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模型用ニッパー使い比べ

ワタクシ工具とか道具を集めるのが好きなので、そんなにたくさん必要無いはずなのに何故か増えていくわけです。
てなわけで、いま持ってる道具について誰かの参考になるかもしれないしならないかもしれない使い勝手比較を。価格的には概ね中級以上の製品と思います。
なお、本稿では記述の短縮のため、「メーカー希望小売価格」を『正価』と記載します。

薄刃ニッパー(ゲートカット用)[タミヤ]

公式の製品紹介ページ:https://www.tamiya.com/japan/products/74035/index.html
購入:1700円(2012年、Amazonにて)
正価:2900円+税(2022時点)
実売:2100円程度(Amazon.co.jp価格)

タミヤ 薄刃ニッパー 表面
タミヤ 薄刃ニッパー 裏面

昔からあるタミヤの薄刃タイプ。台紙に1994の表記があるので30年近いロングセラー商品でしょうか。手持ちのでも10年モノですが、その間プラモ作ってない時期が結構長いので、まだ使えてます。僕が購入した当時の正価は2400円なので、物価上昇を感じますね。
ベーシックな両刃タイプなので、場面を選ばず使える万能タイプ。鋭之介 初代 日野さんが下記動画で使用しているのもコレだと思います。

最近カシメ部に油差したらサビっぽいものが浮いてきたのでやはり経年劣化は多少ありました。いまは使い潰す前提で3mmランナー軸とかやや太いブツのカットに使ったりしてます。

先細薄刃ニッパー(ゲートカット用)[タミヤ]

公式の製品紹介ページ:https://www.tamiya.com/japan/products/74123/index.html
購入:2500円(2021年、近所の模型店にて)
正価:2900円+税(2022時点)
実売:2200円程度(Amazon.co.jp価格)

タミヤ 先細薄刃ニッパー 表面
タミヤ 先細薄刃ニッパー 裏面


近所にガンダムベースサテライト名古屋(GBS名古屋)がオープンしたことでプラモ熱が再燃し、ニッパー新調するかーってなって去年買ったヤツです。
文字通り、タミヤ薄刃タイプで先端が細くなっているタイプ。より狭い部分に刃が届きやすいので、RGなどパーツが細かいキットを組む場合にはこっちの方がいいでしょうか。基本的な仕様は大きく変わらず、両刃で刃が長めになってる感じですね。切れ味も同等ですが、バネが気持ち弱め調整かも。
先の薄刃ニッパーと正価は同じなんですが、実売価格だとこっちの方が割引少ないことが多いですね(誤差レベル)。両方持ってる意味は一切無いので、好みで選択しましょう。

THE GUNDAM BASE プレミアムニッパー

公式の製品紹介ページ:https://www.gundam-base.net/products/details.php?detail=3210
購入:2200円(2021年、GBS名古屋にて)
正価:2000円+税(2022時点)
実売:正価のみ(ガンダムベース各店専売)

ガンダムベースプレミアムニッパー 表面
ガンダムベースプレミアムニッパー 裏面

ガンダムベース限定アイテムのプレミアムニッパーです。裏面にガンダムベースロゴの刻印があるファンアイテム。名古屋だと店舗在庫切れになってることもしばしば。
台紙に製造元としてメーカー表記があるので、製品実態としてはミネシマの「Premium薄刃ニッパー」のOEMモデルだと思います。そちらは正価2400円の実売1800円程度。
切れ味はタミヤの薄刃と比較して正価の差だけやや落ちるかな、といったところ。戻りバネが少し強めになっており、それに対して刃が開きすぎないように開き止めのピンが付いています。長時間の作業だと少し疲れやすいかも。切刃先形状はタミヤ先細に近いので、MGやRGにも好相性。
私物工具ではありますが、GBS名古屋で店頭ショーケース展示品の作成に使用(本稿作成時点で、複業の1つとして店舗スタッフしてます)。仕事の一部なので時間優先して基本一発切りで組むのですが、特に目立つ白化は起きないのでバランスは良。

アルティメットニッパー5.0[ゴッドハンド]

公式の製品紹介ページ:https://shop.godhandtool.com/shopdetail/000000001029
購入:6538円 ※メンテナンス油(単品価格1200円+税)セット (2022年、メーカー直営通販サイトにて)
正価:5100円+税(2022時点)
実売:正価以上多し。通販購入ならメーカー直販推奨では……?

