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最終レジェンド達成 27弾(ND) 赤黒デッドゾーン デッキ解説

この度昨日まで行われていたヴァルカンアンチャンスカップで、予てよりの目標であった初のND最終レジェンドを達成することができました。

今回は、その際に使用していた赤黒デッドゾーンのデッキ解説です。

今期初頭からの最大勢力であるレッドゾーン相手に不利を取らないことが何よりの強みであり、環境が変化する前に最終ラインまで逃げ切ることが可能だと判断し使用した結果、目論見通りにレートを上げきることができました。

前回に引き続き文字ばかりな上、内容がかなり膨らんでしまいましたがご容赦ください。(約18000字あります。)

今回も全文無料なので是非最後まで読んでいただけると幸いです。


デッキ選択の経緯

今期は初めからレッドゾーンが圧倒的に多く、その使用者の多さにも納得がいくほどの高いデッキパワーを備えていることは明白でした。ゲームの基本方針がビートダウンであることから複雑なプレイが常に要求されるとも言えないため着手したプレイヤーの多くは簡単に手放すとも思えず、対策が進みこれに対抗できるデッキだらけになったとしても最後までトップシェアの座を渡すことはないだろうと予想していました。

そのため、多少なりとも今期はレッドゾーンに有利を取りつつ、同じく対策を施してきたデッキ群の中で立ち位置が悪くならない、あるいはそうなる前にレートを上げ切れるだけのポテンシャルを持ったデッキが最終レジェンドを目指すのに最適ではないかと考えました。

いくつか候補となるデッキを比較した結果、レッドゾーン対面はブラックサイコで追撃の手を刈り取りながらデッドゾーンで盤面を破壊できるため十分な対応力を保有しており、複数のリーサルルートを持つためフィニッシュにも不安がなく、その他の対面にはゼロフェニックスで安全に殴りきれるため、受動的にも能動的にも立ち回れる部分が優れていると考えこのデッキを使用することを決めました。

今期の序盤はサムライ、そしてスノーフェアリーを使用していましたが、前者はトリガー勝負を避けられないことから受けを重視したデッキが多いであろう環境下で最後まで勝ち切るとは思えず、後者はデッキパワーの低さを簡単には補いきれないと判断し手放すことを決めました。(これについては見切るのが早すぎたかもしれません。)デッドゾーンに慣れるまではスノーフェアリーと併用したこともありましたが、やはり決め手となったのはレッドゾーン対面により有利である部分です。

現環境を勝つ上での最優先事項はこれ以外にないと判断したため、使用デッキをデッドゾーンに絞ってからは最後まで交代することなくランクマッチを走りきることができました。

デッキの概要

このデッキはビートダウンとコントロール、両者の性質を内包したデッキです。

自分から仕掛けるのか受けに回るのか、分割してリーサルを組むのかワンショットキルを狙うのかなどの判断が要求されるため、対面次第で狙うべきゲームプランこそあれど、ゲームごとに最適なルートは常に変化するものだと捉える必要があります。

また、耐久を狙おうにもトップ1枚で簡単に瓦解することは珍しくないため、どこまでなら待てるか、どのタイミングで殴るのかを見極めること、それを見越した上でフィニッシュの算段を立てることが重要と言えます。

豊富なリソースの確保には優れないデッキである以上、相手のリソースを奪いつつ余計なリソースを与えない立ち回りが基本となるため、どちらかといえば慎重な試合運びを選択することの方が多いです。

使用したデッキリスト、各採用カード及び採用候補のカード

レート1600台に入ってからはほぼ全てのゲームでこのリストを使用しました。

特徴があるとすれば共に自由枠であるDNAスパーク4枚とノワールピア2枚、そして禁断の不採用でしょうか。

厳密には赤黒t白。今思えばプリンはキルでもよかったかも

採用したカード

・勇愛の天秤
墓地に捨てても機能するカードが多いため実質ノーコストで使える機会に恵まれた、擬似的なドローソースと言えます。レッドゾーンに対してはトップギアを焼いたりブラックVを探したりなど他に目立ってやることのない2t目での使用頻度が非常に高い他、手札のない時にトップデックすると数少ないリソースを増やすカードにもなるため邪魔になる場面がありません。4枚必須です。

・ノワールピア
リバイヴサイコデッドゾーンで手札と盤面を破壊し相手の動きを止めた後、即座に墓地からゼロフェニックスを引っ張り出して攻勢に転じることが可能となります。5tデッゾ侵略から6tゼロフェニ蘇生にタイムラグなしで繋げることができるのはこのカードのみです。

レッドゾーン対面では禁断解放という明確なリミットが存在する以上、一度動きを止めても勝利するまでにはそれなりの速度が要求されます。とはいえ可能であるならトリガーをある程度無力化して勝ちたい場面もあるため、単騎ではゼロフェニを蘇生できないデッゾの補助としての役割は悪くはありません。

その他にも白単連鎖や天門相手はゼロフェニを軸にゲームを組み立てることが多いため、単体でまずデスフェニを釣り上げてからルナティック進化する役割も重要です。これらの対面では特に毎ターン盤面に干渉することを強いられがちなため、間を置かずにゼロフェニを釣り上げる動きは環境にいるデッキの多くに有効となります。

元々場に残る赤のクリーチャーがかなり少なく、ゼロフェニの4枚目を入れる以前に1枚目をより機能させやすくする方を優先すべきだと考え2枚を用意しました。ゼロフェニ本体が処理されたとしてもこれさえ残れば蘇生のチャンスが残ることと、打点が横に広がればキルパターンに関与してくれることは自由枠を使うことに十分見合っていると評価しています。

