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文房具アーカイブ#40『セーラー万年筆 シャレーナ万年筆(初期型)』

これ以上に小さく細い万年筆を私は知らない

セーラー万年筆 シャレーナ万年筆


11-0318 クロム仕上げ

商品スペック(目視、インターネットの情報などから)

型番:
11-0805(金軸:ストライプ/小波)
11-0704(銀軸:ストライプ/小波)
11-0519(漆仕上げ/ラッカー仕上げ)
11-0318(クロム仕上げ)

ニブ:EF
ペン先:14金(リニューアル版は24金・18金もあり)
軸・キャップ:金仕上げ(0805)、銀仕上げ(0704)漆orラッカー仕上げ(0519)、クロム仕上げ(0318)
※仕上げによって価格変動あり
大先:樹脂
サイズ :最大径φ 6.6mm 全長 12.2mm 11g

定価:8,000円+税~3,000円+税
適合コンバーター:スリム用インク吸入器コンバーター(別売)
※(専用)スリムカートリッジインクもあり。
※メーカー在庫無くなり次第終了(2022年をもって生産終了)

1979年初期型発売~2005年リニューアル~2023年12月時点、廃盤

 万年筆評価の部屋 https://livedoor.blogimg.jp/pelikan_1931/imgs/f/3/f379f397.jpg のカタログ写真
 セーラー万年筆公式沿革 https://sailor.co.jp/book_2021-2022/html5.html#page=269

今回紹介するのはクロム仕上げの定価3,000円、初期型14金。
初期型の14金はちょっとレア。

『シャレーナ』とは

これほどまでに細いから、これほどまでに美しい

『シャレーナ』のキャッチコピー

 最大直径6.6mmという驚異の細さを誇る万年筆(ボールペンも存在する)。近い細さで言うと文房具アーカイブ#16「オート えんぴつ風ミニミニシャープ」(最大径5.6mm)ではあるが、シャープ機構部が入ればいいシャープペンシルとは違い、ニブを小さく作らなければならない上にインクカートリッジ(コンバーター)がある程度ないといけない万年筆でこの細さは異常。小さいボールペン、シャープペンシルを文房具メーカーがこぞって作っていた時代が確実にあったのだが、その時代の産物ではないかと思う。(はっきりとしたソースはないが……。)

上:セーラー万年筆『プロフィット レアロ 長刀研ぎ』
下:セーラー万年筆『シャレーナ万年筆』
ペン先。大人と子供ぐらいの差がある


思うにユーザーが小さいペンを求めていたというより、メーカーが技術力の限界を求めていたのではないだろうかと思う。なにせ、小さいペンは身軽に持つにはいいが使うにはいささか問題があることが多いから。明らかにユーザー目線ではなく道楽のような、冗談のような小ささなのである。

使ってみた感想

充填インクはエルバン「トラディショナルインク アイビーグリーン」

 入手した時点でカートリッジはなく、別売りでスリムコンバーターを購入した。手帳に使ったらかっこいいかなと思って一緒に持ち運んでいたが、とりあえずはインク漏れはなかった。ただしペン先からインクが出ているようで、キャップを開けるとインクがニブについていることがある。コンバーターが大きくないためインクも一度にたくさん入らないから大事になっていないだけかもしれない。コンバーターも吸い上げ方法が自分のような対して一気に手帳に書き込まない人は気にならないがたくさん書きたい人にはインク容量が不安になるかも。

吸入方法がプッシュや回転式ではなく上に引き上げるピストンのような特殊式。

 小さいペンは握りにくいが万年筆はキャップを尾軸につければ長くなる(ペン先から約133mm)+金属軸なので握りにくいまではいかなかった。携帯用として考えれば十分。ただしキャップはネジ式ではなく嵌合式(かんごうしき:カチッとはまるキャップ)なのでペン先の乾燥やキャップ外れによるインク漏れには注意されたし。

細い軸の空間をいっぱいいっぱい使うために挿し口より大きいコンバーター

 自分の持っているニブは初期型の14金なのだが書き味は滑らか。14金+ニブ自体が小さいためしなりは小さいものの、この素晴らしいクオリティで1980年代の時点で3,000円で売ってた事実が恐ろしく感じる。というかこの小指の爪よりも小さいニブを作ろうとすること自体がすごい。廃盤品を漁ろうという気には全然ならないがこういう技術力を感じる文房具にはとてもロマンを感じる性分なので嬉しくなってしまう。

気になったら使ってみてほしい

このペンはもうすでに廃盤しているので(リニューアル版も)、店頭で売っていることはほぼないとみていい。インターネットで誰かが売りに出していたらいいねくらいの気持ちで。大抵プレミア価格補正ついているのでお気をつけて。

また、運よく本体が買えてもコンバーターがついていないと使えないのでご注意を。
※コンバーターも2022年に生産終了のためネットショップなどで探すが吉。(定価:500円+税)
専用カートリッジもあるがコンバーターが生産終了しているためにこの先を考えるとコンバーターでの運用がいいと思います。

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