笑む盲へ

…僕を振り返る世界の両目。それらが今ここで僕の一生分を3秒で燃えてみせても、その輝きは月光に劣り、靄にさえ劣るよ。
…この世界は病気なんだ。真実が汚れたモノならば、僕はそれを隠すよ。その方が、君が病まずに済むんだ。
真実が浄化能力を備えているものなら、きっと、僕が隠すか隠さないかを迷っているうちに、僕は浄化されるんだ。
…この世界のことを愛してる。何にとりつかれたんだろう。僕は今までだって、この場所を愛していたのに。恐ろしくなるぐらい、愛していたのに。
見ていて下さい神よ。僕はかつての愛を以て、今この世界を破壊する。そんな僕をどうか、圧殺して下さい、もし僕を、その両目で愛でてくれるのならば。
僕の望みは、世界の永続だから。
…僕の罪業に、一閃の光を降らしめよ。お願い。僕を消して。