アルティメットニッパー5.0 表面
アルティメットニッパー5.0 裏面

模型界隈でいいニッパーとして真っ先に名前が挙がってくる"究極"の一品。
購入動機としては、クイックパワーピンバイスが店頭や大手通販サイトで見つからなかったのでメーカー直販で購入しようと決めたとき、たまたま在庫アリになってたので手が滑って、買っちゃった(てへ)。
先に挙げたモノの倍くらいの価格帯の超高級グレード。価格差も納得の切れ味はさすがのひとこと。繊細な刃先を保護するために開き止めと握り止めの2つのストッパーが付いています。ニッパーキャップ付属なのも高級感の演出になりますね。バネの戻りはタミヤとミネシマの間くらいの感触。

最近流行の片刃タイプの先駆けともいうべき商品。裏面("究極"刻印側)からみて左が切刃、右がまな板(フラット)刃。

アルティメットニッパーの刃の当て方イメージ

上記写真のように、フラット刃をパーツ端面に当てて切り落とすイメージになります。まな板側が動いてしまうと性能が発揮しきれないので、親指と人差し指で上側グリップを挟んで固定、他3指で下側グリップだけ動かす持ち方がベターでしょうか? パーツを持つ左手の指をまな板側の背に当ててホールドしたりもします。

究極の切れ味を持つ本品ですが、皆さんご存じの通りその構造上避けて通れない苦手ケースがあります。

  • パーツ端面に無いゲート(パーツ中央にパーティングラインがあるなど)

  • 狭小箇所など、パーツ端面にまな板側を当てられないゲート

このあたりはまな板構造の性能を十全に発揮するため、刃の表面に段差を設ける必要に起因する性能と引換の弱点というところ。後処理不要なレベルの端面を得るためには、使い手が構造や形状を正しく理解する必要があるということで、上級者向けの高級機。刃付けが逆のLも欲しくなります(工具沼)。
非常に満足度の高い逸品ではありますが、有名で高評価だからといっていきなりこれを買うのはオススメ出来ないかなーと。

匠TOOLS 極薄刃ニッパー[グッドスマイルカンパニー]

公式の製品紹介ページ:https://www.goodsmile.info/ja/product/3340/
購入:2700円(2022年、Amazonにて)
正価:3000円+税(2022時点)
実売:2700円程度(Amazon.co.jp価格)

匠TOOLS 極薄刃ニッパー 表面
匠TOOLS 極薄刃ニッパー 裏面

マイスター関田さんオススメのニッパー(下記動画参照)。片刃タイプに区分されるニッパーです。これまでのニッパーと異なり、バネがプラ板なのが特徴ですね。

ちなみにコレも台紙に製造元の記載がありまして、製品仕様から推測するとスリーピークス技研の「模型プロ 片刃プラニッパMK-02」のOEM品ではないかと思われます。ちなみにスリーピークスのは正価4000円+税、Amazonで2400円程度。また、グッスマの方は強さの違うスペアバネが付属というか、スペアのオレンジ色が元製品のバネっぽいです。グッスマのは反発弱めがデフォルト。タミヤ薄刃と同じくらいです。

んで、コイツは裏面(型番刻印側)から見て右が切刃、左が受(フラット)刃になっています。つまりアルティメットと逆。そして他多くの片刃ニッパーと異なり表面がフラット、つまり両刃タイプと同じになっています。
刃付けの構造は左手用片刃ニッパー相当でありながら右で普通に扱えるという、一風変わった製品と言えるのではないでしょうか。

グッスマ極薄刃ニッパーの刃の当て方イメージ

というわけで片刃ニッパーの取扱いにならうとこんな感じ? アルティメットが切り下ろしなら切り上げ型ということに。持ち方としては小指側グリップを固定して親指で開閉コントロールか。とはいえそもそもの構造的にフラット側をガチッと固定出来るわけではないので、そこまで気にしなくてもいいかも。

また、コイツの構造上の弱点はバネ。プラだからヘタるとかそういう話ではなく、バネが邪魔で突っ張り棒式のニッパースタンドに引っ掛けて収納できないんですね。いや大したことじゃないんですが一応。

つい逆刃付けの片刃タイプという点に注目して最近買ったばかりなので、使用感評価はまた変わってくるかも。

まとめ

安ニッパーから卒業する最初の1本ということであれば、やはり入手性が最も高いと思われるタミヤの薄刃どちらかを選ぶのが間違いないかと。模型店ならどこでも常備クラスの定番品です。

個人的にはあと増えるとしたらアルティメットの左仕様くらいかなぁ。直販限定かつごく少数生産ということで入手出来る日が来るかどうか怪しいところですが。手に入ってもコレクション級になる気もしますが。

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