・ボーンおどりチャージャー
特に重要となるのはレッドゾーン対面です。

後手3tに使えば先4t侵略に対しブラックVの他にもリバイヴホールでの対処が可能となるため、受けのパターンが広がります。自分が先手の場合でも、4t5tと続けざまにリバイヴを放ち侵略させながら先に全ての盾をトリガーもろとも割り切り、ビートダウンの達成手前までたどり着くことが可能です。

墓地肥やしはリバイヴの回収効果とも噛み合っており、受けに回るゲームでブラックサイコを拾える可能性が生まれるなど無駄がありません。時折減ったり抜けたりしているリストを見かけますが、あるかないかで序盤の手の組み方が大幅に変わってしまう上、ロングゲームでもゼロフェニを探す役割を持てるため4枚必須だと考えています。

また、ミラーマッチにおいては4マナ、5マナあたりでは使用を見送る場合があります。詳しくはプレイングの項目で説明します。

・ブラックV
サイコを含めたハンデスと侵略はこのデッキの要であるため4枚必須です。

相手のクリーチャーに侵略込みで殴り返す場合、リバイヴホールを温存するため先にこちらを消費するプレイも細かいですが重要となります。理由は後述するワンショットキルのためにリバイヴが必要となるからです。

・ブラックサイコ
対面によりますが2枚引いた場合には両方とも使用する機会があるかを考える必要があります。後述するコントロールプランは基本的にこのカードで相手の手数を奪うことが前提となっているため、このデッキを成立させている核といっても過言ではありません。4枚必須です。

・リバイヴホール
状況に応じて必要なカードを回収しながら侵略元を用意するに留まらず、アンタッチャブルを展開してワンショットキルの準備、マティーニを配置してリーサルの阻害、リュウセイで打点を用意しながら1t稼ぐ、あるいはゼロフェニ蘇生のトリガーに使うなど役割が多く、それらがいずれも勝ち負けに直結する場合があるため4枚必須です。

余程のことがない限りマナには置かずに、常に強い形でゲームに絡めることを意識して運用します。

・ボルシャックホール
レッドゾーン及びミラーを考えた場合、十分な侵略元を用意することとワンショットキルを構えることがリバイヴ4枚では足りないと感じたため1枚だけ追加しました。必須ではないため場合によっては0でも問題ないかもしれませんが、アンタッチャブルを用意できるのは超次元呪文ならではの利点です。トップ勝負に弱いというこのデッキの欠点を補強できる数少ない部分でもあるため、そこに寄せきるのであれば最大限の増量も考えられます。

しかしながら今期の3000破壊効果にそれほど重要な役目は無く、受けの部分を厚く取るなどスペースとの兼ね合いから今回は最小限の採用に留めました。

・DNAスパーク(ホワイトウィッシュ)
受けの枚数をデスハンズの4枚のみに抑えるかそれとも8枚入れるかを試した結果、8枚入れた方が強いという結論に至ったので追加で入れた防御用トリガーです。

元々デスハンズが入っている以上相手は単体を止めるトリガーをケアした状態でのリーサルを狙ってくるため、1枚で確実に1ターン稼いでくれるのは非常に頼もしく、その上で盾を残せるのも他のトリガーにはない強みです。呪文故にマグナムで無効化されることもありません。

レッドゾーン対面では初撃がWブレイカーである場合を除きどのタイミングでトリガーしても無駄になりにくく、盾がより多く残ればその分相手のトップ受けは狭まり、さらには禁断をカウンターするための更なるトリガーの可能性も増えます。

ミラーで先に盾を割り切られてしまった場合でも、これが最後にトリガーすれば盾を1枚残した状態でゲームを継続できるため、アタッカーをトップデックされても一度なら受けられます。

単なる除去では拾いきれないゲームが拾えるようになるため、2種類目に採用する防御トリガーでは最も強力な選択肢であると言っても過言ではないです。

デッキと色が合わないため序盤のマナ置きに支障をきたす場合もありますが、それを差し引いても採用して損はないカードだと考えています。トリガーの総数は自由枠をどう使うかによりますが、レッドゾーン対面に勝つ上でコストを払ってプレイしたいカードは既に充分揃っているため、不足しているトリガーの部分を厚くし8枚体制とすることを選択しました。

・デッドゾーン
時折3枚に落としている構築も見られますが、1枚目を引かないと話にならないため常にゲームに絡められるよう最大値を取るべきだと考えて4枚採用しています。これに関してはブラックVやブラックサイコ、リバイヴホール等も同様です。

2枚同時に侵略すればネバーエンドを溶かせるのも強みの一つなので、覚えておいて損はありません。

・ゼロフェニックス
1枚墓地にあれば安全に殴りきるルートを選べるようになります。ワンショットキルと比較して、これで複数回殴る余裕のある場面では積極的に場に送り出し有利状況を維持したまま詰め切りたいです。

ノワールピアの項目で少し触れましたが、白系の対面では盤面を可能な限り処理し続けて、攻めの起点そのものを作らせないように立ち回る必要があります。そのため盾焼却のみならず破壊効果も活かす必要があるので、キープしておき最短でプレイすることも視野にいれるべきだと考えています。

レッドゾーン相手には使うとしても1枚あれば十分であり、ミラーはなくても勝てるので3枚で運用していました。今後天門がさらに増加するならば4枚にすべきなのかなと思います。

