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サメの雑学集by雑学中毒研究所
「サメ映画」というジャンルが存在するぐらい、みんななぜか気になるサメ。そんなサメについての知られざる雑学を紹介します。
「冬眠」するサメがいる!?
サメといえば、海のハンターとして獲物を狙って泳ぎ回っているイメージがありますが、サメの中には冬眠をするサメがいます。それは、実際には冬眠ではないのですが、冬眠に近い代謝を極端に抑制する「休眠」と呼ばれる状態です。北極海の深海に生息するグリーンランドシャークは、-1.6℃という極寒の環境で、なんと400年以上も生きることができると言われています。これは脊椎動物の中でも最も長寿です。彼らはこの長寿の秘訣として、成長速度と代謝速度を極端に遅くすることで、エネルギー消費を抑えています。冬眠中は、心拍数が1分間に数回まで低下し、ほとんど動かない状態で過ごすことで、極寒の環境と餌の少ない時期を乗り越えているのです。グリーンランドシャーク以外にも、ウバザメも、冬眠するのではないかと考えられています。夏の間は、海面近くでプランクトンを食べて過ごしますが、冬になると深海へ移動し、そこで休眠状態に入ると推測されています。深海に生息するツノザメの仲間も、冬眠する可能性が指摘されています。彼らは、海底でじっとしていることが多く、代謝が非常に遅いことが知られています。サメの休眠は、哺乳類の冬眠とは異なり、体温を大きく下げることはありません。しかし、代謝を極端に抑制することで、エネルギー消費を最小限に抑え、過酷な環境を生き抜くための戦略として進化したと考えられています。
サメはクリーチャーみたいに胃を反転させて口から出すことができる!?
サメは、獲物を丸呑みする獰猛なハンターとして知られていますが、実は繊細な一面も持ち合わせています。それは、胃を反転させて口から出すことができるという、驚くべき能力です。まるでSF映画に出てくるクリーチャーのようですが、これは「胃反転」と呼ばれる行動で、消化できないものを吐き出すために行われます。サメは、骨や貝殻など、消化できないものを一緒に食べてしまうことがよくあります。このような異物が胃の中に残っていると、消化不良を起こしたり、栄養の吸収を妨げたりする可能性があります。そこでサメは、胃を反転させて異物を排出することで、胃の中を清潔に保ち、健康を維持しているのです。胃反転は、サメの胃の筋肉を収縮させることで行われます。胃は、まるで裏返った靴下のように口から飛び出し、異物を吐き出した後は、再び元の位置に戻ります。多くのサメが胃反転を行うことができますが、特にホホジロザメやイタチザメなど、大型のサメでよく観察されます。彼らは様々なものを食べるため、消化できないものを口にする機会も多いからです。水族館で飼育されているサメが胃反転を行うことは稀です。これは、水族館では消化しやすい餌を与えているため、胃の中に異物が溜まりにくいからです。サメの胃反転は、彼らが進化の過程で獲得した、優れた生存戦略の一つと言えるでしょう。
サメは電気を感じることができる!?
サメは、鋭い歯や優れた嗅覚など、様々な感覚を駆使して狩りをすることで知られていますが、実は驚くべき能力をもう一つ隠し持っています。それは、生物の体から発せられる微弱な電流を感知する能力です。まるでスーパーヒーローのような能力ですが、この能力を可能にしているのが、ロレンチーニ器官と呼ばれる特殊な感覚器官です。ロレンチーニ器官は、サメの顔の周りや頭部に小さな穴として開いており、その奥にはゼリー状の物質で満たされた管が通っています。この管の底にある電気受容器と呼ばれる細胞が、生物の筋肉から発生する微弱な電流を感知するのです。サメはこの能力を、獲物の探索に利用しています。砂の中に隠れている獲物や、濁った水中で見えない獲物でも、その筋肉から発生する電流を感知することで、正確に位置を特定し、捕らえることができるのです。ロレンチーニ器官は、獲物の探索だけでなく、仲間とのコミュニケーションや、海流や地磁気の感知にも役立っていると考えられています。また、暗い場所でも、ロレンチーニ器官を使って障害物を避けることができると言われています。ほとんどのサメがロレンチーニ器官を持っていますが、シュモクザメやノコギリザメなど、一部の種類では特に発達しています。これらのサメは、ロレンチーニ器官をより効果的に活用することで、生存競争を生き抜いているのです。
サメは「尿」を排出しない!?
