![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147856131/rectangle_large_type_2_9ef4ff61a9fc368f47b01ab83e78f738.jpg?width=1200)
ウクライナ製ARAX-60が届いたので、鎌倉の建長寺で試写した話
カメラ界隈が新製品PENTAX 17で盛り上がってる昨今に背を向けるようで恐縮なのですが、中判カメラARAX-60を手に入れました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147856137/picture_pc_107d9d7441d24536c9255c63c31c99d1.jpg?width=1200)
ARAX-60は、1986年に製造されたKiev-60の改造モデルで、いまでも新品が手に入る希少なフルマニュアルの一眼レフ(新品と断言していいかは判断が分かれるかもしれないけど)。
写真からだいたい伝わると思うのですけど、ゴツい・重い・不親切と、PENTAX 17が現代要素を取り入れて新設計されたのとは真逆の特徴を醸し出すカメラです。
ちょっと奮発して、新品をウクライナから購入したので(手に入れるのに3ヶ月かかった)、カメラバッグもストラップもないまま、フィルムだけ突っ込んでさっそく試写することにしました。
フィルムはILFORD XP2 400。
モノクロフィルムだし、中判の6x6写真だし、風景よりも仏像だろう(個人の感想です)ってことで、鎌倉の建長寺に行ってきました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148645680/picture_pc_d9f08a2b9e7f2b7a47d421e2337e5f0d.jpg?width=1200)
建長寺は臨済宗建長寺派の大本山であって、広い境内の中に山門や伽藍が一直線に並んでいる。
本尊である地蔵菩薩像や、法堂の天井画など、見所が多くて撮影にはもってこい。
![](https://assets.st-note.com/img/1722124452324-pp4A9xqXUQ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722124942863-S4NJDXds2n.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1722124584587-OyMjtVfge2.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722124691895-LRk2tWOn98.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722124792556-sYHF757wfB.jpg?width=1200)
現像してみたところ、思ったよりも暗めになっている。
露出は、このカメラのプリズムファインダーのTTL露出計、、、をあまり信用しないで(正直、使い方がよくわからなかった)、いつも通りiPhoneの露出計アプリで測定したのだけど、適正よりも1〜2段階くらい暗いように思う(写真のうち何枚かは、スキャン時に露出を上げて取り込んでいる)。
また、見込み違いがあって、ほとんどのお堂は中に入ることができなくて、仏像に近寄って撮影することができなかった。さらに、上の鳥居の写真の半僧坊の裏山に眺望ポイントがあって、意外と風景も撮影できた。
![](https://assets.st-note.com/img/1722125290741-tVK4HZvOaQ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722125378760-ZRtb1e7JFF.jpg?width=1200)
さらに付け加えれば、裏山で眺望がいい、ということは、道中がとんでもない登山になった。さっきも言ったように、カメラバッグもネックストラップもない中、重さ2.0kgのカメラを片手に持って坂道を登るのは本当に大変だった。
ここから失敗写真。
まずピントがいまいち決まらない。
さっきも書いたように、お堂の中にはいることができなくて、ご本尊の地蔵菩薩などはお堂の入り口から撮影したのだけど、ピントがうまく合わなかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1722135203469-9EZ0w7DorN.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722135259614-8pYGLyPvS9.jpg?width=1200)
正直にいうと、僕は一眼レフのピントの合わせ方をいまいち理解していなかった。(後からあらためて調べたら)一眼レフのピント合わせはファインダーの中のスプリットイメージをピッタリ合わせなくてはいけないところ、「これでいいのかな?」と漠然とした気持ちでと合わせていた。
ただ、ひとつ不安なのは、(これも後から調べたら)ARAXのTTLファインダーはピントが合わない、という情報が見つかった。読んだ記事をより正確に書けば、視度が合わなくて、近距離はボケボケになる、と書いてあった。(→読んだ記事)
そりゃそもそも機材としてNGなんじゃないか、とも思うけど、もうちょっと使ってみないとよくわからない。
一方、別の失敗で、こりゃ明らかに機材のせいだな、と思うのが、フィルムの送り出しの失敗である。
本来、120mmフィルムで6x6写真だから12枚撮影できるはずだけど、9枚しか撮影できていない。現像したネガを見ると、間隔が一定ではなく、空白の箇所がいくつもできている。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148645662/picture_pc_7c11599930686128f1576cdeb25acb29.jpg?width=1200)
撮影している特にも気づいていて、まだ8枚目だと思っていた(撮影可能枚数が少ないとわかっていたから、リストを作りながら撮影していた)のに、カメラのカウンターはすでに12を示していた。
実はこれは予想していた事態で、どうもKiev60のころからの持病のようなものらしい。実感的にも、巻き上げレバーの回転がときどき中途半端になることがあって、こういうときに発生しているのかもしれない。
で、送り出しがうまく行っていないためか、撮影したフィルムの中心がずれているものがあった。レンジファインダー機でパララックスが発生することは慣れている(?)けど、せっかく導入した一眼レフでも遭遇するとは、予想外である。
![](https://assets.st-note.com/img/1722136596448-Ug6H0byWkO.jpg)
もちろん、純粋に撮影枚数が減ってしまい、ここに掲載した9枚で打ち止めである。3枚損した。
前向きに考えれば、最初の1ロールはカメラの調子をみるために試写のつもりで撮影した(だから、フィルムも安くて、かつC-41現像で近所のカメラ屋さんで現像可能なILFORD XP2 400を選んだ)。だから、失敗というよりも、このカメラの癖を見ることができた、と考えればいい。
試写したうえでの学びを列挙すると
ピント合わせを慎重に行うこと
巻き上げレバーを確実に巻くこと
カメラ本体がとてつもなく重たい
である。
特に最後の1項目は、筋トレに励むか、もしくはカメラストラップを買うか、で解決したいと思う。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148767352/picture_pc_9f1e571d769d6a3a816c3698f3112c42.jpg?width=1200)