天門対面ではXから進化したこれを自爆させて進化元を墓地に逃がし、盤面を破壊した上で再度侵略し封印によるライブラリーアウトを狙うゲームへ移行する場合もあります。

・レッドゾーンX
デッドゾーン単騎では対処が困難なネバーエンド、そして相手のレッドゾーンXとデッドゾーン、ゼロフェニをフリーズさせることができます。

レッドゾーンに対しては、デッドゾーンを引けていなくてもこれが代わりの侵略先になる上にゼロフェニの蘇生効果の条件を単体で満たせます。場面によってはデッドゾーンと同時に侵略することも考えられますが、墓地にゼロフェニが見えている場合は相手の殴り返しを考慮した上でどちらの状態を場に残すかをその都度検討しなければなりません。

先に少し触れましたが、長期戦にもつれた時に封印で相手の山を削りLOの目をちらつかせることも可能で、天門対面は相手の度重なる盾追加に乗じてこれに狙いを変更することも珍しくありません。

ミラーも当初は禁断で山が減っているためLOを狙うことがありましたが、耐久に優れているデッキではない上に裏目を踏むと苦しくなってしまうため、基本は殴りきる方針でプレイしたほうが無難です。

封印という効果はタップ状態のクリーチャーに付与すれば解除してもそのままの状態なので、ネバーエンドの龍解を許してしまった場合にはわざと放置して殴らせ、タップ状態となった返しに封印してアタッカーとしての役割を奪うといったプレイが有効でした。(同時に横の盤面を処理する必要はありますが)

レッドゾーン側に搭載されるケースが徐々に増え、なおかつミラーにおいても有効なカードだったので使用の機会は少なくはないと考え、1枚目の価値を高く見てしっかりゲームに絡められるよう2枚を用意しました。天門対面では長引いたゲームでLOを発生させるために時折2枚ともが欲しい場面があったため、メタゲーム次第では増量を考えても良い部分です。

・デスハンズ
解放後の禁断を剥がせる防御用トリガーであり、クリーチャーであるためアタッカーとしてカウントできるのがデッキに噛み合っています。

ブラックVサイコデッゾでの殴り返しが見えている場合、トリガーしても相手の盤面の的が居なくなる(破壊効果は強制であるため相手の場が1体なら放置してよい)なら発動させないプレイも頻出です。

基本的にデッドゾーンのトリガー枠はこれが4枚確定で採用されている場合が多いですが、受けトリガー8枚がレッドゾーン対面での勝率を支えている部分の一つであるため2種類目を追加し計8枚としました。

・アンタッチャブル
デッドゾーン設置後にリバイヴでこれを並べ、SAを追加して除去をある程度ケアした形の1+3+1+1でのリーサルパターンは頻出であり、基本的にこのデッキのワンショットキルとはこれを指します。

レッドゾーン対面では相手の型や状況に応じてこれを選択せざるを得ない時があり、その際にホーリークロックは割り切るため残る受けは単体除去と勇愛の天秤です。初撃さえ通せれば勝ちを実現するためにも2枚採用は必須と見てます。時折1枚をキルに入れ替えているリストも見られますが、ケア可能な範囲が変わってしまいリーサルを通せる場面でも成功率を下げてしまうため必ず2枚は必要です。

さりげなくボルシャックドギラゴンも素通りできます。

・マティーニ
相手のトップでの攻撃に対し事前にこれを配置することで盾が割られるのを防ぎます。禁断解放を擁する相手には可能な限り盾を残さなければならない他、最後の一撃さえ弾けば自分が勝つといった状況での防御手段として常に頭の片隅に置いておくべきカードです。

ただしデッドゾーンとレッドゾーンXには無力化されてしまうため注意が必要です。

・プリンプリン
Xでの封印は叶わないがそれでも1tは動きを止めたい場合の保険の選択肢として用意しました。コマンドを止めればトップ侵略すらも防げます。また、単体のブロッカーをすり抜けつつリーサルを狙えるのも強みの一つです。

ガイアールの3枚目にしてもよい部分ですが、必要になったゲームが互いに少ないため今後検証が必要となる部分です。ただ同じ役割の手数を増やすよりも緊急時に対応できる幅を広げておく方が負けにくくなると現状では判断しているため、こちらを優先して採用しています。

・ガンヴィート
禁断解放をスパークで止めた後即座に破壊するため、スパークを入れるならばこれも必要です。

・リュウセイカイザー
モルネク対面で1t稼ぎ出したり、天門対面で配置してロージアの着地を送らせたりと必要な場面が多くありました。レッドゾーン対面では手札を刈り取った後に4マナで相手がドローゴーした場合、ザマッハと断定してこれを選択し、プレイを封じた上で前のターンに出したデッドゾーンで殴り合いに持ち込むこともありました。

アタッカーであるガイアールを消費せずに赤のクリーチャーを出すことでゼロフェニ蘇生に繋ぐこともできるため1枚は用意すべきだと考えています。

・ガイアールカイザー
2枚は確定ですが3枚入れることも視野に入れています。

というのも天門対面では進化クリーチャーが場に複数体並ぶことが珍しくないため、2枚消費した後に3枚目が必要となるケースが生じてしまいました。

ガイアールが下にあるゼロフェニを自爆させることができればこの問題は解消できるため、プレイで対策できる範疇ならば3枚目は不要です。

採用候補のカード

少ないですがよく採用されているカードに絞って触れます。

・ブラッドレイン
サイコを4tで重ねながら即座にデッドゾーンに侵略し、5tのリバイヴでサイコを回収しながら再度攻撃することで盾を割り切るといった主に先手のビートダウンプランの補強と、トップギアに合わせることで後3tにブラックVサイコデッゾでの殴り返しを可能とします。

