捻くれた負けず嫌い
若干21歳にして、自分の人生の第1フェーズなるものが終わろうとしている。
人生の第1フェーズは、とても過酷で、人に傷をつけられた分何倍も、つけかえすそんなフェーズ。
目立つことが大好きで、ピンクが大好きだった小学生の頃。自分が世界の中心と過信していた時期。ドッチボールで無双した。みんなから恐れられたけど、自分が一番偉いと錯覚して、威張った。中学生になり、バスケットボール部に入った。理由は今も大尊敬する俳優さんと同じ部活に入りたかったのと、小学校の頃の担任に「バスケめっちゃうまいね」って言われたから。ただそれだけ。私たちの代はたったの3人。必然的にというか半ば強制的に副キャプテンになった。本気で向き合えなかった。自主練なんてしなかった。だから下手なまんまだった。後輩に抜かされていった。舐められた。自分が世界の中心じゃないことを知った。主人公になれないことを知った。朝8時から正午までの4時間の練習が、時が止まったかのように長い。鉛のように重く動かない時間。自分に負けないために部活は辞めなかった。声に出さないように意識したけど、ずっとずっと辞めたかった。
親友がいた。親友2人は頭が良かった。受験が本格的になって、2人とはあまり話せなかった。私は頭が良くなかった。平凡な高校に行くことを、先生にも口止めするくらいみんなに知られたくなかった。自信がどんどんなくなっていった。自信があるふりをした。
高校生になった。世界が広すぎることを知った。やはりここでも主人公にはなれないことを知った。髪を切った。それも男の子のように短く。かっこいいと言われた。少し自信がついた。自信がねじ曲がって、「個性的であればいいや」という思想に支配された。美大に行けば、みんなと同じじゃなくなると思った。美大を目指すが、やはり自信がなかった。絵は中の上。成績、中の上。美大は諦めて、総合大学に。
大学生になった。頑張ろうと意気込みすぎて空回り。凄く見られたい。空回り。先輩に歯向かって、干された。謝ったけど、許してもらえなかった。なんとか見返したい。その一心で色んな作品を生み出した。止まったら負けだと思った。コンテストに出した。落選した。自信がなくなった。ここでも自分は主人公になれない。でもここまで来たからには、止まることはできない。止まれないからやった。やり続けた。色んなことを、やり続けた。
私は気づいた。人から認められたい一心で、人生を歩んでいるということを。人からの評価で生きる人間が1番嫌いなのに、自分の生きる意味が人からの評価だった。自分の生きる意味は自分で決めたい、本当の意味でだ。
あと1年、死ぬ気で喰らいつく。