Rc(f)(c)/70
人が集まるとロクなことにならない。
2人が3人に増えて閉塞が解消されるように見えることもあるかもしれないが、
なんのなんの。
箱が嫌いだという人間はまずいない。
「みんな」で膜をかぶって同じ薄暗がりを歩けば、それだけで神に対抗できる気でいる。
疎鎖基を持たされないで融合反応だけを延々と繰り返す。
生まれて少しすると自分の棺おけを見つけてホクホク状態で群れの酩酊に至る。
小箱に意義を与えてもらって低張液に安住する。
空き箱に似せた心で中身を探し集めてその内臓の感触に歓喜を抱く。
魂の中に充填された肉が無くなれば骨という棺は肉が嬉々として背負ってきた棺おけに無理矢理入れられる。
美しき箱の一生は箱の中に。
箱を食らわない箱が乞う棺もいずれ箱に入れられて、絵画の中で魂は飼われる。
ああ早く文字を棄てなければ。
棄てないと私も箱に入れられてしまう。
私は箱ではないのに。
箱と見做されて愛されてしまう。
早く脱出しなければ。
私の真の箱には覗き穴が2つあるのよ、知らないでしょう。
私にはその一箱で十分なのよ。
箱が集まるとロクなことにならない。
2箱が3箱に増えて無秩序が解消されるように見えることもあるかもしれないが、
なんのなんの。
収納が嫌いだという箱はまずない。
「みんな」で蓋をかぶって同じ管理下に並べば、それだけで混沌に対抗できる気でいる。
散らかってることに変わりはないのに。
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