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がんを経て向き合うラグビーへの想い ~SH 山本 昌太~ supported by N-NOSE®

2023-24シーズンにNO.8 松橋周平選手とともに共同副将を務めたSH山本昌太選手。実は5年前に初期の精巣がんが見つかり、自分の身体と向き合いながらラグビーに取り組んできました。
今回はがんのリスク早期発見サービス「線虫N-NOSE」を提供する株式会社HIROTSUバイオサイエンスにご協力いただき、山本選手にシーズンの振り返りやご自身の経験をうかがいました。

―まずは今シーズンお疲れ様でした。リーグ戦を振り返っての感想を教えて下さい。

山本昌太選手(以下、山本):チーム成績、順位のところで言うと、10位ということで、ヘッドコーチ、GM、キャプテンのコメントも出ていると思いますが、不甲斐ない結果で、全然満足いく結果ではなかったです。また、入替戦に進み、負ければ降格というような戦いをして、結果としては残留できて安心した面もありますが、本当にここから何かを学び取らないと次に繋がらないし、「今シーズン悔しかった」とかでは自分たちにとって全然意味のないシーズンになってしまうと思っています。

リーグワン2023-24 第10節 静岡ブルーレヴズ戦(2024年3月16日)

―チームとして今年一年、何がこの結果に繋がってしまったと感じていますか?
 
山本:チームとして一人一人が考えてプレーができなかったことが結果に対する原因と感じています。チームとしては、もちろんコーチがいて、チームの目指すラグビーがあって、 細かいところで言うと、こういうアタック、ディフェンスしよう、と毎試合臨んでいます。でも、試合は相手がいることなので、準備してきたことが通用しなかったとき、誰も次のことを考えてプレーしたり立て直すことができなかった。選手全員一生懸命プレーして、ハードワークをしているのですが、考えてプレーする力がまだまだ足りないと感じています。

―ありがとうございます。山本選手は今年で34歳と年齢的にはチーム内でもベテランになります。チームや若手への声掛けはどのようにされていますか?

山本:基本的に、フィールドでは年齢は関係ないとは思っています。ただ、長くやっている分、チームに対して気付きはあるので、伝えるようにしています。あとは若い選手が多いチームなので、勝っているときや勢いに乗っているときはいいですが、結果が出ないとき、うまくいかなかったときに、立て直す力が必要になります。その点で言いたくないことや厳しいことを言わないといけない、そこは自分の使命かなと思っています。
 
―山本選手個人としてはどんなシーズンでしたか?

山本:個人としては、すごい怪我に悩まされる1年でした。 プレシーズン、シーズン中にも怪我があり、なかなか満足のいくシーズン送れず、個人としてもすごく悔しい1年でした。次に向けて意識をしっかり持っていこうという気持ちでオフシーズンを過ごしています。
 
―怪我等も含めて、オフシーズンはどういうポイントで練習していますか?
 
山本:自分のプレースタイルなどを考えると、今から体重を増やして、というのはないので、コーチの若井さんと話をしながら、柔軟性や体の使い方をメインにアプローチしています。
今日もインタビュー前に練習してきました。
食事についても考えるようにしています。特に30代になってから、筋肉系の怪我が増えてきたこともあって、栄養士と相談して気を付けるようになりました。

リーグワン2023-24 第2節 三菱重工相模原ダイナボアーズ戦(2023年12月16日)

―ありがとうございます。身体のケアやアプローチについても考えられて取り組んでおられると思いますが、きっかけはあったのでしょうか?

山本:一番大きな出来事は5年前にがんであることが分かったことです。当時結婚して3、4年経つタイミングで子供がいなかったので、妻と話をして子供欲しいね、という話になった時に、お互いに身体を調べてから、次に進もうとなりました。そこでクリニックで異常がないか調べてもらったのですが、ある数値が年齢とは合っていない部分があり、検査を進めていくと腫瘍が見つかりました。検査結果から精巣がんの初期段階であることが分かったんです。
 
―その時のお気持ちについて伺ってもいいですか?
 