悪くはなさそうに見えるのですが元々先手のほうが強いデッキでそれを助長する意味は薄く、後手で出してもレッドゾーンに巻き込まれてしまえば役割を果たせないため全く期待できないという結論に至りました。

・特攻人形ジェニー
レッドゾーンに対し事前に手札を削ぎ落としておくことで、後のサイコ絡みのハンデスで手札全てを奪いやすくするための布石となる部分です。しかしターボ3が絡むケースは事前のハンデスがあまり意味を成さないため、期待が不確定な選択肢は切りました。

・エヴォルメラッチ
3t目でプレイすれば足りない侵略先を引っ張れるため、殴り返しなどのゲーム展開がより安定するようになります。赤のクリーチャーというのもゼロフェニのトリガーになるので仕事をした後も無駄がありません。

しかしレッドゾーン対面後手で運用するには4tで殴り返すためのブラックVが必須、中盤以降に使っても横の動きが強くないため実質パスに近い状態になってしまう、にも関わらず序盤に使う目的ならば多投しなければならないなど、目に付く問題が多いため採用を見送りました。

トップでの切り返しに苦しめられることが多いこのデッキにおいて、現環境で中盤以降に自ら一手損を背負う場合があるのは許容できないというのが個人的な意見です。

ブラックサイコを引っ張れるかがゲームの鍵になるのは確かな事実ですが、強く使える場面の少なさから割に合わず、採用せずともレッドゾーンには微有利なので余剰だと考えています。

今後の環境の変化次第では採用を再び検討してもよい部分だとは考えているため、入れ替え候補の中では比較的採用する可能性が高いと言えます。(1枚だけ入れ替える場合はボルシャックホールの追加か禁断の採用などを優先します)

・タイガニトロ
マナ武装という特性とスパークとの兼ね合いが悪くこの構築では生かしきれないため、今期を通じて使用することはありませんでした。1枚で相手が抱えた多数のアドバンテージを失わせることは、こちらの手数では対処が追いつかず徐々に差を付けられるという状況を未然に回避できるためデッキの弱点を補強できます。ブラックサイコを容易に乗り越えられる対面には効果的な1枚と言えるため、環境次第ですがスパークを外す場合に候補に挙がる1枚ではあります。

今後のメタゲームが天門中心に移り変わっていく場合には採用を考える部分ですが、上手く機能させるためには今回のリストの構造そのものに手を加える必要が生じてくるため、レッドゾーンへのガードが下がる危険性があります。また、天門に標準搭載されているヴィズローサ、ローザンテでヘブンズヘブン設置以降トップからの展開が可能なためニトロをすり抜けられる場合もある上に、タイタニスには無力です。総合的に考えて、積極的な採用には懐疑的と言わざるを得ません。

・魔の革命デスザロスト
これを採用するならば同時にエヴォルメラッチと禁断を採用し、デッキの圧縮を図った上で欲しい場面でプレイできる可能性を上げればより機能すると考えています。が、元々出番がほぼないため2枚以上の採用は難しく必要な場面での確保はそこまで望めず、1枚のためにデッキの構造を歪ませてもリターンが少ないことから扱いにくすぎると考え、今回の構成には合わないと判断しました。

・禁断
このカードを前提として構築されるレッドゾーンと違い、デッドゾーンにおけるこのカードは40枚目に入るカードです。同時に必須枠も多く、メインギミックの侵略だけで全てのゲームに勝利するには心許ないためゼロフェニというサブアタッカーを用意する都合上、デッキのスペースにはそれほど余裕がありません。自ら山を減らすという行為も場合によってはデメリットになります。

場を一つ埋めるという性質にはそれほど不自由さを感じないデッキであるため採用できなくはないです。しかしミラーを戦って解放されたゲームはただの一度もなく、墓地を肥やすのはコマンドをプレイしたタイミングなので事前にそれ込みでのプランまで考慮するかは難しく、デッキが圧縮されている部分で差をつけられているとは感じませんでした。事実としてミラーは禁断なしでも勝ち越しています。

入れたいカードがなければデッキ圧縮の目的で採用することは有り得るため、今後役割を失ったカードが出てくれば採用するのもなしではないかなと考えています。

・時空の喧嘩屋キル
マティーニでの防御が必要な上でゼロフェニの蘇生を狙う場合に使用します。1枚入れているだけでその選択が取れるようになるため、プリンではなくこちらを採用しても良かったかなと少し反省しています。この役割に気づいたのは潜るのを終えてからだったため試す機会はありませんでしたが、今後このデッキを使うなら採用を検討してみようかなと考えています。

大まかなゲームプラン

このデッキで考えるべきゲームプランは3つです。

1.ビートダウン

自ら仕掛け、先に全ての盾を割り切ることで次の侵略の一手での勝利を狙うプランです。サイコ2点+デッドゾーン3点やデッドゾーン3点連打など、盾を先に割り切ってしまえばリーサルを阻むブロッカーは侵略で剥がせる上にトリガー勝負を未然に避けることができるため、殴り合いになるなら受けに回らずとも先制して構わないと判断した場合はこのプランに踏み切ります。