サメは、腎臓で血液をろ過して老廃物を尿として排出する、という私たち哺乳類と同じような仕組みを持っているにもかかわらず、実は「尿」を排出しないという、驚くべき特徴を持っています。その秘密は、体内で生成される「尿素」という物質にあります。尿素は、タンパク質が分解される過程でできる老廃物で、私たちの体でも作られますが、尿として排出されます。しかしサメは、この尿素を体液中に高濃度に蓄積しているのです。なぜサメは尿素を溜め込むのでしょうか?それは、海水の高い塩分濃度に対抗するためです。海水は体液よりも塩分濃度が高いため、そのままでは体内の水分が奪われてしまいます。そこでサメは、体液中に尿素を蓄積することで、体液の浸透圧を海水とほぼ同じに保ち、脱水を防いでいるのです。尿素を溜め込むことで、サメは腎臓の働きを最小限に抑え、貴重な水分を体内に保持することができるのです。余分な塩分は、直腸腺と呼ばれる器官から排出されます。サメの尿素は、私たちの生活にも役立っています。保湿効果が高いことから化粧品や医薬品に配合されたり、窒素肥料として農業にも利用されたりしています。サメの体液には高濃度の尿素が含まれているため、独特のアンモニア臭がします。そのため、サメの肉は鮮度が落ちやすく、食用には適さないことが多いですが、適切に処理されたサメの肉は、高タンパク質で低カロリーな食材として、一部地域で食用にされています。サメの老廃物処理の仕組みは、私たちとは全く異なり、海という過酷な環境に適応するための進化の結果と言えるでしょう。
サメの肝臓が巨大な理由とは!?
サメの肝臓は、その体の大きさに対して驚くほど巨大で、中には体重の25%を占めるものもいます。 これは、サメが浮力を得るための重要な器官だからです。硬骨魚類のように浮き袋を持たないサメは、肝臓にスクアレンという油を大量に蓄積することで、水に浮くことができるのです。スクアレンは水よりも比重が軽く、サメの肝臓はその浮力によって、まるで内蔵された浮き袋のように機能します。 また、肝臓は浮力の調整だけでなく、エネルギーの貯蔵、ビタミンの貯蔵、解毒作用など、様々な役割を担っています。この巨大な肝臓は、海の生態系の頂点に君臨するシャチが大好物で狙われてしまうんです。 シャチは、サメの腹部を攻撃し、肝臓だけを器用に抜き取って食べるといいいます。栄養価の高いサメの肝臓は、シャチにとって貴重な食料となっているのです。また、サメの肝臓は、人間にとっても有用です。 肝臓から抽出される肝油は、古くから薬として利用されてきました。 ビタミンAやビタミンDが豊富で、滋養強壮や免疫力向上などに効果があるとされています。 また、スクアレンは健康食品や化粧品などに利用され、保湿効果や抗酸化作用、免疫力向上効果などが期待されています。
このように、サメの巨大な肝臓は、サメ自身の生存に不可欠なだけでなく、他の生物や人間にとっても、様々な形で役立っているのです。
いかがでしたか。今回はサメについての雑学を紹介しました。『雑学中毒研究所』チャンネルでは毎日いろんなジャンルの雑学を紹介しています。是非一度、ご覧になり、チャンネル登録をお願いします。サメに興味がある人は『熊』にも興味があるかと思いますので(完全な偏見です)、『熊』の雑学集の動画も是非ご覧ください。
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