何の変哲もない一日、それがいい
紫陽花
6月もそろそろ終わり。
6月の花の主役は紫陽花という気がする。
梅雨入りが遅いのかあまり雨を満喫していない。
花の主役、来月は誰にバトンタッチされるのだろう花。
百合、ハス、睡蓮、ダリアなどなど。
私の好きな北の大地は、短い夏の間にたくさん花が咲き乱れる。
北海道にいた頃、菜の花が6月に咲いていて、不思議な感じがした。
行きたいな。
なんのはなしです花?
何の変哲もない一日、それがいい
変わったことが起きず、
大切なものがそこに存在して、
ただただ生きている。
投げやりな意味ではなく、多くを望まず、持っていること、あることに目を向けて、心を穏やかに保ち淡々と過ごす。
朝陽と共に目覚め、
月や星が出てきたら眠る。
普通の暮らし。
これが、本当にありがたいことなのだと思う。
普通、には大事な人たちと朗らかに過ごす時間も含まれる。
母
家族と過ごせることも幸せな時間。
だけど、母と会話がうまくできないことが寂しい。
noteでクリエイターさんとお母様のやりとりを目にすると、やっぱりいいなと思う。とても羨ましい。
母と会話がなかなかできなくても、
母を思いやること、
顔をよく見ること、
何をしたら喜んでくれるのか想像すること、
他にできることはあるはず。
母の頭の中には、どんなものが浮かんでいるんだろう。
知りたい。
この間は病室で、眉を顰めて内緒話をするように、私に訴える。
『あそこにピストルを持っている人がいるのよ。注意しないと。』
『私に何かを飲ませて、長くしようとしている。』
(入院を長くということだろうか?)
『そこに人がいる』
他にも何かを喋っているのだが、よく分からないことも多い。
文字通り、
なんのはなしですか?
と聞きたい。
昨日は弟が戻ったので、2人で病院に行った。
主治医から、間食の許可を得ているので、果物、ヤクルトと+アルファを持参している。
+アルファは、ゼリーや水羊羹。最近はカステラ、ビスケットなど。
果物は佐藤錦(種を取っておく)、りんご煮が定番で、昨日はピオーネを皮を剥いてプラスした。
食べさせていると、主治医の先生が痛み止めのことでやってきた。
母がカステラに手を伸ばしたのを見て、『お、自分で食べてますね』だが何だかおっしゃったら、
母が2つ目のカステラをしまおうとした。
(先日は福砂屋、今回は文明堂の小さな2つ入りのを持参)
弟がそれを助ける。
弟よ、分かってないなぁ。
2つ目も絶対食べるのに。
先生が立ち去ってから、またカステラに手を伸ばす母。
ほらね。
先生に食べているところを見られるのが嫌だったみたいなのだ。
そんなことを気にする必要、この期に及んでないのに。
なんのはなしですカ(ステラ)?
母と会話が成立しにくいのが寂しいという話だったはず。
他にも、
母の話は突拍子もない。
なんのはなしですか?
と聞き返したいことが山とある。
聞き取りにくいから、何を言っているか分からないこともある。
パーキンソン病による認知機能の衰えもあるし、幻視もある。
母にはいろんなものが見えてしまう。
そんな母が昨日は私にキリッとした顔で言った。
『家に帰るのよ、私』
ケアマネさんが退院の打ち合わせで病院にいらした時も、
『自由になりたいの』と言ったらしい。
骨折などしなければ、家に居たし、
点滴もなかった。
ごめんなさい、お母様。
とにかく。
何の変哲もない一日が、無事に終わるだけで幸せなんだなと思う。
幸せのハードルは低くすると、
今この瞬間から幸せになれる。
今日も何の変哲もない1日が過ごせますように。
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