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山口蓬春が「ライカ一式」を売って手に入れた葉山の邸宅をLeica IIIfで撮影した話
山口蓬春は戦前~昭和40年代くらいまで活躍した日本画家です。
戦後に神奈川県葉山町に移り住んでいて、その時に購入した自宅は現在は美術館(山口蓬春記念館)になっている。
記念館のウェブサイトによれば、蓬春は手持ちの「ライカ一式」を売り払って、そのお金で自宅を購入したそうだ。
そんな美術館があるならば、と僕が持っているオールドなライカであるLeica IIIfで撮影してきました。
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厳密にいうと、蓬春が山口邸を購入したのは1948年だから、Leica IIIf(1950年発売)とは違うカメラということになる。
美術館の展示室には、山口蓬春自身が撮影した写真もあって、説明を読むと、どうやら蓬春は遅くとも昭和11年(1936年)にはライカのカメラを所有していたようだから、年代的にLeica C型とかD型とかだったのではないかと思う(資料をあたればより詳しくわかるのだろうけど)。
まあでも、基本的には似たようなカメラだし、ガンダムでいうとドムとリックドムの違いくらいだろうし(ごめん、ガンヲタの人からの異論は認める)、蓬春と同じカメラで撮ってみた、というコンセプトに間違いないと思う。
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Elmar 90mm F4.0,
Kodak Gold 200
山口邸は二ヶ岡山の南の斜面に建っていて、通りを挟んですぐ葉山の海岸に面している。
もともとは戦前の日本建築で窓が多いので、おかげで屋内に光がよく差しこんでいた。
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↑の写真は、展示室前の廊下のカーテン(スクリーン)越しに、テラスの梅の木の枝が印象的に写っていた。
周りに誰もいないと思って床に這いつくばるように撮影していたのだけど、すぐ横にトイレのドアがあって、出てきたお兄さんにギョッとされてしまった。ごめん、お客さん。
邸内だけじゃなくて、山口邸はお庭も立派である。
テラスをはじめ梅が咲いていたし、ゆっくり庭を見て回るのもとても気持ちが良かった。
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ひととおり写真を撮った他は、展示室内で作品も鑑賞しました(とうぜん写真は撮っていないけど)。
この美術館は、ずいぶん作品との距離が近い。
もともと個人宅で展示室もこぢんまりとしていることもあるけど、展示室によっては壁際の作品をすぐ目の前で鑑賞できました。
また、蓬春の画室とか、あるいは往年の調度がそのまま残っていて(仏壇もあったと思う)、今にもその辺から蓬春がひょこっと出てきそうな雰囲気がある。
訪問した日には特別展として同時代の作家の大佛次郎とのコラボ展が開催されていた。
この生活感というか雰囲気というかを、このコラボ展で大佛の「鞍馬天狗」の挿絵として蓬春が描いた「小鳥を飼ふ武士」にも感じられました。
(小さいながらも記念館のサイトに掲載されてます)
これは登場人物が誰も描かれていないのに、窓の鳥籠や文机の書籍などから部屋の主人の気配が漂ってくる作品です。
作品も含めて、蓬春に親近感を得られる素敵な美術館でした。
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