山本:正直頭が真っ白というか、まさか自分がこの年齢でがんになるとも思っていませんでしたし、この時点では身体に痛みなどの症状もありませんでしたが、何も考えられない状態でした。それこそ余命やラグビーができなくなるのではないか、という悪いことを考えてしまうこともあり、精神的にかなりきつい時期でした。ただ、妻をはじめ周囲の方々が、色んな声をかけてくれたり、病院も探して紹介してくれたり、本当に周りのおかげで向き合うことができたと思いますし、感謝の気持ちも大きかったです。
まだ初期段階だったこともあり、手術で腫瘍を摘出して、リハビリを経て、普通の生活に戻ることができました。ラグビーもシーズンオフだったので、リーグ戦に影響することなく復帰できてよかったです。もう少し遅かったら、と考えると本当にぞっとします…。
私は妻の提案もあって、運よく早期発見できたことで、重症化せずに済みました。そういう意味でもN-NOSEのような手軽に検査できるものを定期的に使って調べることがすごく重要だと思います。
 

▼N-NOSEについて
自宅で少量の尿を採取し、提出するだけで、がんのリスクを調べることができる検査です。 嗅覚に優れた生物 ” 線虫 ” が人の尿中に含まれるがん特有の匂いを検知することを利用することで、簡便・安価・高精度・全身網羅的に早期がんリスクを調べることが可能です。

また、がんに対する知識や、発覚した後の対応もすごく不安でした。当時精巣がんと言われても知識もなく、診断されてからの対応も何をすればいいのかわからない状況でした。幸いにも周囲に親身になってくれる方々がいたことで、対応していけましたが、診断後のケアやがんに対する知識も事前に知っているかは非常に重要だと感じています。
 
▼N-NOSEの安心アフターサービスとは?
N-NOSEでリスク高判定(D、E判定)が出た方にご安心いただくため、看護師を始めとする専門スタッフが次のステップに向けてご案内するサービス。N-NOSE検査結果の解説やがん検診に関する情報提供、がん検診の予約代行やがん検診後のフォローアップなど、がんの早期発見につながる一連のプロセスをサポートいたします。
 

―ありがとうございます。このような経験を経て、その後の生活やラグビーに向き合う部分での変化はありましたか?
 
山本:診断を受ける前と後では大きく変わったと思います。あの時頭をよぎったのは、ラグビーが今後できないのではないか、ということでした。すごく心残りがあることに気づいて、今終わると自分は大きな後悔をすると感じました。だからこそこの件からは、一日一日を大切に、後悔のないように過ごしています。試合に出る時も、トレーニングの時も、これが最後の試合、練習になっても後悔のないプレーをすると誓って取り組んでいます。また、当時の周りの方の表情を今でも覚えているのですが、がんであることが分かったとき、すごく悲しい顔をしていて、もうそういう想いはしてもらいたくないし、改めてラグビー選手として、プロとして契約してもらっていることへの責任とか、自分のことだけではないということを感じることができたのは大きかったです。自分からラグビーがなくなると何が残るのか、ということも含めて、今思うといい経験になったと思います。それも早く見つかったことが大きかったですね。
 
―ありがとうございます。このオフシーズンを経て、年末には次のシーズンが始まります。次シーズンに向けての意気込みをお願いします。

山本:まずは先ほどの話の通り、健康な身体が一番大切なので、食事やメンテナンスをきちんとしていくことを考えたいです。プロの選手として、グランドに立っている時間以外の部分をどのように使うかが重要だと思うので、チームの活動再開に向けて準備をしていきたいと思います。その上で、今年のような結果にならないように、チーム一丸となって頑張っていきます。

取材者:ブラックラムズ東京 
取材協力:株式会社HIROTSUバイオサイエンス
2023-24シーズンからブラックラムズ東京のオフィシャルパートナーとして契約締結。サービスサイトはこちら


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