サイドノック式シャープペンシルを使わなくなった話
恐るべき筆致を見てしまった。
というわけで自分も昔この形式の筆記具を使っていたことを思い出した。思い出したとは言っても使い始めたのは中学だったか高校だったか定かではなく、いずれにせよ20年以上前の話である。ドクターグリップのような太軸のものも試しはしたがイマイチしっくりこなかったというくだりも、強く同意出来る。とはいえ先の文筆家ほど強烈な思い出があったわけではない。
当時型式を意識して購入したわけではないので朧気なのだが、Google画像検索を駆使して(便利な世の中だ…)記憶と一致した形状は「ぺんてる・Quicksharp」のもの。こちらもやはり廃番ではあるが、持ち替えずに芯を繰り出せたのが手に馴染んでいたので、買い換えもしながらそれなりに長く使っていた、と思う。
ただ、大学では使わなくなった。店頭で見掛けなくなったから、ではない。より手に馴染ませる必要のあるシャープペンシルが出てきたからだ。工学系の人であればこのnoteの見出し画像でおわかり頂けるであろう。
そう、"製図用のシャープペンシル"である。今では製図の講義もCADに移行してしまったと聞いているが、当時は大学の製図室にドラフターがずらりと並んでおり、大判のトレーシングペーパーと格闘しながら0.3、0.5、0.7の線を引き分けていたものである。
必然的にそちらの軸形状に手が慣れてしまったもので、普段のノート筆記に使うシャープペンシルも製図用モドキに揃えてしまい、そうしてサイドノック式とは別れを告げてしまった。いや実際に使わなくなったのは高校時代の終わり頃だったかもしれないが。記憶の時系列というヤツはアテにならないものである。
そんなわけで、自分にとっての忘れられない一本となると、これはもうサイドノック式…ではなく、ステッドラー製の製図用シャープペンシルである。軸の型番表示が擦り切れて全く見えなくなってしまうくらいに使ったものだ。
最近はメモを取るのは大抵ボールペンで、手書きで図面を引くこともほぼ無いから、製図セットのケースに仕舞ってあるだけなのだけれども。見出し画像撮るためだけに引っ張り出して、少し懐かしくなった。
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