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糖尿病との戦いを乗り越えて ~HO 大西将史~ supported by N-NOSE®

2024-25シーズンで8シーズン目を迎え、ベテランとして「教える立場になってきた」と語るHO大西将史選手。昨シーズンは開幕前に糖尿病を発症し、苦しい時期を乗り越えてプレーを続けています。
がんを経て向き合うラグビーへの想い ~SH 山本 昌太~」に続き、がんのリスク早期発見サービス「線虫N-NOSE」を提供する株式会社HIROTSUバイオサイエンスにご協力いただき、大西選手にシーズンの振り返りやご自身の経験をうかがいました。

― まずは今シーズンお疲れ様でした。リーグ戦を振り返っての感想を教えて下さい。

大西将史選手(以下、大西):自分たちのやりたいこと、やるべきことができてる試合っていうのは、あまりなかったシーズンだったなと… あと一歩っていうところまではいけても、勝ち切れない。その点は新シーズンに修正していかないといけないと思います。でもあと一歩のところでベスト4以上のチームにも勝てそうな試合もありましたし、自分たちのやってきたことを信じてやれば、おのずと結果はついてくるのかなと思えるシーズンではありました。

復帰戦となったリーグワン2023-24 第11節 東芝ブレイブルーパス東京戦(2024年3月24日)

― 2023-24シーズンでチームとして戦う上でのテーマは何だったのでしょうか?
 
大西:殻を破る、「BREAKTHROUGH(ブレイクスルー)」というのをチームとして掲げてやっていて、今いるメンバーでベスト4を経験しているメンバーはいないんですよね。ここの壁をぶち破っていこうということで「BREAKTHROUGH」をテーマに戦っていました。
けど実際にはなかなかテーマを達成することはできずに終わってしまったので、次こそはベスト4を目指して頑張っていきたいと思います。

― ありがとうございます。大西選手自身、23-24シーズンはどういったシーズンでしたか?

大西:そうですね。シーズンが始まる前に僕自身病気をしてしまって、今までにない僕の人生の中でも大きな3ヶ月を過ごして復帰したのが、ひとつ昨シーズンのポイントかなと思います。復帰してからはいいシーズンを過ごせたかなと自分の中で思っていますが、病気をしてもチームに何か貢献できないかっていう考えることができたいい機会でした。ポジションで言うフロントロー(プロップ・フッカーのスクラム1列目)ですけど、専門的なスクラム、相手チームの分析をして、チームに伝えることはできたと思います。
そういう意味では、チームに少しは貢献できたかなと思います。
 
― 今のお話の通り、チームにいろんなアプローチで貢献されてきたかなと思います。年齢も30歳近くなってくるというところで、チームに対してのアプローチとか考え方は、変化などありますか?

大西:そうですね。「教えられる立場」から、大きく言えば「教える立場」になってきてるのかなと思います。そこが一番大きな違いかなと。それなりに経験値は積んできましたし、フロントローは専門的なポジションですから、これまで多くのスクラムを組んできている中で、伝えられることはあると感じています。若手が多い中で自分の経験を上手く伝えられたらなと思っています。
 
― ありがとうございます。ここからは昨シーズン苦しんだ病気の部分をお聞きしたいのですが…?
 
大西:はい、全然大丈夫です!笑
昨年の11月頃に、試合で脳震盪になりました。自分自身は大したことはないと感じていたのですが、そこから1ヵ月、2か月となぜか調子が上がらず、体重も10キロぐらい減ってきている状態でした。何かおかしいということでチームメディカルに病院連れて行ってもらったのですが、そこで糖尿病であることがわかりました。

リーグワン2023-24 第16節 トヨタヴェルブリッツ戦(2024年5月5日)

― なるほど。ご自身としても苦しい時期だったと思いますが、どのように向き合っていかれたのでしょうか?

