄色い、そして顔が可愛い。
ワンポイントの赤い前髪も可憐だ。
そしてずっとニコニコしている。
その人はしばらくして何か言って席を立っていった。
ボンヤリした記憶だが「私おなかすいたから落ちるねー」
とかそんな感じだったと思う。
それがおむらいす食堂のおむさんと自分との出会いだった。
この時はそこまでおむさんのことが気になっていなかった。
席が隣の隣だったので話もしなかったし。
その後、隣に座ったヘアピンまみれさんが勘自作ビブラスラップで
激バズし、ヘアピンまみれさんの動画を全部追っていくうちに
おむらいすまみれラジオにたどり着いた。
なんだこの女子二人がキャッキャしてる動画は!
おむさんの笑い方は独特だ。
「ンフフ」と「グフフ」のちょうど中間くらいの笑い方で
地声が落ち着いているのでとても耳に心地良くて落ち着く。
「アハハハ!」がデフォルトじゃないのがとても良い。
実家でこたつに入りながらみかんを食べながら見たお笑い芸人さんのギャグがちょっと面白くて思わず笑っちゃう時の笑い方ぐらいちょうどいい。
そこからおむさんの動画を追っかけ出したのだが、
おむさんは時期によって主軸になる活動内容が結構違う。
VTuberになりたての頃は料理動画や食事ASMR、最近はもっぱらVR関係だ。
おむさんの活動自体はもっと古く、9年前から創作活動をされていて、
VTuberになった事自体がかなり最近だ。
もともとTwitterアカウント@omu_uonomeで活動されていたので
遡るとおむさんの好きなものや、何をやってきたのかの片鱗を知ることができる。
写真をやっていたこと、クーロンズゲートや廃墟やネオンが好きなこと、
鉄コン筋クリートが好きなこと、ハムスターが好きなこと
ハムスターを撮ろうとしてあわててお気に入りのグラスを割っちゃったこと
遡っていくとVTuberデビューの時の情報も出てくる。
髪型がどちらが良いかでおさげが47%ショートが53%だったので
かなり僅差でショートに決まったことになる。
おさげのおむさんの世界線もあったということだ。
それはそれで見てみたいかもしれない。
おむさんも好きらしいマインドゲームという映像作品がある。
2004年の文化庁メディア芸術祭出展の際に自分は知った。
この作品、人のさまざまな運命は複雑に絡み合っていて
現実のこの一瞬はその可能性の結果の一つに過ぎない、
という作品だ。(俺はそう読み解いた)
今のショートカットのおむさんも、この時の投票に誰かが
なんかのきまぐれでおさげの方に少し多く票が入っていたら存在しなかった。
だから、今おむさんがこの姿で存在するのは奇跡でしかない。
おむさんが友人とドーナツを食べて6個一気食いしてその爆食が
面白いからVTuberデビューしなよーって友人が言ってくれなければ
俺がおむさんと出会うことはできなかった。
だから今、この瞬間、一瞬一瞬が全人類の
気の遠くなるような過去の積み重ねの相互関係による奇跡なのだ。
おむさんはよくInstagramに写真上げる事を勧めている。
写真はその時の記憶、一瞬一瞬を再生できる情報圧縮装置だ。
写真を見れば、その時の楽しい感情を巻き戻し再生できるからね。
さて、おむさんの大きな魅力の一つが遠慮しないことだ。
すぐ軽率に人を誘う(ように見える)
VRChatで何かの時に、おむさんが突然「プリクラ撮りに行こうぜ!」
とみんなを誘ってくれた。ぽこピーランドの豆下通りでみんなで
プリクラを撮った。なんかね、そのナチュラルに誘ってくれる所が
本当に嬉しかったんだよ俺は。光のモノ、陽キャ、てぇてぇ。
記事見出しの写真はその時のヤンキーおむさんである。
人を遠慮せず誘って、一緒に遊ぶ。
大事な事だけど、大人になるとコレがなかなかできない。
遠慮ってのは、言葉は綺麗だけど良い人のフリをしたい、
断られたら傷つく、結構ネガティブな感情が大きい。
そこを振り切って精いっぱいやってみる、この身体で、この脳みそで、
精いっぱいやってみる、世界には良い人も悪い人もごちゃまんとしてるけど
その中で生きたい、関わりたい、それを一言で表すと遠慮しない、になる。
好きな事やってるおむさんからは無限に湧き出すパワーを感じる。そう、インターネットスラムに燦燦と輝く太陽、それがおむさんなのである。
そうやって知ったおむさんだが、
おむさんとは、おむさん主催のらいす3Dフォトコンテストで面識ができた(VRなので会ってないけど)。おむさんは手芸もできるんだけど
エイプリルフール企画で手芸で作ったマスコットキャラ、らいすを
3Dになりましたーっていって公開した所反響があり、その後実際に3Dモデルにまでなって動画に登場するようになるんだけど、今回はそのエイプリルフールの時の型紙を公開してみんなで写真を撮ってコンテストにしようよというものだ。
3Dを写真にしてそれを3Dにしてそれをコンテストにして写真にしてそれを3D空間のコンテスト会場で発表するというもう何重にも現実とVRのメタな構造なんだけど、そこに最高にシビれたんだよね。
そういえば俺は老後の居場所や過ごし方をここの所ずっと考えていて、ジジイVTuberとしてデビューしたいとずっと画策してる。
歳取ったら現実でできる事が減ってくるからね。
デビューしたらまたよろしくね、おむさん。
VRの世界で食べ物でちょけてるおむさん、最高に可愛いよ。
さて、最後に勝手に告知だが
12/3、おむさんは”おむらいす食堂”としてコミティアに出展する。
今回はコックヤンキーというキャラクターのVR内でのかぶり物を手作りして販売するのだ。VRの小物をリアルに持ち出せるのがアツ過ぎるぜ!
これから少しずつ現実とVRが曖昧になってリアルにとってVRが当たり前に、
VRにとってリアルが当たり前になっていくのだろう。
俺たちは今、未来の入り口に立っていて、そして当事者なんだよね。