文房具アーカイブ#43『プラチナ万年筆 #3776 センチュリー 紫雲』
やうやう白くなりゆくペン先、すこしあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
プラチナ万年筆 #3776 センチュリー 紫雲
商品スペック(プラチナ万年筆公式プレスリリースより)
プラチナ万年筆のフラッグシップモデル万年筆「#3776」の限定軸。『富士旬景シリーズ』第四作目。1年前に紹介した『春暁』と違いEF(極細)が追加された。その代わりSF(細軟)とBB(極太)がなくなったけど。
『富士旬景(ふじしゅんけい)シリーズ』とは
1年前に書いた記事を見るとすぐわかる。
というか、この間に37件も記事を書いていたことのほうが驚いている。休み休みやったとはいえここまでよく書いたもんだ。
『紫雲』の魅力
個人的に『富士旬景シリーズ』の中では『六花』の次に好き。個人的に紫が割と好きなこともあるがアメジストのようなしっとりとした紫が好き。
特徴的な模様は
とのことで、宝石のようなカットではないためギラギラしすぎず、でも細かな光の反射が美しい。『春暁』はいぶし銀的な美しさだと表現したが、『紫雲』は純銀のような美しさ。神秘さすら感じられる
ツイステッドワンダーランドの課金石、魔法石みたいな色なので魔力のこもった万年筆のようでとてもいい。
使ってみた感想
今回入手したニブがEF(極細)なため、入れる色に少し困った。淡い色を入れたいが細い筆記線では識字性が低いためである。ミクサブルインク以外で持っているボトルインクが軒並みシマーインク(ラメまたは何かしらの粉入りインク。キラキラしているインクのこと)で、流石にラメがペン先で詰まることが分かり切っているため入れることができなかった。もういっそカートリッジでブルーブラックを入れようとも思ったが結局当時一緒に買ったセーラー万年筆『ゆらめくインク(凍空)』を入れた。結局は識字性よりも好きな色を入れて満足した方がいい。極光が売ってなかったからとか言わない。
プラチナ万年筆のニブは他の国内メーカーに比べて硬めに感じているが、細さもより感じられる。しなりはないが硬筆感はあるのでしっかり書いているなぁという感触。これはこれでいいものである。
『#3776』に限らずプラチナ万年筆の万年筆に搭載されている「スリップシール機構」もしっかりあるためペン先が乾きにくく万年筆を収集していると起こりがちな「インク入れてたけど他の万年筆使ってて忘れてた~!」という悲しい事故も起こりにくい。ここまでの限定軸を持ち合わせている時点で5本くらいは手元にあるため起こりがち。起こらないとは言ってない。使わないならインクを抜くのが一番いい。
気になったら使ってみてほしい。
残念ながらこのペンは2020年7月1日から世界限定3,776本(シリアルナンバー入)販売~現在は流通分のみという「限定品」ではある。シリアルナンバーはまぁ、いい数字だったらいいねくらいの気持ちで。
「紫雲」に合わせたいインク
セーラー万年筆『ゆらめくインク(凍空)』(ボトルインク)
『ゆらめくインク』の中でゆらぎ感もあってなおかつ見やすい色。中から緑も出てくるので不思議な色。
文房具との出会いは一期一会。気になったら買うんだ。
今回はここまで。
2024年もどうぞよろしくお願いします。
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