ゼロフェニを構えて安全に一手ずつ詰められる場合でも、横にアンタッチャブルを添えることでゼロフェニが処理されても次ターンで確実に分割リーサルを通しきる場合や、1tでも早く殴りきるためにトリガーを踏むことは割り切ってアタッカーを追加して総攻撃する場合などに分岐しますが、いずれも狙いそのものはビートダウンの達成という点では同じです。

基本は先手のみ選択可能な上にどちらかといえばあまり積極的にとりたくはないプランですが、特にレッドゾーン対面は受けに回ることに囚われすぎると先制して走りきるルートを見逃すことになってしまうため、狙える条件が揃っているならば仕掛ける可能性があるという意識は常に持つべきです。

分岐する条件としては、先手で手札に4t5tで盾を割り切れる組み合わせが揃い、手札を与えてでも先制することに意味がある対面であり、自分が先に走り出せる状況かつ致命的なトリガーが相手に採用されていないことの全てが揃っている必要があります。

2.コントロール

相手が先に仕掛けてきた場合や手札を与えながらのビートダウンに向かない場面で、サイコのハンデスや侵略による盤面の奪取で相手の攻め手を押さえ込み、盾への攻撃は基本的にゼロフェニに任せ、他のクリーチャーで一切攻撃はしないというプランです。

先ほどとは違い盾を殴らないことでリソースを与えず、相手の手を狭めることで追撃のリスクを可能な限り避け、より安全に勝つことを目的とします。

ただし完全に耐久しきるのは簡単ではないため、抑え込んだ後で余裕が有るうちにゼロフェニでの殴り切りを目指すべきか、あるいはどこかでワンショットキルへ移行するのかを判断する必要があります。

レッドゾーン対面では禁断がある以上相手のトップデックから逃れ続けることは不可能なため、可能な限り早くゼロフェニで殴るかワンショットキルを構えるかに向かわなければなりません。

二番目に挙げましたが基本的にこのプランが多くのゲームでの軸になっているため、これに分岐する頻度は最も多いと言えます。

3.ワンショットキル

デッドゾーンの横にアンタッチャブルを展開し、除去トリガーをケアした上で同一ターン中に全ての盾を割り切ってダイレクトアタックを狙うプランです。

スパークやクロックのない対面、あるいは割り切って殴るしかない場面で1枚目で除去トリガーを踏まなければ安全に詰め切れるため、レッドゾーン対面やミラーでゼロフェニを用意できない場合は除去トリガーをある程度ケアできるこれを狙います。

手前二つのプランは辿る道筋であるのに対し、このプランは目指すべきゴールの一つという側面が大きいのでコントロールから分岐することが多いですが、相手の攻撃を返した後の一瞬の隙を突いて即座にアンタッチャブルを呼び出し、ロングゲームに移行させないといった緩急をつけたプレイで勝ちを拾うことも少なくありません。

相手がこのリーサルパターンに対する回答を持たないのであれば、分岐するタイミングを見逃さず積極的に実行します。

また派生形として、アンタッチャブルマティーニデッドゾーンと構えて防御に一枠割きつつ、次ターンコマンド追加及び侵略による2+3+1のルートや、デッドゾーンの代わりにXとサイコといったWブレイカー、アンタッチャブル2枚を組み合わせた2+2+1+1のルートもあります。当然リスクは増えますがリーサルに向かわざるを得ない状況は頻発するため、これらのキルパターンも把握しておく必要があります。


対面ごとのプレイング


・レッドゾーン

勝率はおよそ55%以上の微有利マッチです。

ビートプランを実行できない場合は全て相手に先に殴らせ、ブラックVサイコデッゾで押さえ込み、禁断解放までの猶予を考慮しつつ最適なキルルートを辿る、というのが理想的です。

総じて言えることは盾がない状況で禁断解放されてしまえば負けが確定するので、相手5マナ禁断カウント残り2のようなトップザマッハでいつでも負けるような状況まで追い込まれたらトリガーは割り切ってリーサルに向かう、あるいはそうできるように盤面にクリーチャーを展開しておく必要があるということです。

相手のトップデックよりも先にリーサルを組むという姿勢は常に崩さないことや、リスクは割り切って踏み込むべきチャンスを逃さないことがこの対面で特に要求される部分と言えます。

いくつか構築のパターンがあり、その差によって戦い方が少しずつ異なる場合があるので順に解説します。

1.赤単tホーリー

トリガーをホーリーに任せ、スロットの大半を攻撃手段に割いた最もオーソドックスなタイプです。公開領域にホーリーがあり、クロックが見えないもしくは他のカードが優先されていそうだと考えられる場合はこれと断定します。

積まれているトリガーの枚数自体が少なめなので、ホーリーが2枚見えた時点でトリガーをある程度無視し突撃するルートを視野に入れます。禁断カウントとXの見え方、盾の残り方次第ではゼロフェニが見えていても使わずに1tでも早く勝ちきることを優先してリーサルへ向かう、というプレイが要求される場合もあります。言い換えれば、ゼロフェニの焼却に頼って1t余分に相手に渡しても問題ないと言い切れる状況であるかを適切に判断しなければなりません。

(例.)こちら盾2枚、盤面にデッドゾーン、アンタッチャブル2枚、手札にゼロフェニ、ザブラック、相手の盾5枚、禁断カウント3、手札なし、相手の墓地にXあり、公開領域にホーリー2枚、5マナの場合

