ニコメド制作において覚えた方が良いワード5選
まず「覚えておいた方が良い」とは、
・検索したり人に訊いたりできるようになる
・名詞がつくことで頭の中で理解しやすくなる
といった利点を指しています。
また、当記事は有用な使用方法の伝授ではなく各ワードの概念の解説になります。使用法等を知りたい場合は各々のワードを駆使して検索や質問してみると良いでしょう。
・BPM(テンポ)
簡単に説明すると、曲の速さ。
制作者の立場で言えば、音を順番に鳴らす速度です。
変化が大きいほど違和感やギャップが大きくなります。
詳しく説明すると、一定のリズムの音(拍)の長さを「テンポ」と言います。
1分間を等分したテンポの数を「BPM」と言います。
BPMの数値が高いほどテンポは短くなり、曲の速度が上がります。
一般的には、BPMとテンポはほぼ同義で用いられます。
ニコメドでは、90BPMを180BPMとして捉えたり、230BPMを115BPMとして捉えることもできます。
テクニック:楽曲はBPMに合わせてリズムが作られているので近いBPM同士の方が繋ぎやすい。
・キー(Key、調、スケール)
簡単に説明すると、使用する音のデッキ(組み合わせ)です。
「キーを合わせる」とは、それぞれの楽曲の高さ(ピッチ)を変えて全くの同じデッキに揃えるという作業を指します。
詳しく説明すると、1オクターブ内で使用する音の組み合わせ(音階)が「スケール」
その一般的な組み合わせが「Cメジャーダイアトニックスケール(鍵盤の白い部分と同じ並び)」
Cメジャーダイアトニックスケールの"C"は、所謂「ド」の音を指し、Cを基準とするという意味で「C(M)キー」と呼びます。
「ドレミファソラシ」は、メジャースケールの構成音に対してベース音(基準となる音)から順番に振られたナンバリング。人や場面によって解釈が変わる場合があるので注意が必要。
「ABCDEF」は、絶対値となる鍵盤(白鍵)の並びに対してCキーおける「ラ」から順番に振られたナンバリング。日本の楽譜では「イロハニホヘト」が用いられていました。
「1234567」は、ドレミ〜の並びを認識のズレ無く共有するために用いられるナンバリング。特にコード等の構造が複雑なモノに用いられがちです。
つまりキーとは、鍵盤のどの音を基準としているかを指します。キーを合わせるというのは、基準を合わせて曲同士を同じ条件にするということです。
テクニック:次の曲に悩んだ時はメドレーのピッチを変えて聴いてみると違った視点が見えてくる。
・シンコペーション
簡単に説明すると、小節を跨いで鳴っている音です。(この説明だと語弊が生じる可能性があるため、詳しい説明へ進むことを推奨します)
初心者が耳コピで最も躓きやすい要素のひとつです。
詳しく説明すると、1小節を拍子等分したモノが「拍」(4/4拍子なら4等分、3/4拍子なら3等分)
拍の始まりを1から数えた時、自然数となる位置が「表拍(強拍)」、n.5となる位置が「裏拍(弱拍)」
※4拍子の場合は、2拍1対の解釈で奇数拍を表拍、偶数拍を裏拍と捉える場合もあります。
裏拍にアクセントを置き表拍まで繋がったリズムや表拍に休符を置き裏拍から始まるリズムを「シンコペーション」と呼びます。
例を挙げるとアスノヨゾラ哨戒班のサビ全般(裏拍から始まるシンコペーション)やDon't say "lazy"のサビ全般(休符を挟んだシンコペーション)です。
音の始まりを小節の始まりと捉えてしまうとグリッド線からズレてしまい他の曲や音との整合が取れなくなってしまうため注意が必要です。
テクニック:シンコペーションの効果としてリズムの複雑さや疾走感が生まれるので、意識して流れに組み込むと単調さを回避でき、より高度なメドレーを作れます。
・弱起(アウフタクト)
簡単に説明すると、小節の前から始まるメロディの部分です。
アクセントにも装飾にもなるため、その曲たらしめる要素と言っても過言ではないフレーズとなります。
詳しく説明すると、小節の1拍目以前から始まる準備的なフレーズの部分を「弱起」と呼びます。
シンコペーションを除けば、主旋律や副旋律等のメロディーのみに存在する要素です。
楽曲のセクション(「Aメロ」「サビ」等の区間)の1小節目だけでなく、セクション中の小節を跨ぐような同様のフレーズに対しても名称が用いられます。
シンコペーションと同じく、音の始まりを小節の始まりと捉えてしまうとグリッド線からズレてしまい他の曲や音との整合が取れなくなってしまうため注意が必要です。
テクニック:弱起分は必ず音が空くので、同じ音数や拍数の弱起(同じ音程が1番好ましい)のフレーズへ繋ぐと滑らかになります。
・コード進行
簡単に説明すると、雰囲気や流れを作る伴奏です。
音楽において最も重要な要素です。
裏を返せば、コード進行を理解するだけで音楽の大半を理解できると思います。
詳しく説明すると、ユニゾン(違うオクターブの同じ音階の音)を除く2つ以上の異なる音程の組み合わせを「和音(コード)」
コードの動きや流れを「コード進行」と呼びます。
例外として、意図的に和音を作らない「ノンコード(N.C)」というモノもあり、展開の転換点や直後のアクセントのためとしてコード進行に取り入れられることもあります。
基本的に同時に音を鳴らすことでコードになりますが、ベースやアルペジオといった単音の動きによりコードと同等の効果をもたらすこともできます。
整合の取れた音階の組み合わせの「協和音」と、音同士がぶつかり濁った音の「不協和音」があります。
どちらも正解不正解といったことはありませんが、協和音の方が圧倒的に利便性が高いです。
余談ですが、メロディーやベースと協和音になるコードを当てていけば自然な流れのコード進行になるかもしれません。
キー(スケール)によって構成音が変わるので、原曲を耳コピしてメドレーに入れる際にキーを変える場合は音階のある全ての音をそのキーに合わせるようにしてください。
テクニック:前述の通り楽曲の雰囲気を担う要素であり同じコード進行の曲同士は相性が良いため、繋ぎに悩んだ時の候補にしてみると良い。
以上の5点はそれぞれ、メドレーの制作においても音楽の分析においても重要なポイントです。当記事の説明でよく理解できなかったとしても、ワードを知っているとこで他の人に質問をしたり、メドレー制作時に意識したりできるようになり安定したメドレー制作に繋がります。
また、自分がメドレー制作を始めた後で偶然SNSのTLで見かけて知った単語でもあります。偶然見かけるまで名称や存在を知りませんでした。メドレー作者による発言の場が分散し初心者の情報収集がしにくくなった現代、当記事がワードを知るきっかけになれたなら幸いです。
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