大西:正直最初はかなり戸惑いました。試行錯誤して、病院の先生とも相談をしながら、自分に合ったものを徐々に取り入れながら、長い期間をかけて、ゲームができる状態まで持っていったっていう感じですね。糖尿病の中でも1型糖尿病というものでしたが、発症の原因がわかっていないらしくて…。しかも僕みたいな28歳、29歳の年齢で発症することが珍しいことみたいです。その時の心境としては、最初にもう長く生きられないのかなと思って…。この病気に対しても知識がなかったですし、何の情報もなかったので、宣告を受けて、最初はもう僕の人生は終わったのかなっていうのは思いましたね。
 
― ありがとうございます。その時の周囲の反応などはいかがでしたか?
 
大西:一番最初に妻に連絡をしましたが、妻もびっくりしていて、なんて言葉をかけていいかわからない状態でしたね。妻も1型糖尿病に対する知識もないですし、今後どうなっていくのかなっていうのが多分頭に浮かんだんじゃないかなと思いますね。
 
― 復帰に向けては気持ちの面のコントロールも難しかったと思いますが、どのように取り組まれたのでしょうか?

とにかく全部しんどかったですが、チームであったり家族であったり、いろんな方からメッセージをもらったりして。ちょっとずつですけど前向きな気持ちになれたかなとは思いますね。
その上で、ラグビーができていて当たり前、という感覚からプレーができることや学ぶことも当たり前じゃないんだなっていう感覚は強く持ちました。1日1日を大切にしてやらないといけないなという気持ちになりましたね。これまでは、なんとなく過ごしていたこともありましたが、その日のやることを明確にして、ラグビーに取り組めるようになりましたね。

― ありがとうございます。大きな経験をされた中で、病気に対する考え方、健診や知識の重要性についてはどういうふうに感じていますか?

大西:今回の経験を経て、自分の身体と向き合うことの重要性を学びました。今までは多少痛いところがあっても我慢してプレーしていましたが、自分の体調や状態をしっかり把握して、何かあれば勇気をもって申告することはすごく大切だと思います。今回も少し遅かったらどうなっていたかわからないと先生からは言われたので、自分の状態を知る、ということは大切だと思います。

以前チームのスポンサーである、N-NOSEさんからがんのことや検診を定期的に受けて、日頃から自分の健康を意識することの重要性についてお話いただきましたが、すごく納得できることも多かったですし、糖尿病だけでなく、その他の病気も自分の中でチェックしていこうという意識になりました。


▼N-NOSEについて
自宅で少量の尿を採取し、提出するだけで、がんのリスクを調べることができる検査です。 嗅覚に優れた生物 ” 線虫 ” が人の尿中に含まれるがん特有の匂いを検知することを利用することで、簡便・安価・高精度・全身網羅的に早期がんリスクを調べることが可能です。


― 山本選手の件や今回の大西選手の件も含めて、チームの健康に対する意識はどうですか?
 
大西:健康に対してはまだまだ意識は低いのかなと思います。若い選手も多いので、病院には行かないっていう考えを持っている人が大勢いると思います。ラグビーに必要な面での健康に対する意識は高くなっていると感じます。ただ、病気に対するケアや健康について意識して生活をしてるか、と考えたときには、まだまだそういう人は少ないかなというふうには思います。
 
― ありがとうございます。昨シーズンは色々な経験、転換期だったと思います。最後に来年に向けた意気込みをお願いします!

大西:今年は本当に悔しい結果で、入替戦っていう形になってしまったんですが、来シーズンこそは自分たちの目標にしているトップ4に入れるように、プレシーズンからいいトレーニングをして、自分たちのやってきたことを信じて、1試合ずつ勝ちを重ねてトップ4に入れるように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。応援のほどよろしくお願いします!

取材者:ブラックラムズ東京 
取材協力:株式会社HIROTSUバイオサイエンス
2023-24シーズンからブラックラムズ東京のオフィシャルパートナーとして契約締結。サービスサイトはこちら


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