好悪の円環

好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰なのかしら?
何かメロディー的なモノが思い浮かんだ方は多分同年代。僕はラジオしか触れてませんが。突きとか気合とか出てきた人はだいぶ重篤。それはさておき。

物事の好き嫌いって、一般的なイメージとしては下の図みたいなになると思うわけですね。分布の幅は特に理由ありません。作りが雑なのは許して。

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ただまあ、Twitterとか見てると、あるコンテンツに対して熱狂的なファンだった人が何かの拍子に壮絶な非難を展開するようになっていたり、逆に痛烈な批判をしていた筈の対象を礼賛するようになっていたり、左右に大きく振れるような事象というのを時々見かける事があります。

正反対に振れるとかものすごいエネルギーだなとか思っていたんですが、実態としては次のような形の方が合っているのかな、と考えたわけです。

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先ほどの横棒を、円状に曲げてみた。グラフではなくイメージ図なので軸の位置関係には目を瞑ってください。縦方向が対象への興味関心、横方向が対象への好き嫌いの度合いを示す二軸表現。

この図のポイントは、極端なファン層は実のところ隣り合わせなのではないかという仮説にあります。どちらにしても対象への興味関心が高いという点は共通しており、一方で好悪の原点に対して距離が非常に近い。そのため、ちょっとしたきっかけ、少ないエネルギーで隣に移ってしまうことがある、と考えられます。

この盲信-アンチセクションに入ってしまった人々は、"コンテンツそのもの"ではなく、"コンテンツに入れ込んでいる自分自身"に感情のウェイトが移ってしまっているように見えます。もはや自分のことしか見えていないので、どのような施策が打たれても納得しない。内容ではなくイデオロギーに支配されていると言ってもいいかもしれません。

また、人というのは同質の仲間を求めていくので、特にSNSではどんどん先鋭化していく傾向も出やすくなります。(エコーチェンバー現象)

視点を増やすことはなかなか難しいですが、視野狭窄に陥らないように、全体の中での位置付けを俯瞰できる冷静さが、今の時代は特に大切だと感じています。円環の理に導かれぬように。

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