→次の一手で禁断解放されるのはザマッハのみだが、ゼロフェニで殴っても次に4コストコマンドを引かれてしまえばXで盾を割り切られながらゼロフェニを封印により失う。その場合禁断カウントが残り1になるだけでなくトリガーも踏み抜かれてしまっている上に、相手の盾にホーリーがあった場合負けが確定。しかしこのターンリーサルをかければ最悪止められてもこちらの盾はまだ残っているのでトリガー勝負に持ち込める。ホーリーは既に2枚見えておりその他の有効トリガーはないものとしているため殴るリスクはもとより少なく、同じ引かれる前提、踏む前提ならば先に仕掛ける方が明らかに都合がいい。

上記の例を基準とするなら、仮にXがなければゼロフェニは止まらない上に禁断解放もされないので進化して安全に殴っても問題がなく、自分の盾が既にないならばやむを得ず突撃する、というふうに分岐します。

また、ホーリーが1枚しか見えていない場合は、ゼロフェニを出せるなら安全に殴るルートを選び、そうでないなら禁断カウントと手札との相談になります。しかし悠長にゼロフェニを引くまで待てるほどの時間はないため、基本は割り切ってワンショットキルを目指します。

勇愛さえケアすれば最小限の打点で殴りきれる上に、最悪殴りきれなくてもこちらの盾さえ残ってしまえばトリガー勝負に持ち込めるのはどのタイプと戦う時も同じなので、相手のトリガーの採用枚数や残り枚数が少ないと判断できるならばなおさらリスクを許容する方向に傾く、というのがレッドゾーン対面のプレイの指針の一つと言えます。

2.赤単tホーリークロック(カウンター型)

ホーリーに加えクロックを搭載し、最大で計8枚体制をとっているリストです。クロックが1枚でも見えた時点でこれと考えます。

ホーリー単体が積まれている場合と違うのはワンショットキルが止められる危険がより大きいことと、相手のトップが僅かに弱いことです。

状況によってトリガーを割り切る意識が必要なことに変わりはありませんが、先ほどの場合と違い1t与えてでもゼロフェニで殴る場合が増えます。

トリガーで止まる可能性の方がやや高いのであれば、今度はトップで引かれる方を割り切り安全に詰め切る方針に転じるのがこのタイプとの戦い方です。

3.赤単(ホーリーなし、ジ・エンドオブエックス搭載型)

轟速Sなどの追加の攻め手が搭載されており、禁断解放により重きを置いているタイプです。ホーリーが入っている場合もありますが、1枚も見えていない場合はトリガーは赤の呪文に寄っていると仮定して立ち回ります。

狙いはワンショットキル一本です。

単体除去のみを考慮すべき場合は初撃で踏むリスクさえ回避できれば見返りはゲームの勝利です。万が一踏んでも余計な手札を与えずに済むため次tでのリーサルの目は十分に残ります。

このようなアンタッチャブル込みでのリーサルを組む場合に備えてリバイヴを使える場面でもあえて先にブラックVからプレイし、イレギュラーが発生しても手札にリバイヴのほうを残しておくことで対応の幅を広げるといったプレイも、細かいですが習慣化しておくと役に立つ場合があります。

4.赤黒

トリガー枠がデスハンズであるため、3の赤単と基本方針は同じです。ホーリーが多頭されているケースもありますが、4枚確定とまではいかないため見えたとしても無視してワンショットキルルートで勝ちます。

5.赤緑

実はデッドゾーンが唯一苦手とするタイプがこれです。先2ブースト先3侵略をデスハンズなしで返すのは不可能であり、あっても続くターンでの追撃で盾を全て失えば窮地に追い込まれてしまいます。先攻を渡してしまった時点でかなり厳しいと言わざるを得ません。

欠点を挙げるとするならば他のタイプに比べホーリーを筆頭としたトリガーが削られている場合が多く、割り切りリーサルが通りやすくなっている点です。そのためゼロフェニは放棄して早めにリーサルを通すことを優先してプレイします。

また、しばしばヤドックが出てきますが侵略する場合の判定は進化先1枚ごとに行われる上に進化元はマナ送りにされないため、途中でマナが増えれば効果を乗り越えての侵略が可能となる場合があります。

(例.)ヤドックがいる状態で4マナの時にブラックVをプレイしブラックサイコ2枚を侵略宣言した場合

→サイコ1枚目がマナに飛ばされ5マナになり、その後2枚目の判定が入るが既に5マナになっているためヤドックの効果には引っかからず侵略が成功する。

・赤黒デッドゾーン(ミラーマッチ)

一般にミラーでは先に盾を殴る方が不利とされています。

理由は明快で、ブラックサイコを含む手札と攻撃対象を相手に与えてしまえば、返しで相手の侵略の餌食になった上で追加の攻め手までもがもぎ取られるといった負けパターンにはまってしまうからです。

ガイアール経由でのハンデスも基本的には避けたいため、手札を減らしてまで無闇にクリーチャーを自ら展開するのはあまり良しとされません。

かといってクリーチャーを出さなければ殴りきることは叶わないため、いかに相手に先に殴らせて自分がカウンターするかが問題となります。

ポイントとなるのは抱える手札の枚数です。

ミラーの思考としては、極力相手に殴られるもしくは殴り返されても問題ないよう、ブラックVサイコの3枚ハンデスに対して殴り返し要員のコマンド2枚を含めた4枚の手札をキープしながら進行したい、というのがあります。

