出光佐三、美の交感@出光美術館
母がまだ施設で、夜も居ないので、気持ちに余裕がある土曜日。
行きたかった出光美術館に行くことにした。
出光佐三、美の交感
休館前にとにかく収蔵品を見ておきたい。
次の企画展も行くつもり。
今回、出光佐三が支援した2人、
板谷波山(いたやはざん)
小杉放菴(こすぎほうあん)
の作品と、ルオーとサム・フランシスの作品を見ることができる。
出光佐三が支援した、板谷波山と小杉法菴の作品が同時にたくさん展示されるのは珍しく16年ぶりとか。
板谷波山
どの作品も素晴らしくて、何往復もして見てしまった。
うまく表現できないのだけれど、とても上品。
そして、もの静かな作品。
躍動感!みたいなものはなく、佇まいが静かだなと思うものが多かった。
だから見ていて疲れない。
本人は作品に関して非常に厳しく納得いかないものは割ってしまう。
出光佐三が、頼み込んで破るのを免れたものに、“命乞い“と命名された茶碗などがあったが、そういう作品の箱書きには名前を書かないという徹底ぶり。
人間国宝の打診もあったが、辞退している。(河井寛次郎や北大路魯山人も辞退している。)
この記念館(茨城県にある)にも足を運んでみたい。
板谷波山の作品
美術館は撮影禁止だったので、
こちらのサイトの画像をご参考に。
こちらのサイトにも画像がある。
たまねぎの形の花器や、月桂樹と撫子の壺など、本当にどの作品も見事で何時間でもいられそうだった。
葆光彩磁の技法の作品は、雰囲気が柔らかくて主張が穏やかなので見ていて落ち着く。
板谷波山の白磁も素晴らしかった。
白にも青みを帯びた氷華磁や淡い黄色味を帯びた淡黄白磁などいくつか種類があり、(といっても微妙な違い。基本は白磁)どの作品も美しい佇まい。
友達と『どの白磁が好きだった?』
と話すくらい、白磁の作品も印象深かった。
写真が撮れなかったから伝わりにくいと思うのだが、7月7日まで開催中なので見てもらえたらなぁと思う。
出光美術館はこぢんまりとしてワンフロアだし人もぎゅうぎゅうにならないので、作品をじっくり見られるのも好き。
小杉放菴
こちらは、日光に美術館がある。
今までも見たことはあったと思うが、今回のようにこの人だけ集中して見るのは初めて。
画像がないから難しいのだが、
この人の作品もまた良かった。
洋画部に所属とあるが、日本画も描いている。
この方の描く女性は、絶世の美女という雰囲気ではないけれど、親しみやすいあたたかさがあると感じた。
ちなみに、このうづめの命は、ブギの女王・笠置しづ子がモデルらしい。
尾長鶏や銀鶏、郭公、珠鶏(ほろほろちょう)などと、木のモチーフの絵も良かった。
木と鳥の配置や色使いが好きだった。
梅花小禽図は、奈良の月ヶ瀬の梅を見て、それがもとになっているらしい。梅と鳥がゆったりと描かれていてこちらもずっと見ていられる。
この作品の隣に滋賀県のお寺の襖絵のために描かれたと思われる、やはり梅と鳥の絵があったが、こちらは梅の木にサルノコシカケがついていたり、梅の木もまた少し違う雰囲気で描かれていて良かった。
友達は梅花小禽図の方が好きだと言っていて、私は最初そう思ったが、もう一つの方もやはり良くて決めかねてしまった。
友達が後から来たので、別々に見たのだが、じっくり見過ぎて友達より30分も時間がかかってしまった。
立ち去り難かった。
出光美術館の展示はいつもいい。
蒔絵の企画展も素晴らしかったが、パンフレットが探せなかった。
購入したもの
美術館のショップはこじんまりしている。
友達に出す絵葉書と、
父の部下の爽やかシニアさんがルオーがお好きなので、ルオーのクリアファイルと絵葉書を購入。
軽いので手紙を書いて郵送するつもり。
目が良くないからあまり美術館には行かないとのことでほんの気持ち。
今年の12月まで、あと2回ある企画展。
見逃さないようにしたい。
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