また、仮にリバイヴを抱えられていようが手札が3枚の相手に対しては3枚ハンデスを通せば有効牌は確実に落とせる、とも言えます。

この性質を逆手にとり、リバイヴやサイコが手元にないといった状況ではわざと手札を3枚にして相手の攻撃を誘いこちらの返しの標的を作り、攻め手を消費させた上で盾から回収したパーツで殴り返し盤面と手札の奪取を狙う、といったプレイを選択することがしばしばありました。

手札が弱い状況でこそこのプレイは役立ち、ハンデスを半ば空撃ちさせた上でカウンターのチャンスを作り出すことができます。

もちろん盾の中身によっては何事もなくただ殴られただけ、となってしまうこともあるため不確定要素に左右されてはしまいますが、少なくとも損となりうる行動を相手にとらせている時点で何もしないよりかは有利状況を作ることに期待が持てます。勇愛がトリガーすれば不要牌含め2枚を交換できるため、見た目以上にこのプレイは有効なのではないかと考えています。

反対に強い手札の場合は、相手が4マナに差し掛かる場合ならパスしてでも手札4枚以上を維持してハンデスの口実を与えず、殴られても1枚は殴り返しのコマンドを残しやすいためサイコ込みでの返しに期待できる、というように手札のキープの仕方を変えます。この場合は4t以降のボンチャすら場合によっては使わずに抱えます。

トリガーは基本的に単体除去しか入っていないため、相手の動きが止まればワンショットルートを狙って問題ありません。

・天門

搭載されている、あるいはゲーム中にプレイされるリソースカードの数が減るほど戦える対面です。リソース面で大きく差をつけられると厳しいゲームになるため徹底してそれを許さないゲームを目指します。

ローザンテを有効活用させないのが課題で、終始盤面の処理に努めます。軸となるのはゼロフェニで、基本的にこの対面には他のクリーチャーで盾に攻撃することはありません。

龍解させることも負けに直結するので、ブロッカーの数が多い時は最悪スパークで曲げてゼロフェニで相打ちすることさえもあります。いかに相手の手に合わせ続けられるかが重要なため、6マナまでたまったらスパークやデスハンズはマナに置かず可能な限り温存します。

また、長期戦になる上に盾回復で山が減っていく対面でもあるので、ゼロフェニでプレッシャーをかけつつXの封印を使いながらLOで勝つルートも忘れてはなりません。時折これで勝つことがあるため、あらかじめゼロフェニを自爆させて進化元となったXを墓地に逃がす、タイタニスめがけてハンデスし山を削るといった勝ち分岐には特に注意してプレイします。まだ猶予が残されていると判断した相手の意識外からゲームを強制終了させられる場合もあるため、ゼロフェニビートとLOの両面から勝ちを狙う対面と認識することが重要です。

一つのミスが負けに直結しやすいため、かなり神経を使う対面です。勝ち越してはいますが、意識されれば戦いづらくなるのは目に見えているため実際の相性は五分から不利になってもおかしくはないと見ています。

・モルトNEXT

今期最も相性が悪い対面で、3割取れればいいレベルです。したがってトリガーなどの裏目は全て無視し、最速でのビートダウンの達成のみを考えます。

強いて言うならリュウセイでモルネクの着地を遅らせるプレイが頻出なのが他の対面との一番の違いです。リーサルのチャンスを作ったうえでボルドギで止まればおとなしくトリガーでの逆転に期待します。

・白単連鎖

ゼロフェニベースで攻撃するなどの基本方針は天門に近いですが、ミラダンテ2種を可能な限り使わせないことが重要です。

革命0トリガーで止められてしまうと、返しに全フリーズを喰らうため勝利が遠ざかります。そのため、盾を全て割り切るターンは相手の盤面に進化元となるクリーチャーを残した状態でターンを渡さない必要があるので、全て処理できないターンには盾を割り切らず、割り切ったとしてもダイレクトアタックはせずに、ミラクルミラダンテを使わせることなく相手の盤面が空の状態を作ってターンを終了します。(シンパシー込みでミラダンテが出てこないことが確定する数までならクリーチャーを残しても問題ありません。その場合でもダイレクトアタックは控えます)

こうすることによって、次ターン相手は進化元を用意できなければこちらの動きを縛ることはできず、そうなれば十分な数のアタッカーを確保した状態で再度ターンをもらうことが可能です。

詰めの段階で可能な限りリスクを排除していけば相手に攻めるチャンスを与えることなく勝てるため有利な対面と言えます。


終わりに

今回最終レジェンドを達成するためのデッキ選択をする上で掲げた課題は以下の3つです。

1.環境における立ち位置が良い(シェアの上位を占めるデッキ群に対し有利を取りつつ、不利となる対面が少ない)

2.デッキパワーが高い(押し付けと返しのどちらかあるいは両面に優れ、後手を引いた程度では簡単に崩されず、どの対面にも勝ちの目を作り出せる。その上で簡単に対策されない、あるいはそれを踏み越えられる手段を保有している)

3.安定感がある(特定のカードや条件等に依存しすぎず、デッキが自ら機能不全を起こして自滅することがない)

ランクマッチを勝ちきる上で最も優先すべきことは、デッキ構築でもプレイの練度でもなく、正しいデッキ選択をすることだと考えていました。

デッドゾーンというデッキ自体はお世辞にもパワーが高いとは言えませんでしたが、今期勝ち残ることができた要因は間違いなく一つ目の課題を十分にクリアできていたことが大きいです。このデッキが自分に合っていたという点を含めても、今回のデッキ選択は自分にとっては正解だったと思います。

このデッキを含めいずれもレッドゾーンという最大の仮想敵ありきでの選択及び構築がなされていますが、今の環境は更なる変化の余地を十分残していると考えられます。レッドゾーン自体も数は少ないながら勝ち組であった赤緑の有用性が公になり、このカラーリングを選択するプレイヤーが今後さらに増加しても不思議ではありません。天門に対する回答のひとつにヤドックが存在することは他にない利点です。自分は早めにレートを上げきってしまったため直近の環境の変化は把握しきれていない部分がありますが、それでも終盤は天門が増えた印象があり、環境の勢力図は初めと終わりで確実に変化したと言えます。それを踏まえて次なるメタゲームが形成されていくため、今後このデッキを使うにしてもあまりに向かい風だと感じたのならば一度デッキ選択の段階に立ち返ってみることを推奨します。

27弾環境は引き続き行われますが、レッドゾーンのトップシェア自体はそう簡単には崩れないと考えているため、環境次第で再びこのデッキが活躍することもあるかと思われます。今回の記事が少しでもそのための参考になったら幸いです。

長くなりましたが以上でデッキ解説を終わります。投げ銭などは設定していないので代わりと言ってはなんですが、Twitterの方の固定ツイートにいいねとリツイートをしていただけると非常にありがたいです。もしよろしければお願いいたします。(もし誤字などがあったら教えてください)

ここまで読んでくださりありがとうございました!
(デッキ解説とは直接関係ない部分がもう少しだけ続きます。よろしければ引き続きお付き合いください)

おまけ

今期はリリース当日から全ての試合における戦績等を記録し、それを元に考察を行っていました。一人で収集しようとデータのサンプル数自体が足りないのは承知していますが、これにより表にはなかなか出てくることのない情報を得ることができていたのはデッキ選択をする上で少なからず役立ったので一部を紹介します。

(データの全体像など詳細については非公開とさせていただきます。また筆者は数学が得意ではないので色々雰囲気で書いています。おかしな部分があっても大目に見てください)

データの収集によりある程度の数字が集まれば現在の流行が可視化されるため、各デッキの特性さえ理解していれば今後どのデッキ選択が最善となるかを考える大きなヒントになります。

しかしながら、ただ対戦相手のアーキタイプを集計するのみでは読み解けない部分があります。

それは、「プレイヤー全体のデッキ分布を知ることは可能であっても、高レート帯のプレイヤーが使用しているデッキ分布及び傾向までは不明である」という点です。

重ねて言うなら、「レート帯ごとに分布が異なっている可能性があるものの、その真偽や実態を確かめることはできない」こともアーキタイプの全体集計のみでは知ることのできない部分です。

あるデッキがトップシェアであることとそれが最善な選択であるかは全く無関係であり、上位プレイヤーは勝つべくして勝っているのだからレート帯によって分布は変動し、何らかの形でその差が表れるはず、というのが持論です。

今期最も知りたかった部分は、レッドゾーンの海を泳ぎ切ったプレイヤーが使用しているアーキタイプの分布が全体とどれだけ乖離しているかという点。そして分布に差が見られた場合、対戦数を重ね自分のレートが上がることでマッチする相手の平均レートが上がっていくと仮定した場合にデッドゾーンを使用し続けることは正しい選択であるのかの二点です。

これらを検証するためにとった方法は単純で、対戦相手のレート値も毎試合記録し、上位に絞ったデータも同時に収集するというものです。ついでにわかりやすくするために、1500台後半は緑、1600台は青といった具合に場合分けして一目で分かるように表示させるなど多少工夫しました。

意外な形でこれが功を奏し、自分のレートが上がるにつれてやや殺風景だった戦績シートが色付き始め、練習の成果が出ていることをより実感することができました。(レートが上がればその分マッチする相手の平均レートも上がるため)

今回そこまで数は多くないため日毎に目視で数えました。そしていくつか分かったこともあります。あくまで推測の域を出ない部分もありますが、

・全体と上位とで極端な使用率の差は見られなかった。上位帯でレッドゾーンを選択したプレイヤーこそ減少が見られるものの変わらず多いなど、全体分布に比較的近いと捉えてよい。ただし、レッドゾーンに関しては赤緑がシェアの少なさの割に上位にいるため勝ち組である可能性が高い。が、全体でこのカラーリングの増加は見られないため仮に流行るとしても時間がかかるためデッドゾーンにとっては影響なし

・1600を超えるモルトNEXTはほとんどおらず、よくて1500台後半であるため多数が勝ち上がってくることはまず考えられない。これにどれだけ不利なデッキを使おうが上位に増えるはずがないため問題なし

・格上相手でもデッドゾーンミラーで劣っているとは感じなかった。定石を利用し誘き出すプレイは相手のレベルを問わず通用したため、流行度合いを加味しても現状はミラーを受け入れて構わない

このような事柄が浮かび上がってきました。

これにより自信を持ってデッドゾーンを最後まで使い、立ち位置が悪くなる前にレートを稼ぎきることは十分に可能であるという判断に繋がったのでこの試みは非常に良かったと考えています。デッキ選択で揺らぐことがなかったため一つのデッキを練習することに集中できたことは、最終レジェンドという目標を達成するのに大きく寄与してくれました。

今回は最終ラインを超えたと判断した時点で潜るのを止めましたが、再びランクマッチに挑戦する際はレート1700を踏めるよう、引き続き頑張りたいと思います。

おまけ部分も以上で終わりです。

改めて読んでくださりありがとうございました!

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